心に残る『博士の愛した数式』
我が家では、5月17日に発売されたばかりの「ハリーポッターと謎のプリンス」(シリーズ第6作)を、5年生の娘を交え、親子3人で奪い合って読んでいるところです。(小2の息子は、「漢字が多くて読めない」と、ちょっと悔しい気持ちのよう。「映画になったら観ようね」と話しています。)
『博士の愛した数式』
さて、きょうは、子供にはまだわからない本のご紹介です。
もう映画にも文庫にもなりましたのでご存知の方も多いと思いますが、『博士の愛した数式』(小川洋子・著 新潮社)は、心に残る作品でした。
配偶者から「これ、面白かったよ」とすすめられたのがきっかけ。
手渡されたとき、「数式」という言葉にさして興味が持てなかったのですが、3ページ読んで本の世界に引き込まれました。
例えば、「24」。これは1から4までの自然数を全部掛け合わせた数ですが、「実に潔い数字だ」と博士は言います。
また、「 √ 」(ルート)は、「どんな数でも嫌がらずに自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号」。これが数式を愛する博士の表現なのです。
数学は苦手な私ですが、人の温かみと切なさが自然と伝わってきて、読み終わったあと、いつまでもふしぎな穏やかさが心に残っていました。
あらためて映画を観て
この本が小泉尭史監督によって映画化されたので、3月に時間を作ってひとりで観てきました。
吉岡秀隆扮する「ルート」と呼ばれる数学の先生が、博士(寺尾聰)を慈しむように、素数や、完全数、友愛数などを説明・回想するシーン。美しい風景と「江夏の背番号」。博士に刺激されて数字を意識するようになる家政婦(深津絵里)。
「80分しか記憶がもたない」という状況におかれながらも、気高く、美しい。小説の印象がそのまま映像になった、ステキな作品でした。
こんなリフレッショは、次への一歩・がんばる力になります。
(「こんにちは 小形かおりです」 06年05月28日付より)
(2006/05/25)