代表質問をする小形議員06年札幌市第4回定例議会
日本共産党代表質問(2006年12月06日)

小形香織  議員

来年度予算と財政問題について

  • 住民税の増税について
  • 税制改定による大企業への減税について
  • 国が検討している新型交付税について
  • 来年度の予算編成について

上田市政の3年半について

  • 国の悪政から市民生活を守ることについて
  • 市民負担増と、敬老パスと家庭ごみ有料化問題について
  • 札幌駅前通地下通路と法人市民税の超過課税について
  • 憲法・教育基本法について

いじめをはじめとする教育をめぐる諸問題について

  • いじめの実態把握について
  • いじめ問題の背景について
  • 子どもたちからのSOSへの具体的対応について
  • 学校現場の実態と行政の果たすべき役割について
  • 教育再生会議の「いじめ問題への緊急提言」について

少子化対策について

  • 保育所待機児童の解消について
  • 第2は学童保育について
  • 少子化対策としての若者の雇用環境の改善について

円山・藻岩山原始林の調査・保全について

  • 藻岩山・円山の原始林の調査について
  • 都市計画による原始林の保護について

すすきの市場、薄野ゼロ番地の問題について

  • 老朽化したゼロ番地の建替え、大規模改修について
  • すすきの市場、薄野ゼロ番地の用地取得について

   私は、日本共産党を代表して、当面する市政の諸問題について、順次質問をいたします。

来年度予算と財政問題について

   最初に、来年度予算と財政問題について質問します。

   質問の第1は、住民税の増税についてです。

   住民税の15%の定率減税の廃止が、今年度と来年度の2ヵ年で実施されています。今年6月、住民税の納付書が送付されたとき、この定率減税の半減などの税制改定による増税に多くの市民が、所得が増えていないのに住民税が増税になってきたとして、区役所の窓口などに苦情が殺到しました。
   来年は定率減税の残る半分が廃止になり、また増税です。さらに、個人住民税の税源移譲のための税制改定によって住民税率のフラット化がおこなわれ、現在、所得によって、5%、10%、13%の3段階である住民税率が、来年度から、10%に一本化されます。また所得税率は4段階から6段階に細分化され、住民税と所得税の合算税額は、増加しないとのことです。
   しかし、これが来年度実施されると、定率減税全廃による増税と税源移譲による住民税増税が重なり、大変な負担増になります。特に、所得が低く税率5%で課税されていた世帯では、住民税の大増税が襲うことになります。例えば、年金収入225万円の高齢者夫婦の場合、今年度の住民税額5600円が来年度は1万7900円と約3.2倍に跳ね上がることになります。
   市長はこのような急激な住民税の増税を、市民が十分理解していると考えておられるのかどうか、また、今年6月を上回る苦情などが区役所などに殺到することが今から予想されますが、どのように見込んでおられるのかお尋ねします。
   このような大きな今回の税制改定について、事前に市民によく周知することが大事であると考えますが、具体的にどのような取り組みをされているのか、今後どうされるのかも含めてお示し願います。

   質問の第2は、税制改定による大企業への減税についてです。

   政府税制調査会は12月1日の総会で、いっそうの大企業減税を盛り込んだ2007年度税制「改正」に関する答申をまとめ、安倍首相に提出しました。
   このなかで、法人税の減税では、企業の設備投資費用を損金として償却することを認める減価償却制度の拡充を行い、現在、取得価格の95%としている償却限度額を100%まで認めようとしています。加えて、国税と地方税を含めた法人実効税率を40%から30%に引き下げることを今後の検討課題としています。
   この政府税調の答申に盛り込まれた損金算入限度額を100%にした場合、全国ベースで大企業の法人税の減税効果は5000億円程度と報道されていますが、市長は本市の減税の影響額をどの程度と見込んでおられるのか、また、大企業への減税は、これ以上行わないよう国に求めると考えますが、いかがか、お尋ねします。

   質問の第3は、国が検討している新型交付税についてです。

   小泉前総理の「ほとんどの自治体が交付税をもらっているのはおかしい」の発言のもと地方交付税の見直しが行われています。
   本市のように市民所得が低い自治体にとって、地方交付税が削減されるのは大変なことです。今回、国の見直しによって、経常経費部分は従来どおりですが、投資的経費の部分を人口と面積に分け、人口規模のメリット、デメリットを反映した係数を新しく使う、また、宅地、田畑、森林などの土地利用形態のコスト差を反映させた数値を使う算定方法を行うとのことですが、定まってしまってから改善を求めることは、なかなか大変になります。
   そこで市長にお尋ねしますが、この地方交付税は財政力の低い本市にとっては、非常に重要な財源であり、国の今回の見直しによって、交付税の削減が行われないよう、この時期に強く国に働きかけることが重要だとおもいますが、いかがか、また、この間どのような働きかけを行ってきているのか、お尋ねします。

   質問の第4は、来年度の予算編成についてです。

   来年度予算の編成については、各部局から予算要求が行われ、下旬には市長査定も予定されています。
   特に来年春の市長・市議会議員選挙を控え、予算議会の日程は例年より早く、従来からの継続的な事業や例年実施している継続的な事務事業にかかわる経費を中心とした骨格予算として編成しようとしています。
   わが党は、来年度予算にかかわる重点要望を11月24日、上田市長に提出したところです。
   全国の動向は、輸出産業や大企業を中心に「景気回復」、「戦後最長の好景気」などといわれていますが、庶民にはまったく景気回復感が無いだけでなく、中小企業をはじめ、多くの地元企業が深刻な不況から脱していないのが現状です。
   このような中での予算編成は骨格予算であっても、市営住宅や保育所、特養ホームなど市民生活に密着した事業にかかわる予算は、全額計上するとともに、新年度早期に事業が地元中小企業に発注できるようにすべきと考えますが、市長はいかが対処されるのか、お尋ねします。

上田市政の3年半について

   次に、上田市政の3年半について質問します。

   2003年6月の市長再選挙で上田市政が誕生してから、3年半が経ちました。この間の市政を振り返りながら以下4点の質問をします。

   質問の第1は、国の悪政から市民生活を守ることについてです。

   上田市長誕生の背景には、それまで長く続いた自民党中心、政府追ずいのオール与党政治に対する市民の批判、政治の流れを変えてほしいという市民の願いの反映があったと考えます。この3年半、札幌市政は変わったのでしょうか。
   政府がすすめる「構造改革」のもとで、格差が広がり、市民生活の貧困化が深刻になっています。2005年度の本市の生活保護世帯数は、3万2400世帯に上り、全国15政令指定都市の中で2番目に高い保護受給率になっています。また、就学援助の受給者数は2万2640人で小中学生の6人に1人が認定されています。
   国の税制改悪による住民税の大幅引き上げに、国保料・介護保険料の改定による負担増が重なり、とりわけ高齢者の生活を直撃しています。
   わが党市議団が実施した市政アンケートでは、国保料・介護保険料の負担増に対する怒りとともに軽減を求める切実な声が多数寄せられました。
   今、国の悪政から市民のくらしを守る「防波堤」として札幌市政が「住民の福祉の増進を図る」という地方自治体本来の役割を果たすことがますます重要になっていると考えますが、いかがかうかがいます。
   市長は市民の切実な声にこたえ、国に対して意見を述べるとともに、本市として独自の軽減策をとるなど、市民負担を軽減し、くらしを守る施策を充実させるべきと考えますが、いかがか。今後の対処方針についてうかがいます。

   質問の第2は、財政構造改革プランにもとづく市民負担増と、敬老パスと家庭ごみ有料化問題についてです。

   まず、財政構造改革プランによる市民負担増についてですが、本市は、2004年に同プランを策定しました。2006年までに、265億円の収支不足が見込まれるとして、「市民の皆さんに提供するサービス水準の見直しや更なる費用負担をお願いする必要も生じます」と述べ、70億円の財政効果額を計上しました。サービス水準の引き下げ、団体補助金の削減、および受益者負担を口実にした市民負担増は、総額133億円にも上るものです。
   このように大規模な市民サービス切り下げと市民負担増を求める計画は、札幌市政史上例の無い、市民に冷たいものであると考えますが、いかがか。市長は、この程度の負担はやむを得ないと考えておられるのか、市民の前に明らかにしてください。
   次に、敬老パスの改悪についてです。
   上田市長は、就任直後の西区のタウントークで、本市の財政難を強調し、「負担能力のある方々には負担していただいた方がいいのではないか。所得制限をするとか乗る回数に上限をつけるとか形を変えていくことができないだろうか。」と発言し、敬老パスの見直しを行いましたが、利用上限額と有料化という二重の改悪は、政令指定都市の中でも例のないものです。
   「敬老の精神で高齢者の社会参加促進のために交付」されていた敬老パスを財政の面から予算削減ありきですすめ、新カードの予算を10億円も余すほど利用抑制を行なっていることは、高齢者の社会参加を著しく阻害し、市民福祉を後退させたと言わざるを得ません。
   しかも、新カード方式の提案が2転、3転し、2004年3定でのカードリーダー更新の補正予算の賛否は、本会議でわずか3票差と議会を二分するものでした。
   改悪後、わが党と市民の要求に一部こたえて5万円の限度内での追加購入や払い戻しを認めたものの、現行の制度改悪は、高齢者に大きな負担を与えたという認識をおもちかうかがいます。今後さらなる改善・負担軽減策の必要性について、どうお考えか、うかがいます。
   また、家庭ごみ有料化についても、市長は選挙公約で「ごみ有料化は財源問題としてではなく、減量化に有効かどうかという視点で検討したい」と述べておられましたが、財政構造改革プランでは、今年の10月からごみ処分手数料として半年で14億円の財政効果、年間の市民負担額では56億円を見込んでいました。
   「有料化でごみは減らない」、「分別・リサイクルこそ優先すべき」との市民世論やわが党の議会論戦で、今年度の有料化は断念したものの、財政論から出発したことは事実であり、公約違反と言わざるを得ませんが、市長の見解をうかがいます。
   ごみ減量を言うなら、紙ごみ・生ごみの分別を徹底することこそ重要であり、有料化しないで大幅な減量を行った名古屋に学ぶべきだと思うのですが、なぜ、そうしないのか、あくまで有料化に固執するのか、明らかにしてください。

   質問の第3は、札幌駅前通地下通路と法人市民税の超過課税についてです。

   わが党は、札幌駅前通地下通路について、総額220億円もの事業であり、財政難の折、急ぐ必要はなく、先送りすべきことをくり返し主張してきました。
   地下通路事業については、2003年上田市長が、市民1000人ワークショップを行ない、議論の結果「当面着手すべきでない」「計画を白紙に」などの慎重論が増えたのですから、その変化を尊重すべきでした。
   ところが、「事業に着手」と「当面着手すべきでない」という相反する意見を「必要性を認めているもの」という都合の良い解釈で事業に着手しています。
   市長が常に強調している「市民参加」「市民の声を聴く」とはどういうことなのでしょうか。
   就任後、いったんは設計費を計上せず、市民の議論に付したにもかかわらず、一部野党の反対にあうや、とたんに「供用開始は遅らせない」など、腰くだけとなり、付和雷同したのではありませんか、釈明をもとめます。
   また、法人市民税の超過課税についてですが、今年度は、5年毎の見直しの時期でした。資本金1億円以上、法人課税額年1千万円以上の利益を上げている法人に対する課税であり、税法上の上限である14.7%に戻せば、5年間で13億5千万円の増収になるものです。
   政令指定都市では15市中9市が、道内では35市中33市が14.7%の制限税率を適用しており、本市のように14.5%に据え置いている自治体は少数派です。
   財政難を理由に各種料金値上げによる市民負担増を強いる一方で、利益を上げている法人への超過課税の税率を据え置くことは、市民の納得を得られるものではありません。
   政治の流れを変えて市民生活を最優先してほしいという市民の願いに背を向けているとはお考えにならないのか、明らかにして下さい。

   質問の第4は、憲法・教育基本法についてです。

   安倍首相は、5年以内に憲法を変えると明言し、国民投票法案を今国会で成立させようとしています。
   また、安倍内閣は、今臨時国会での教育基本法改悪案の成立を狙い、まともな審議を拒否しながら衆議院での採決を強行しました。
   政府の改悪案は、憲法19条の「国民の内心の自由」を侵害し、「愛国心」など徳目の強制をはかり、憲法で保障された教育の自由、自主性を侵害し、教育への無制限の統制をはかるもので、絶対に許せません。
   教育学者・研究者の「改悪反対アピール」発表、教育関係労組をはじめナショナルセンターの違いをこえた共同、校長会や教頭会などが“慎重姿勢”を表明するなど、反対運動が急速に広がっています。
   去る、11月25日には、市内で「教育基本法改悪法案を廃案にしよう!全道1万人集会」が開かれ、参院での廃案にむけた世論が広がっています。
   わが党は、憲法・教育基本法を守る立場から代表質問でくり返し取り上げ、上田市長の見解をただしてきました。
   2004年6月や2005年2月の議会では、憲法について市長は「憲法9条は・・・日本が世界に誇る理念として大切にしていかなければならない」と答弁されました。
   また、今年6月の議会では、教育基本法について「憲法の精神を教育の場で生かすのが教育基本法。行政は教育条件の整備こそやるべきで、教育内容に介入してはいけないと定めた10条は眼目に当たる条文である」と答弁されました。市長は、選挙公約で「『国が決めたことだから』と黙っている、部下や市民には言えて、国には言えないそんなリーダーが、市民のやる気と公正をなえさせます。上田文雄は、おかしいことはおかしいと国に発言していきます」と述べています。この公約が本当なら、安倍内閣のもとで急速にすすみつつある教育基本法の改悪に対して、市長自身が反対の声をあげるとともに憲法改悪の動きに対してもノーの声を上げるべきと考えますがいかがか。188万市民の前に明らかにして下さい。

いじめをはじめとする教育をめぐる諸問題について

   次にいじめをはじめとする教育をめぐる諸問題についてです。

   いじめによる自殺の連鎖現象が起きており、多くの国民が、心を痛めています。
   10月30日付けの、学校教育部長からの札幌市立学校長宛「いじめの問題への取り組みの徹底について」の通知では、いじめは、「どの学校でも、どの子にも起こり得る」問題であることを十分認識し、いじめの問題が生じたときには、その問題を隠さず、学校・教育委員会と家庭・地域が連携して対応していくべきと、早期発見・早期対応、教職員の一致協力が大事と強調しています。
   ところが、北海道新聞は「トラブル報告を『汚点』と避けたがる空気がまん延しているのではないか」、「いじめが表面化すると管理能力が問われたり、責任追及されるため、担任から管理職、教育委員会へと報告する段階で『自主規制』が働くのではないか」と報道しています。道教委による遺書の紛失や実際にはいじめによる自殺がありながら、ゼロ報告もされています。

   質問の第1は、いじめの実態把握についてです。

   文科省のいじめの定義は厳しく、自分より弱いものに対して一方的であること、身体的、心理的に攻撃を継続的に加えていること、相手が深刻な苦痛を感じていること、の3つの項目をすべて満たした場合としています。そのため、札幌市が文科省に報告している昨年度のいじめ発生件数は、小学校209校中、25校、33件。中学校は、100校のうち、60校、197件です。江別市や釧路町では学校を通さず、子どもや家庭に直接アンケートしたり、文科省の定義をゆるめて調査し、かなりのいじめがあることが明らかになっています。
   対応策を充実させるために、実態の把握が欠かせないと思います。あらためて調査を早急に行うべきと考えますが、いかがか、うかがいます。

   質問の第2は、いじめ問題の背景についてです。

   いじめ問題は、複雑で複合的な問題であり、その原因もさまざまですが、いじめ問題の背景にあるものとして指摘されているのは、過度の競争による児童生徒のストレスです。
   2004年に、文部科学省の「子どものうつ」実態調査として、北海道大学、伝田健三(でんだけんぞう)助教授のグループが行った、札幌、千歳、岩見沢市の3市56の小中学校調査では、「小学生で7.8%、12人に1人、中学生で22.8%、4人に1人、平均で13%が『抑うつ傾向』になって」おり、さらに「生きていても仕方がないと思う」という問いに、「いつもそうだ」が4.0%、「ときどきそうだ」が14.8%と、自殺願望を持つ子どもが、約19%にも上ることが明らかになりました。
   「国連子どもの権利委員会」は、日本の子どもの置かれている状態について、1998年の第1回勧告では「過度なストレス及び登校拒否を予防し、これと闘うために適切な措置をとること」、2004年には「教育制度の高度に競争的な性格が子どもの肉体的及び精神的な健康に否定的な影響を及ぼし、かつ、子どもが最大限可能なまでに発達することを妨げている」と繰り返し懸念を表明し、日本政府に対して改善を求めていますが、先の調査結果はこの懸念を裏付けるものとなっています。
   子どもたちが、競争主義と管理教育のもとで非常に強いストレスにさらされており、このことがいじめや自殺の温床になっていると考えますが、いかがお考えか認識を伺います。
   安倍首相は、著書で全国学力テストと学校選択制の導入を主張しています。すでに学校の自由選択制と学力テストの成績を公表している東京都の足立区では、学校の格差を生み固定化しています。競争を一層激しくする学力テストに参加せず、教育推進計画で打ち出されている学校選択制の導入の調査・検討は中止すべきと考えますがいかがですか。うかがいます

   質問の第3は、子どもたちからのSOSへの具体的対応についてです。

   精神科医の中井久夫氏はいじめが深刻化するプロセスには、孤立化、無力化、透明化という3段階があるとしています。
   初期の「孤立化」や「無力化」の段階で、いじめを受けている子どもが登校拒否を選択する場合があります。それは、当事者である子どもにとって自らの命を守るための最善の選択となることも少なくありません。
   「透明化」に到った子どもは、周囲の人や友人にも全く訴えかけなくなり、サインも出さなくなり、自殺する子どもたちの多くはこの段階に至っていると言われています。
   しかし、子どもによっては、いじめの初期の段階で自殺を選択してしまう場合もあります。それだけに、学校や教師が、子どもをめぐる「いじめ問題」をできるだけ早期に察知し、適切かつ的確に対応するために、教師と教師集団がいじめを見抜く努力が求められます。
   そのために、子どもたちと接する時間的なゆとりをつくり、養護教諭も含めて教師集団全体で子どもに注意を払う必要がありますが、これまでの取り組みに加え、どのような対応をとろうとしているのか、うかがいます。
   さらに、現在は中学校98校、高等学校8校、合計106校に対して、73人のスクールカウンセラーが、各学校に概ね週一回6時間、高校は8時間の配置のみとなっています。スクールカウンセラーが来る週一回だけ登校している子どももいるなど、いじめの克服に大きな役割を果たしていますが、札幌市教育改革推進会議の答申で「相談件数が多く、個々の相談に対して十分対応するだけの時間的な余裕がない状況」と指摘しております。
   カウンセラーの訪問回数を増やすことが重要であり求められていると考えますが、いかがかうかがいます。また、小学校への配置も行うべきと考えますがいかがか伺います。
   また、子どもの意見に真摯に耳を傾け、いじめを受けている子どもを救済する制度である「子どもオンブズマン制度」を、創設すべきと考えますがいかがか伺います。

   質問の第4は、学校現場の実態と行政の果たすべき役割についてです。

   学校の現場では、教職員のあまりの忙しさに子どもとふれあう時間や、授業準備の時間が十分に取れない実態があります。そのため、いじめに対する対応が遅れ、いじめを受けた子どもたちの心に深い傷が刻まれ、自殺を考えたり、不登校が増加するなどの実態があると思いますがいかがか、学校現場の忙しさの実態をどのように認識しているのか伺います。
   わが党は、教職員の精神疾患による休務・休職状況が異常に高いことを指摘し、その原因の分析と改善を求めてきました。また、期限付き教員の解消、定数欠員問題、特別支援教育における必要な人員確保問題や、さらには学校運営に支障をきたすような配当予算の削減問題などを指摘してきました。
   いじめ問題が深刻化し、複雑化している今こそ、行政として教育条件の整備に力を注ぐべきと考えますがいかがか、またこれまでどのような対策を講じてきたのか、具体的にその進捗状況をお示しください。

   質問の第5は、教育再生会議の「いじめ問題への緊急提言」についてです。

   11月29日、安倍首相の直属機関である教育再生会議が「いじめ問題への緊急提言」をまとめました。しかし、この「提言」には重要な問題点があると考えます。
   すでに指摘したように、いじめ問題がここまで深刻になった根底には、子どもと学校を競争に追い込む「競争教育」が、子どもにストレスと抑圧感をもたらし、これがいじめの温床となっています。しかし、提言では、この点について一切ふれていません。
   いじめの温床に触れずに問題を解決できるのか、問われるべきは「高度に競争的な教育制度」ではありませんか、基本的な認識をお尋ねします。
   いじめによる痛ましい事件が相次ぐ現状は極めて異常です。わが党は、人間を「勝ち組」「負け組み」にふるいわける貧困と格差社会の進行、競争社会と弱い者いじめの政治が、いじめ容認の風潮を生み出している大きな背景と考えます。家族を守ること自体が様々な困難に直面し、就学援助受給率のアップに示される保護者の生活実態、格差社会に伴う生活苦が深刻な問題として横たわっています。したがって、いじめ問題は、単純に学校や家庭にだけ責任を押し付けて解決できるものとは考えません。
   また「いじめ隠し」は、すでにいくつかの自治体で行われている「いじめ対策」を数値目標化した押し付けとこれによる学校評価や教員評価が生み出していると考えます。
   提言では、いじめた側の子どもにも懲戒も含めて「毅然とした対応をとる」として、例として社会奉仕などをあげています。さらに、「見てみぬふりをする者」も「加害者」として指導するように求める「厳罰主義」とも言える内容を含んでいます。いじめた側や周囲の子どもへの指導は当然必要ですが、このような「厳罰主義」は問題です。「厳罰主義」ではなく、実態に応じた丁寧な対応で、子どもたちの人間的な成長につながるようにしなければ問題は解決しないし、子どもを一層息苦しい環境に置き、問題をこじらせることになると思いますが、いかがお考えかお尋ねします。

少子化対策について

   次に少子化対策について質問します。

   質問の第1は保育所待機児童の解消についてです。

   安心して産み育てるために、必要な条件整備を進めることが、行政の責任です。保育所の整備を進めることについては、需要に対して著しい遅れとなっていることについて、どういう認識をおもちか、まずうかがいます。
   1997年1月にはすでに800人の待機児童がいました。この10年間、わが党は、保育所の大幅な増設によって待機児童の解消を求め続けてきましたが、市は、「少子化が進んでいるから入所児童はいずれ減っていく」などとして、保育需要の見通しの誤りを続けてきました。10年も甘い見通しを続け、需要を後追いするようなペースで増やしてきたやり方が、この10年間保育所不足・待機児童の発生という事態を作ってきたのです。
   就学前児童数に占める、通所児童数と待機児童数の割合である要保育率は、1998年度から2003年度にかけて、13.96%から16.76%へと、毎年上がり続けてきましたが、2004年に策定した子ども未来プランでは、2009年度の要保育率が18.32%で頭打ちになるという見通しをもちました。ところが、子ども未来プランを策定した翌年2005年度には、18.54%と、見通しを超過し、さらに今年4月には19.12%へと上昇し、今年8月には、保育計画の見直しを余儀なくされたのです。
   本市が、この10年間、保育需要を過小に見込むという誤りを繰り返してきたために、待機児童・超過入所問題が解決されない状態が続いてきたのだと思うのですが、本市の保育行政の責任について、市長としての釈明をもとめます。
   また、市長が選挙公約どおり保育所待機児童の「完全解消」をはかろうとするのであれば、もっと大胆な増設をすべきでした。こども未来プランでも要保育率を上方修正をせざるを得なくなったことは、上田市政においても「完全解消」には程遠い取り組みであったことを示しています。 
   市長の任期の終わりが近づいていますが、残りの期間で、あらためて「完全解消」という公約にふさわしい取り組み、すなわち大幅な増設を行うつもりがあるのか、うかがいます。また「完全解消」の公約に照らし、自らのとりくみをどう総括するのか、明らかにしてください

   質問の第2は学童保育についてです。

   わが党は、小学校4年生以上についても学童保育の対象とすることを求めてきました。民間の共同学童保育所においては、小学校6年生の児童も受け入れているのが実態であり、それに見合った補助金を交付するよう主張してきました。
   今年の第一回定例会予算特別委員会で、私の質問に答えて、子ども育成部長は「4年生以上への対象学年の拡大については、一定のニーズはあると認識しているが、国の補助金においても対象学年は3年生までを基本としている」と答弁しました。
   しかし、厚生労働省は、わが党市議団が紙智子参議院議員とともに、9月に政府交渉を行った際に、「申請があれば、4年生以上も国庫補助の対象としている」と明言しました。さらに、10月11日、本市議会第三回定例会決算特別委員会で、私が「厚労省が4年生以上も対象としていることを知っているのか」と質問したことに対して、こども育成部長が「昨年度には知っていてもよかった。しかし、空白地域の解消を優先したい」と答弁されました。
   要するに、市は国が4年生以上も補助の対象にしていることを理解していなかったために、4年生以上の人数を対象外とし3年生以下の登録児童だけを数えて10人未満になると補助金を打ち切り、その結果、今年だけでも、北区の屯田はなクラブ、白石区の大谷地ぼうけんクラブ、南区の石山そよ風クラブの3つの共同学童保育所が閉鎖に追い込まれ、3つの小学校区が学童保育の空白校区になりました。
   留守家庭児童の放課後を守り、保護者が安心して働けるように、学童保育所を育成することこそ、市が果たすべき役割であると思うのですが、国の方針の不理解により、学童保育所を潰してきたことは、容認できません。
   なぜ国が4年生以上も対象にしていることを、市は知らなかったのか。十分調査せず、今年の1定で、国も3年生以下しか対象にしていないと事実と違う答弁をしたことについて、市民と議会に陳謝すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
   「学童保育の充実」を選挙公約に掲げた上田市長に、関係者は期待していたと思うのですが、市長は、どう責任を感じているのか、市民と関係者、および行き場を失った留守家庭児童の前に明らかにしていただきたい。
   また、「空白校区の解消を優先する」としながら、3年生以下の児童が9人以下になった学童保育所をつぶし、新たな空白校区をつくってきたことは矛盾だとは思わないのですか、明らかにして下さい。
   まず、今までの対応を誤りだと認め、今後は、4年生以上も学童保育の登録児童として認め、補助の対象とすべきですがいかがか、うかがいます。

   質問の第3は、少子化対策としての若者の雇用環境の改善についてです。

   わが党は、若者の雇用対策について、派遣や請負など非正規雇用が増えている問題を繰り返し取り上げてまいりましたが、この問題は、少子化にも深刻な影響を及ぼしています。
   本市は、製造業が少なく、第3次産業に特化した産業構造になっておりますが、雇用の安定という観点では、以下のような特徴があげられます。
   2002年に総務省統計局が行なった就業構造基本調査によれば、本市の雇用者総数に占める非正規雇用者であるパート・アルバイト・派遣・契約社員の割合は32%となっていますが、15歳から59歳まで年代別に見た場合、一番高いのが15歳から19歳までで82.0%、2番目に高いのが20歳から24歳で47%と、若い世代の多くが非正規雇用となっています。 
   さらに、2005年度版の本市統計書によれば、2001年から2004年の本市における産業別廃業割合は、第2次産業の建設業、製造業はともに18%であるのに対し、卸売・小売業、飲食店は30%であり、第3次産業は廃業が多く、従業員も「いつまで会社がもつのか」という不安をかかえながら働いているということになります。
   本市の産業構造からも、若者が低賃金と不安定な雇用状況に置かれており、将来展望をもてず、結婚できない、結婚しても子どもを産めないという少子化の大きな要因になっていると考えられます。
   札幌市立大学の原俊彦教授は、今年8月、「札幌市の少子化、その特徴と背景」と題した研究結果で、男子の第2次産業就業割合と出生率との間に相関関係があると述べています。
   第3次産業に特化した本市において、少子化対策という点からも、中小企業の経営の安定と、若年労働者の雇用の安定を図る特別の対策が、不可欠であると思うのですが、いかがか、市長の認識と今後の対応についてうかがいます。
   また、市内の企業に対し、若者の雇用にあたっては、パートやアルバイト、派遣、請負、契約社員といった不安定・非正規雇用ではなく、安定した正社員として雇用するための誘導策を実施すべきと思いますが、今後の対処方針をうかがいます。

円山・藻岩山原始林の調査・保全について

   次に、円山・藻岩山原始林の調査・保全について質問します。

   円山・藻岩山原始林は、1925年に国が天然記念物に指定しました。「札幌という大都市のなかにあって、市民に親しまれ、保護されてきたことは、天然記念物としての価値をいっそう高めている。市域のうちに、原始林に近い天然林をもっている例は少なく、ほとんど奇跡といってよい」と、本市が発行しているパンフレット「札幌の文化財」に書かれているとおり、その価値は大変高いものです。
   本市は、この原始林の現状把握をし、所有者である林野庁と連けいして、適切に保存していく立場にあります。
   この原始林のふもと、とりわけ南3条から南7条にかけては、円山原始林と環状通が直結し、排気ガス等による原始林への影響が懸念されます。
   さらに本市が1996年に行った用途地域の変更で、それまでの住居地域から近隣商業地域になり、高層建築物がより建ちやすくなりました。
   2002年に風致地区が一部拡大され、本年3月31日から高さ制限が加えられたものの、環状通沿いであるために、原始林のふもとに33メートルの高さの建物が建てられるエリアとなっています。
   長年円山周辺に住んでいる人からは、「毎年庭に飛んで来る鳥が来なくなった」「円山に登ると、以前あったはずの花がなくなっている」など心配の声が出されています。
   日本野鳥の会札幌支部の2000年から2005年までの円山公園での「探鳥会」のまとめを見てみますと、北海道のレッドデータブック「絶滅のおそれのある野生生物」に載っている貴重な鳥、オジロワシやオオタカなどが観察できる一方で、2000年には57種の鳥が観察できたものが、2005年には51種と、年々減少している傾向が明らかになっています。また、札幌市の鳥であるカッコウは、2000年に見られたきりです。
   この会の2005年度のまとめでは、「ムクドリが入っていない」、「キジバト・ツツドリ・ウグイス・ツグミも、一度しか登場していない」、「ハクセキレイ・センダイムシクイあたりも、円山で繁殖しているはずだし、もっと常在してよい」とし、常時見られていた鳥が少なくなったこと、繁殖しているはずの鳥が減っていることを懸念しています。

   質問の第1は、こうした世界的にも貴重である藻岩山・円山の原始林の調査についてです。

   本市では、2000年から2003年にかけて植物の調査を行ったと聞いていますが、市街地に隣接している地域だけに、市街化による影響を常に考える観点から、経年の調査が必要です。また、植物だけでなく鳥獣類や昆虫などにも調査対象を広げ、包括的・継続的に原始林保護のための調査を行うべきだと考えますが、いかがか。現在の調査状況、今後の対処方針について明らかにしてください。

   質問の第2は、都市計画による原始林の保護についてです。

   1996年に行った大幅な用途地域の変更により増えだした中高層建築物によって、「原始林にも日照・風向きなどの変化で悪影響が起きているのではないか」と心配の声が地元からあがっています。高さ制限を設け、円山原始林周辺はさらに厳しい制限にしたとはいえ、環状通の周囲120メートル部分は高さ33メートル・11階建て程度の建物が建てられることになっています。原始林のすぐふもとに中高層建築物が建てられれば、景観だけでなく天然記念物そのものにも影響を与えかねませんし、影響を与えてしまってからでは取り戻すことはできません。
   都市計画には「貴重な天然記念物である円山・藻岩山原始林を保護する」という観点が必要だと思いますが、そうしたお考えをお持ちかどうか伺います。
   また、風致地区の拡大等を行い、原始林や円山・藻岩山全体の自然環境を守るバッファーゾーンを設けるべきだと考えます。
   すでに都市化されている円山周辺の天然記念物保護のためには、地区計画に加えて、本市が積極的に住民合意を得ながら天然記念物を保護する立場に立つべきだと考えますが、いかがか。円山・藻岩山原始林の保護について、どのように進めるお考えか伺います。

すすきの市場、薄野ゼロ番地の問題について

   最後に、すすきの市場、薄野ゼロ番地の問題についてです。

   1922年、大正11年、本市の公設市場として平屋建ての建物が建てられていましたが、1958年に現在の建物が完成し、1階と地下1階は株式会社札幌振興公社が札幌市の要請により店舗として、2階から5階は住宅として日本住宅整備公団が区分所有したものです。底地は、1961年に本市が札幌振興公社に売却しています。
   地下1階の店舗は洋品店や食堂が入店しましたが、不振が続き次々と撤退しました。札幌振興公社は、北海道振興株式会社に管理運営を委託しましたが、テナントとの間でのトラブルがあり、議会に請願が出され、1971年に地下1F部分がススキノゼロ番地飲食店協同組合に売却されました。こうして現在まで、札幌振興公社・飲食協同組合・日本住宅公団という3つの団体が1つの建物を区分所有しています
   建設されてから、すでに48年が過ぎ老朽化が著しくすすんできています。しかも、新耐震基準に合致していないことから、住宅公団の後継組織である独立行政法人都市再生機構が、今年に入って耐震診断を行い、「建物躯体本体について耐震性に疑問があり、耐震補強改修が望ましい」との結果がでています。
   この耐震診断に基づく耐震補強工事費用については、札幌振興公社所有の1階すすきの市場部分に1100万円、すすきのゼロ番地、飲食協同組合所有の地下部分に1100万円、日本住宅公団所有の2階以上の住宅部分は、4500万円と見込まれています。しかも、都市再生機構は数年前から、空き住宅の入居者募集を停止し、用途廃止にむけて準備しているようにも見受けられます。
   この薄野ゼロ番地の問題については、2002年3月の予算特別委員会でわが党議員が、再開発にかかわって質問してきているところです。

   質問の第1は、老朽化したゼロ番地の建替え、大規模改修についてです。

   1つの建物を3者が区分所有している現状の複雑さ、市の要請で、日本住宅公団に現在の建物を建てさせた経緯から、建替えや耐震補強などの大規模改修についても、札幌振興公社まかせにせず、市が責任をもって指導的に進めるべきだと思いますがいかがか、お尋ねします。

   質問の第2は、すすきの市場や薄野ゼロ番地の用地を

、今後のすすきの地域の再開発事業の種地(たねち)として市が

早期に取得すべきと考えますが、いかがか

、今後の具体的取り組みの方針について、お尋ねします。

   以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうござました。


(C) Kaori Ogata 2003-2006 All rights reserved
著作権保護のため、転載などをご希望の方は、ご連絡をお願いします。