日本共産党代表質問

06年札幌市第4回定例議会−06年12月06日

議長(大越誠幸)

これより、会議を再開します。

代表質問を続行します。

小形香織議員。

(小形香織議員登壇・拍手)

小形香織議員

私は、日本共産党を代表して、当面する市政の諸問題について、順次、質問をいたします。

最初に、来年度予算と財政問題について質問します。

質問の第1は、住民税の増税についてです。

住民税の15%の定率減税の廃止が、今年度と来年度の2カ年で実施されています。ことし6月、住民税の納付書が送付されたとき、定率減税の半減などの税制改定による増税に、多くの市民から、所得がふえていないのに住民税が増税になったとして、区役所の窓口などに苦情が殺到しました。来年は、定率減税の残る半分が廃止になり、また増税です。さらに、個人住民税の税源移譲のために、税制改定によって住民税率のフラット化が行われ、現在、所得によって5%、10%、13%の3段階である住民税率が、来年度から10%に一本化されます。所得税率は4段階から6段階に細分化され、住民税と所得税の合算税額は増加しないとのことです。

しかし、これが来年度実施されると、定率減税全廃による増税と、税源移譲による住民税増税が重なり、大変な負担増になります。特に、所得が低く、税率5%で課税されていた世帯では、住民税の大増税が襲うことになります。例えば、年金収入225万円の高齢者夫婦の場合、今年度の住民税額5,600円が、来年度は1万7,900円と約3.2倍にはね上がることになります。

市長は、このような急激な住民税の増税を市民が十分理解していると考えておられるのか、どうか。また、ことし6月を上回る苦情などが区役所に殺到することが今から予想されますが、どのように見込んでおられるのか、お尋ねします。

このような大きな今回の税制改定について、事前に市民によく周知することが大事であると考えますが、具体的にどのような取り組みをされているのか、今後どうされるのかも含めてお示し願います。

質問の第2は、税制改定による大企業への減税についてです。

政府税制調査会は、12月1日の総会で、一層の大企業減税を盛り込んだ2007年度税制改正に関する答申をまとめ、安倍首相に提出しました。この中で、法人税の減税では、企業の設備投資費用を損金として償却することを認める減価償却制度の拡充を行い、現在、取得価格の95%としている償却限度額を100%まで認めようとしています。加えて、国税と地方税を含めた法人実効税率を40%から30%に引き下げることを今後の検討課題としています。

この政府税調の答申に盛り込まれた損金算入限度額を100%にした場合、全国ベースで大企業の法人税の減税効果は5,000億円程度と報道されていますが、市長は、本市の減税の影響額をどの程度と見込んでおられるのか、また、大企業への減税はこれ以上行わないよう国に求めるべきと考えますがいかがか、お尋ねします。

質問の第3は、国が検討している新型交付税についてです。

小泉前総理のほとんどの自治体が交付税をもらっているのはおかしいとの発言のもと、地方交付税の見直しが行われています。本市のように市民所得が低い自治体にとって、地方交付税が削減されるのは大変なことです。今回、国の見直しによって、経常経費部分は従来どおりですが、投資的経費の部分を人口と面積に分け、人口規模のメリット・デメリットを反映した係数を新しく使う、また、宅地、田畑、森林などの土地利用形態のコスト差を反映させた数値を使う算定方法を行うとのことですが、定まってしまってから改善を求めることはなかなか大変になります。

そこで、市長にお尋ねしますが、この地方交付税は財政力の低い本市にとっては非常に重要な財源であり、国の今回の見直しによって交付税の削減が行われないよう、この時期に強く国に働きかけることが重要だと思いますが、いかがか。また、この間、どのような働きかけを行ってきているのか、お尋ねします。

質問の第4は、来年度の予算編成についてです。

来年度予算の編成については、各部局から予算要求が行われ、下旬には市長査定も予定されています。特に、来年春の市長・市議会議員選挙を控え、予算議会の日程は例年より早く、従来からの継続的な事業や、例年実施している継続的な事務事業にかかわる経費を中心とした骨格予算として編成しようとしています。

我が党は、来年度予算にかかわる重点要望を、11月24日に上田市長に提出したところです。全国の動向は、輸出産業や大企業を中心に、景気回復、戦後最長の好景気などと言われていますが、庶民には全く景気回復感がないだけでなく、中小企業を初め、多くの地元企業が深刻な不況から脱していないのが現状です。このような中での予算編成は、骨格予算であっても、市営住宅や保育所、特養ホームなど市民生活に密着した事業にかかわる予算は全額計上するとともに、新年度早期に事業が地元中小企業に発注できるようにすべきと考えますが、市長はいかが対処されるのか、お尋ねします。

次に、上田市政の3年半について質問いたします。

2003年6月の市長再選挙で上田市政が誕生してから、3年半がたちました。この間の市政を振り返りながら、以下、4点の質問をします。

質問の第1は、国の悪政から市民生活を守ることについてです。

上田市長誕生の背景には、それまで長く続いた、自民党中心、政府追随のオール与党政治に対する市民の批判、政治の流れを変えてほしいという市民の願いの反映があったと考えます。この3年半、札幌市政は変わったのでしょうか。

政府が進める構造改革のもとで格差が広がり、市民生活の貧困化が深刻になっています。2005年度の本市の生活保護世帯数は3万2,400世帯に上り、全国15政令指定都市の中で2番目に高い保護受給率になっています。また、就学援助の受給者数は2万2,640人で、小・中学生の6人に1人が認定されています。国の税制改悪による住民税の大幅な引き上げに、国保料、介護保険料の改定による負担増が重なり、とりわけ、高齢者の生活を直撃しています。我が党市議団が実施した市政アンケートでは、国保料、介護保険料の負担増に対する怒りとともに、軽減を求める切実な声が多数寄せられました。今、国の悪政から市民の暮らしを守る防波堤として、札幌市政が住民の福祉の増進を図るという地方自治体本来の役割を果たすことがますます重要になっていると考えますがいかがか、伺います。

市長は、市民の切実な声にこたえ、国に対して意見を述べるとともに、本市として独自の軽減策をとるなど、市民負担を軽減し、暮らしを守る施策を充実させるべきと考えますがいかがか、今後の対処方針について伺います。

質問の第2は、財政構造改革プランに基づく市民負担増と敬老パスと家庭ごみ有料化問題についてです。

まず、財政構造改革プランによる市民負担増についてです。

本市は2004年に同プランを策定しました。2006年までに265億円の収支不足が見込まれるとして、市民の皆さんに提供するサービス水準の見直しや、さらなる費用負担をお願いする必要も生じますと述べ、70億円の財政効果額を計上しました。サービス水準の引き下げ、団体補助金の削減及び受益者負担を口実にした市民負担増は、総額133億円にも上るものです。

このように大規模な市民サービス切り下げと市民負担増を求める計画は、札幌市政史上、例のない、市民に冷たいものであると考えますが、いかがか。市長は、この程度の負担はやむを得ないと考えておられるのか、市民の前に明らかにしてください。

次に、敬老パスの改悪についてです。

上田市長は、就任直後の西区のタウントークで、本市の財政難を強調し、負担能力のある方々には負担していただいた方がいいのではないか、所得制限をするとか、乗る回数に上限をつけるとか、形を変えていくことができないだろうかと発言し、敬老パスの見直しを行いましたが、利用上限額と有料化という二重の改悪は、政令指定都市の中でも例のないものです。敬老の精神で、高齢者の社会参加促進のために交付されていた敬老パスを、財政の面から予算削減ありきで進め、新カードの予算を10億円も余すほど利用抑制を行っていることは、高齢者の社会参加を著しく阻害し、市民福祉を後退させたと言わざるを得ません。

しかも、新カード方式の提案が二転三転し、2004年3定でのカードリーダー更新の補正予算の賛否は、本会議でわずか3票差と、議会を二分するものでした。改悪後、我が党と市民の要求に一部こたえて、5万円の限度内での追加購入や払い戻しを認めたものの、現行の制度改悪は高齢者に大きな負担を与えたという認識をお持ちか、伺います。今後、さらなる改善、負担軽減策の必要性についてどうお考えか、伺います。

また、家庭ごみ有料化についても、市長は、選挙公約で、ごみ有料化は、財源問題としてではなく、減量化に有効かどうかという視点で検討したいと述べておられましたが、財政構造改革プランでは、ことしの10月から、ごみ処分手数料として、半年で14億円の財政効果、年間の市民負担額では56億円を見込んでいました。有料化でごみは減らない、分別、リサイクルこそ優先すべきとの市民世論や我が党の議会論戦で今年度の有料化は断念したものの、財政論から出発したことは事実であり、公約違反と言わざるを得ませんが、市長の見解を伺います。

ごみ減量を言うなら、紙ごみ、生ごみの分別を徹底することこそ重要であり、有料化しないで大幅な減量を行った名古屋市に学ぶべきだと思うのですが、なぜそうしないのか、あくまで有料化に固執するのか、明らかにしてください。

質問の第3は、札幌駅前通地下通路と法人市民税の超過課税についてです。

我が党は、札幌駅前通地下通路について、総額220億円もの事業であり、財政難の折、急ぐ必要はなく、先送りするべきことを繰り返し主張してきました。地下通路事業については、2003年、上田市長が市民1000人ワークショップを行い、議論の結果、当面、着手すべきでない、計画を白紙になどの慎重論がふえたのですから、その変化を尊重すべきでした。

ところが、事業に着手と、当面着手すべきでないという相反する意見を、必要性を認めているものという都合のよい解釈で事業に着手しています。市長が常に強調している市民参加、市民の声を聞くとはどういうことなのでしょうか。就任後、一たんは、設計費を計上せず、市民の議論に付したにもかかわらず、一部野党の反対に遭うや、途端に供用開始はおくらせないなど腰砕けとなり、付和雷同したのではありませんか。釈明を求めます。

また、法人市民税の超過課税についてですが、本年度は5年ごとの見直しの時期でした。資本金1億円以上、法人課税額年1,000万円以上の利益を上げている法人に対する課税であり、税法上の上限である14.7%に戻せば、5年間で13億5,000万円の増収になるものです。政令指定都市では15市中9市が、道内では35市中33市が14.7%の制限税率を適用しており、本市のように14.5%に据え置いている自治体は少数派です。

財政難を理由に、各種料金値上げによる市民負担増を強いる一方で、利益を上げている法人への超過課税の税率を据え置くことは、市民の納得を得られるものではありません。政治の流れを変えて、市民生活を最優先してほしいという市民の願いに背を向けているとはお考えにならないのか、明らかにしてください。

質問の第4は、憲法、教育基本法についてです。

安倍首相は、5年以内に憲法を変えると明言し、国民投票法案を今国会で成立させようとしています。また、安倍内閣は、今臨時国会での教育基本法改悪案の成立をねらい、まともな審議を拒否しながら衆議院での採決を強行しました。政府の改悪案は、憲法第19条の国民の内心の自由を侵害し、愛国心など徳目の強制を図り、憲法で保障された教育の自由、自主性を侵害し、教育への無制限の統制を図るもので、絶対に許せません。

教育学者、研究者の改悪反対アピール発表、教育関係労組を初め、ナショナルセンターの違いを超えた共同、校長会や教頭会などが慎重姿勢を表明するなど、反対運動が急速に広がっています。去る11月25日には、市内で、「教育基本法改悪法案を廃案にしよう!11.25全道1万人集会」が開かれ、参院での廃案に向けた世論が広がっています。

我が党は、憲法、教育基本法を守る立場から、代表質問で繰り返し取り上げ、上田市長の見解をただしてきました。2004年6月や2005年2月の議会では、憲法について市長は、憲法第9条は、日本が世界に誇る理念として大切にしていかなければならないと答弁されました。また、ことし6月の議会では、教育基本法について、憲法の精神を教育の場で生かすのが教育基本法、行政は教育条件の整備こそやるべきで、教育内容に介入してはいけないと定めた第10条は眼目に当たる条文であると答弁されました。

市長は、選挙公約で、国が決めたことだからと黙っている、部下や市民には言えて、国には言えない、そんなリーダーが市民のやる気と公正をなえさせます、上田文雄はおかしいことはおかしいと国に発言していきますと述べています。この公約が本当なら、安倍内閣のもとで急速に進みつつある教育基本法の改悪に対して、市長自身が反対の声を上げるとともに、憲法改悪の動きに対してもノーの声を上げるべきと考えますがいかがか、188万市民の前に明らかにしてください。

次に、いじめを初めとする教育をめぐる諸問題についてです。

いじめによる自殺の連鎖現象が起きており、多くの国民が心を痛めています。10月30日付の学校教育部長からの札幌市立学校長あて、いじめの問題への取り組みの徹底についての通知では、いじめは、どの学校でもどの子にも起こり得る問題であることを十分認識し、いじめの問題が生じたときには、その問題を隠さず、学校、教育委員会と家庭、地域が連携して対応していくべきと、早期発見・早期対応、教職員の一致協力が大事と強調しています。

ところが、北海道新聞は、トラブル報告を汚点と避けたがる空気が蔓延しているのではないか、いじめが表面化すると管理能力が問われたり、責任追及をされるため、担任から管理職、教育委員会へと報告する段階で自主規制が働くのではないかと報道しています。道教委による遺書の紛失や、実際にはいじめによる自殺がありながら、ゼロ報告もされています。

質問の第1は、いじめの実態把握についてです。

文科省のいじめの定義は厳しく、自分より弱い者に対して一方的であること、身体的、心理的に攻撃を継続的に加えていること、相手が深刻な苦痛を感じていることの三つの項目をすべて満たした場合としています。そのため、札幌市が文科省に報告している昨年度のいじめ発生件数は、小学校209校中25校、33件、中学校は100校のうち60校、197件です。江別市や釧路町では、学校を通さず、子どもや家庭に直接アンケートをしたり、文科省の定義を緩めて調査し、かなりのいじめがあることが明らかになっています。

対応策を充実させるために事態の把握が欠かせないと思います。改めて、調査を早急に行うべきと考えますがいかがか、伺います。

質問の第2は、いじめ問題の背景についてです。

いじめ問題は、複雑で複合的な問題であり、その原因もさまざまですが、いじめ問題の背景にあるものとして指摘されているのは、過度の競争による児童生徒のストレスです。2004年に、文部科学省の子どものうつ実態調査として、北海道大学、伝田建三助教授のグループが行った札幌、千歳、岩見沢市の3市56の小・中学校調査では、小学生で7.8%、12人に1人、中学生で22.8%、4人に1人、平均で13%が抑うつ傾向になっており、さらに、生きていても仕方がないと思うという問いに、「いつもそうだ」が、4.0%、「時々そうだ」が14.8%と、自殺願望を持つ子どもが約19%にも上ることが明らかになりました。

国連子どもの権利委員会は、日本の子どもの置かれている状態について、1998年の第1回勧告では、過度なストレス及び登校拒否を予防し、これと闘うために適切な措置をとること、2004年には、教育制度の高度に競争的な性格が子どもの肉体的及び精神的な健康に否定的な影響を及ぼし、かつ、子どもが最大限可能なまでに発達することを妨げていると、繰り返し懸念を表明し、日本政府に対して改善を求めていますが、さきの調査結果はこの懸念を裏づけるものとなっています。

子どもたちが競争主義と管理教育のもとで非常に強いストレスにさらされており、このことがいじめや自殺の温床になっていると考えますが、いかがお考えか、認識を伺います。

安倍首相は、著書で、全国学力テストと学校選択制の導入を主張しています。既に学校の自由選択制と学力テストの成績を公表している東京都の足立区では、学校の格差を生み固定化しています。競争を一層激しくする学力テストに参加せず、教育推進計画で打ち出されている学校選択制の導入の調査検討は中止すべきと考えますがいかがですか、伺います。

質問の第3は、子どもたちからのSOSへの具体的対応についてです。

精神科医の中井久夫氏は、いじめが深刻化するプロセスには孤立化、無力化、透明化という3段階があるとしています。初期の孤立化や無力化の段階で、いじめを受けている子どもが登校拒否を選択する場合があります。それは、当事者である子どもにとって、みずからの命を守るための最善の選択となることも少なくありません。透明化に至った子どもは、周囲の人や友人にも全く訴えかけなくなり、サインも出さなくなり、自殺する子どもたちの多くは、この段階に至っていると言われています。

しかし、子どもによっては、いじめの初期の段階で自殺を選択してしまう場合もあります。それだけに、学校や教師が子どもをめぐるいじめ問題をできるだけ早期に察知し、適切かつ的確に対応するために、教師と教師集団がいじめを見抜く努力が求められます。そのために子どもたちと接する時間的なゆとりをつくり、養護教諭も含めて、教師集団全体で子どもに注意を払う必要がありますが、これまでの取り組みに加え、どのような対応をとろうとしているのか、伺います。

さらに、現在は、中学校98校、高等学校8校、合計106校に対して、73人のスクールカウンセラーが、各学校におおむね週1回6時間、高校は8時間の配置のみとなっています。スクールカウンセラーが来る週1回だけ登校している子どももいるなど、いじめの克服に大きな役割を果たしていますが、札幌市教育改革推進会議の答申で、相談件数が多く、個々の相談に対して十分対応するだけの時間的な余裕がない状況と指摘しております。

カウンセラーの訪問回数をふやすことが重要であり、求められていると考えますがいかがか、伺います。

また、小学校への配置も行うべきと考えますがいかがか、伺います。

また、子どもの意見に真摯に耳を傾け、いじめを受けている子どもを救済する制度である子どもオンブズマン制度を創設すべきと考えますがいかがか、伺います。

質問の第4は、学校現場の実態と行政の果たすべき役割についてです。

学校の現場では、教職員の余りの忙しさに、子どもと触れ合う時間や授業準備の時間が十分とれない実態があります。そのため、いじめに対する対応がおくれ、いじめを受けた子どもたちの心に深い傷が刻まれ、自殺を考えたり、不登校が増加するなどの実態があると思いますが、いかがか。学校現場の忙しさの実態をどのように認識しているのか、伺います。

我が党は、教職員の精神疾患による休務・休職状況が異常に高いことを指摘し、その原因の分析と改善を求めてきました。また、期限つき教員の解消、定数欠員問題、特別支援教育における必要な人員確保問題や、さらには、学校運営に支障を来すような配当予算の削減問題などを指摘してきました。いじめ問題が深刻化し、複雑化している今こそ、行政として教育条件の整備に力を注ぐべきと考えますが、いかがか。また、これまでどのような対策を講じてきたのか、具体的にその進捗状況をお示しください。

質問の第5は、教育再生会議のいじめ問題への緊急提言についてです。

11月29日、安倍首相の直属機関である教育再生会議が、いじめ問題への緊急提言をまとめました。しかし、この提言には重要な問題点があると考えます。

既に指摘したように、いじめ問題がここまで深刻になった根底には、子どもと学校を競争に追い込む競争教育が子どもにストレスと抑圧感をもたらし、これがいじめの温床となっています。しかし、提言では、この点について一切触れていません。いじめの温床に触れずに問題を解決できるのか、問われるべきは、高度に競争的な教育制度ではありませんか、基本的な認識をお尋ねします。

いじめによる痛ましい事件が相次ぐ現状は、極めて異常です。我が党は、人間を勝ち組、負け組にふるい分ける貧困と格差社会の進行、競争社会と弱い者いじめの政治が、いじめ容認の風潮を生み出している大きな背景と考えます。家族を守ること自体がさまざまな困難に直面し、就学援助受給率のアップに示される保護者の生活実態、格差社会に伴う生活苦が深刻な問題として横たわっています。したがって、いじめ問題は、単純に学校や家庭にだけ責任を押しつけて解決できるものとは考えません。

また、いじめ隠しは、既に幾つかの自治体で行われているいじめ対策を数値目標化した押しつけと、これによる学校評価や教員評価が生み出していると考えます。

提言では、いじめた側の子どもにも懲戒も含めて毅然とした対応をとるとして、例として社会奉仕などを挙げています。さらに、見て見ぬふりをする者も加害者として指導するように求める厳罰主義とも言える内容を含んでいます。

いじめた側や周囲の子どもへの指導は当然必要ですが、このような厳罰主義は問題です。厳罰主義ではなく、実態に応じた丁寧な対応で、子どもたちの人間的な成長につながるようにしなければ、問題は解決しないし、子どもを一層息苦しい環境に置き、問題をこじらせることになると思いますが、いかがお考えか、お尋ねします。

次に、少子化対策について質問いたします。

質問の第1は、保育所待機児童の解消についてです。

安心して産み育てるために必要な条件整備を進めることが、行政の責任です。保育所の整備を進めることについては、需要に対して著しいおくれとなっていることについてどういう認識をお持ちか、まず伺います。

1997年1月には、既に800人の待機児童がいました。この10年間、我が党は、保育所の大幅な増設によって待機児童の解消を求め続けてきましたが、市は、少子化が進んでいるから入所児童はいずれ減っていくなどとして、保育需要の見通しの誤りを続けてきました。10年も甘い見通しを続け、需要を後追いするようなペースでふやしてきたやり方が、この10年間、保育所不足、待機児童の発生という事態をつくってきたのです。

就学前児童数に占める通所児童数と待機児童数の割合である要保育率は、1998年度から2003年度にかけて、13.96%から16.76%へと毎年上がり続けてきましたが、2004年に策定した子ども未来プランでは、2009年度の要保育率が18.32%で頭打ちになるという見通しを持ちました。ところが、子ども未来プランを策定した翌年、2005年度には18.54%と見通しを超過し、さらに、ことし4月には19.12%へと上昇し、ことし8月には保育計画の見直しを余儀なくされたのです。

本市が、この10年間、保育需要を過少に見込むという誤りを繰り返してきたために、待機児童、超過入所問題が解決されない状態が続いてきたのだと思うのですが、本市の保育行政の責任について、市長としての釈明を求めます。

また、市長が選挙公約どおり保育所待機児童の完全解消を図ろうとするのであれば、もっと大胆な増設をすべきでした。子ども未来プランでも要保育率を上方修正せざるを得なくなったことは、上田市政においても、完全解消にはほど遠い取り組みであったことを示しています。市長の任期の終わりが近づいていますが、残りの任期で、改めて完全解消という公約にふさわしい取り組み、すなわち大幅な増設を行うつもりがあるのか、伺います。

また、完全解消の公約に照らし、みずからの取り組みをどう総括するのか、明らかにしてください。

質問の第2は、学童保育についてです。

我が党は、小学校4年生以上についても学童保育の対象とすることを求めてきました。民間の共同学童保育所においては、小学校6年生の児童も受け入れているのが実態であり、それに見合った補助金を交付するよう主張してきました。

ことしの第1回定例会予算特別委員会で、私の質問に答えて、子ども育成部長は、4年生以上への対象学年の拡大については一定のニーズはあると認識しているが、国の補助金においても対象学年は3年生までを基本としていると答弁しました。しかし、厚生労働省は、我が党市議団が紙

智子参議院議員とともに9月に政府交渉を行った際に、申請があれば4年生以上も国庫補助の対象としていると明言しました。さらに、10月11日、本市議会第3回定例会決算特別委員会で、私が、厚労省が4年生以上も対象としていることを知っているのかと質問したことに対して、子ども育成部長が、昨年度には知っていてもよかった、しかし、空白地域の解消を優先したいと答弁されました。

要するに、市は、国が4年生以上も補助の対象にしていることを理解していなかったために、4年生以上の人数を対象外とし、3年生以下の登録児童だけを数えて10人未満になると補助金を打ち切り、その結果、ことしだけでも、北区の屯田はなクラブ、白石区の大谷地ぼうけんクラブ、南区の石山そよ風クラブの三つの共同学童保育所が閉鎖に追い込まれ、三つの小学校区が学童保育の空白校区になりました。

留守家庭児童の放課後を守り、保護者が安心して働けるように学童保育所を育成することこそ、市が果たすべき役割であると思うのですが、国の方針の不理解により、学童保育所をつぶしてきたことは容認できません。なぜ国が4年生以上も対象にしていることを市は知らなかったのか。十分調査せず、ことしの1定で、国も3年生以下しか対象にしていないという事実と違う答弁をしたことについて、市民と議会に陳謝すべきと思いますがいかがか、伺います。

学童保育の充実を選挙公約に掲げた上田市長に関係者は期待していたと思うのですが、市長はどう責任を感じているのか、市民と関係者及び行き場を失った留守家庭児童の前に明らかにしていただきたい。また、空白校区の解消を優先するとしながら、3年生以下の児童が9人以下になった学童保育所をつぶし、新たな空白校区をつくったことは矛盾だと思わないのですか、明らかにしてください。

まず、今までの対応を誤りだと認め、今後は4年生以上も学童保育の登録児童として認め、補助の対象とすべきですがいかがか、伺います。

質問の第3は、少子化対策としての若者の雇用環境の改善についてです。

我が党は、若者の雇用対策について、派遣や請負など非正規雇用がふえている問題を繰り返し取り上げてまいりましたが、この問題は、少子化にも深刻な影響を及ぼしています。

本市は、製造業が少なく、第3次産業に特化した産業構造になっておりますが、雇用の安定という観点では、以下のような特徴が挙げられます。

2002年に総務省統計局が行った就業構造基本調査によれば、本市の雇用者総数に占める非正規雇用者であるパート、アルバイト、派遣・契約社員の割合は32%となっていますが、15歳から59歳までの年代別に見た場合、一番高いのは15歳から19歳までで82.0%、2番目に高いのが20歳から24歳で47%と、若い世代の多くが非正規雇用となっています。

さらに、2005年度版の本市統計書によれば、2001年から2004年の本市における産業別廃業割合は、第2次産業の建設業、製造業はともに18%であるのに対し、卸売・小売業、飲食店は30%であり、第3次産業は廃業が多く、従業員もいつまで会社がもつのかという不安を抱えながら働いているということになります。

本市の産業構造からも、若者が低賃金と不安定な雇用状況に置かれており、将来展望を持てず、結婚できない、結婚しても子どもを産めないという少子化の大きな要因になっていると考えられます。札幌市立大学の原

俊彦教授は、ことし8月、「札幌市の少子化、その特徴と背景」と題した研究結果で、男子の第2次産業就業割合と出生率との間に相関関係があると述べています。第3次産業に特化した本市において、少子化対策という点からも、中小企業の経営の安定と若年労働者の雇用の安定を図る特別な対策が不可欠であると思うのですがいかがか、市長の認識と今後の対応について伺います。

また、市内の企業に対し、若者の雇用に当たっては、パートやアルバイト、派遣、請負、契約社員といった不安定、非正規雇用ではなく、安定した正社員として雇用するための誘導策を実施すべきと思いますが、今後の対処方針を伺います。

次に、円山・藻岩山原始林の調査、保全について質問します。

円山・藻岩山原始林は、1925年に国が天然記念物に指定しました。札幌という大都市の中にあって、市民に親しまれ保護されてきたことは、天然記念物としての価値を一層高めている、市域のうちに原始林に近い天然林を持っている例は少なく、ほとんど奇跡と言ってよいと、本市が発行しているパンフレット、札幌の文化財に書かれているとおり、その価値は大変高いものです。本市は、この原始林の現状把握をし、所有者である林野庁と連携して適切に保存していく立場にあります。

この原始林のふもと、とりわけ南3条から南7条にかけては、円山原始林と環状通が直結し、排気ガス等による原始林への影響が懸念されます。さらに、本市が1996年に行った用途地域の変更で、それまでの住居地域から近隣商業地域になり、高層建築物がより建ちやすくなりました。2002年に風致地区が一部拡大され、本年3月31日から高さ制限が加えられたものの、環状通沿いであるために、原始林のふもとに33メートルの高さの建物が建てられるエリアとなっています。

長年、円山周辺に住んでいる人からは、毎年、庭に飛んで来る鳥が来なくなった、円山に登ると以前あったはずの花がなくなっているなど、心配の声が出されています。日本野鳥の会札幌支部の2000年から2005年までの円山公園での探鳥会のまとめを見てみますと、北海道のレッドデータブック、絶滅のおそれのある野生生物に載っている貴重な鳥、オジロワシやオオタカなどが観察できる一方で、2000年には57種の鳥が観察できたものが、2005年には51種と、年々減少している傾向が明らかになっています。また、札幌市の鳥であるカッコウは2000年に見られたきりです。この会の2005年度のまとめでは、ムクドリが入っていない、キジバト、ツツドリ、ウグイス、ツグミも一度しか登場していない、ハクセキレイ、センダイムシクイあたりも円山で繁殖しているはずだし、もっと常在してよいとし、常時見られていた鳥が少なくなったこと、繁殖しているはずの鳥が減っていることを懸念しています。

質問の第1は、こうした世界的にも貴重である藻岩山、円山の原始林の調査についてです。

本市では、2000年から2003年にかけて植物の調査を行ったと聞いていますが、市街地に隣接している地域だけに、市街化による影響を常に考える視点から、経年の調査が必要です。また、植物だけでなく、鳥獣類や昆虫などにも調査対象を広げ、包括的、継続的に原始林保護のための調査を行うべきだと考えますが、いかがか。現在の調査状況、今後の対処方針について明らかにしてください。

質問の第2は、都市計画による原始林の保護についてです。

1996年に行った大幅な用途地域の変更によりふえ出した中高層建築物によって、原始林にも日照、風向きなどの変化で悪影響が起きているのではないかと心配の声が地元から上がっています。高さ制限を設け、円山原始林周辺はさらに厳しい制限にしたとはいえ、環状通の周囲120メートル部分は、高さ33メートル、11階建て程度の建物が建てられることになっています。原始林のすぐふもとに中高層建築物が建てられれば、景観だけでなく、天然記念物そのものに影響を与えかねませんし、影響を与えてしまってからでは、取り戻すことはできません。都市計画には貴重な天然記念物である円山・藻岩山原始林を保護するという観点が必要だと思いますが、そうしたお考えをお持ちかどうか、伺います。

また、風致地区の拡大等を行い、原始林や円山・藻岩山全体の自然環境を守るバッファーゾーンを設けるべきだと考えます。既に都市化されている円山周辺の天然記念物保護のためには、地区計画に加えて、本市が積極的に住民合意を得ながら、天然記念物を保護する立場に立つべきだと考えますが、いかがか。円山・藻岩山原始林の保護についてどのように進めるお考えか、伺います。

最後に、すすきの市場、薄野ゼロ番地の問題についてです。

1922年、大正11年、本市の公設市場として平屋建ての建物が建てられていましたが、1958年に現在の建物が完成し、1階と地下1階は、株式会社札幌振興公社が札幌市の要請による店舗として、2階から5階は、住宅として日本住宅整備公団が区分所有したものです。底地は、1961年に本市が札幌振興公社に売却しています。

地下1階の店舗は、洋品店や食堂が入店していましたが、不振が続き、次々と撤退しました。札幌振興公社は、北海道振興株式会社に管理運営を委託しましたが、テナントとの間でトラブルがあり、議会に請願が出され、1971年に地下1階部分が薄野ゼロ番地飲食業協同組合に売却されました。こうして、現在まで、札幌振興公社、飲食業協同組合、日本住宅公団という三つの団体が一つの建物を区分所有しています。建設されてから既に48年が過ぎ、老朽化が著しく進んできています。

しかも、新耐震基準に合致していないことから、住宅公団の後継組織である独立行政法人都市再生機構がことしに入って耐震診断を行い、建物躯体本体について耐震性に疑問があり、耐震補強改修が望ましいとの結果が出ています。この耐震診断に基づく耐震補強工事費用については、札幌振興公社所有の1階すすきの市場部分に1,100万円、薄野ゼロ番地飲食業協同組合所有の地下部分に1,100万円、日本住宅公団所有の2階以上の住宅部分は4,500万円と見込まれています。しかも、都市再生機構は、数年前から空き住宅の入居者募集を停止し、用途廃止に向けて準備しているようにも見受けられます。

この薄野ゼロ番地の問題については、2002年3月の予算特別委員会で、我が党議員が再開発にかかわって質問してきているところです。

質問の第1は、老朽化したゼロ番地の建てかえ、大規模改修についてです。

一つの建物を3者が区分所有している現状の複雑さ、市の要請で日本住宅公団に現在の建物を建てさせた経緯から、建てかえや耐震補強などの大規模改修についても、札幌振興公社任せにせず、市が責任を持って指導的に進めるべきだと思いますがいかがか、お尋ねします。

質問の第2は、すすきの市場や薄野ゼロ番地の用地を今後の薄野の地域の再開発事業の種地として市が早期に取得すべきと考えますがいかがか、今後の具体的取り組みの方針についてお尋ねします。

以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(大越誠幸)

答弁を求めます。

上田市長。

市長(上田文雄)

6点にわたりご質問がございましたので、私からは、予算編成、財政問題についてと上田市政の3年半という2点についてお答え申し上げます。その余は担当副市長並びに教育長からご答弁させていただきます。

最初に、来年度予算と財政問題のうち、1点目の国の税制改正についてお答えをいたします。

まず、平成19年度住民税の負担増についてでありますが、その内容は、個々の納税者の税負担は変わらないものの、所得税から住民税への税源移譲ということと、経済状況の改善を踏まえて廃止されます定率減税の問題とがございます。

札幌市といたしましては、これら税制改正に対する市民の理解を深めるために、平成18年度の早い時期から出前講座や区民向けの説明会を開催しているほか、税源移譲をわかりやすく解説いたしました小冊子、大きく変わる住民税という題名でございますが、この小冊子やリーフレットの作成、配布、広報さっぽろや市税ホームページへの掲載、ラジオ広報等、これまで以上にPRなどに力を入れた取り組みを展開しているところでありますので、一定の理解は得られているというふうに考えております。

しかしながら、所得税と住民税で、税源移譲の実施時期が異なるなど誤解が生じやすい部分もありますことから、窓口での受け付け体制について万全を期して、混乱の生じないようにしたいというふうに考えているところであります。

また、市民周知の具体的な取り組みについてでありますが、ただいま申し上げましたPRを一層充実させるとともに、国、道とも連携をいたしましてさらに積極的に広報活動を実施してまいりたいと考えているところであります。

次に、2点目の法人税におきます減価償却制度の拡充についてでありますが、償却可能限度額を100%とした場合の影響額につきましては、国税であります法人税においては5,000億円の減税規模となったというふうに言われておりますので、これを前提といたしまして札幌市の影響額を試算いたしますと、約8億円程度の減収になるものというふうに見込まれているところであります。

また、法人課税のあり方につきましては、経済情勢や持続可能な財政の確立の必要性などを踏まえまして、今後とも、さまざまな観点から国政の場などにおいて広く議論されていくべきものと考えているところであります。

3点目の新型交付税についてであります。

ご指摘のとおり、地方交付税については、算定の簡素化を図るという観点から、新たな算定方式の導入が検討されておりまして、札幌市にとっては大変重要な問題と受けとめております。

先日、総務省から、新型交付税の試案というものが示されたことに伴いまして、札幌市からは、積雪寒冷に伴う経費だとか、大都市特有の財政需要を適切に措置するべきとの意見を提出いたしましたほか、指定都市が共同で行う、いわゆる青本要望というものがございますが、その青本要望の中でも地方交付税の削減を行わないようにということを求めるなどの働きかけを行ってきたところであります。

今後とも、地方交付税の必要な総額を確保するということと、見直しの影響が札幌市の財政運営に支障を及ぼすことがないように、他の地方自治体とも連携をして働きかけを行っていきたいというふうに考えているところであります。

次に、4点目の来年度の予算編成についてでありますが、来年度の当初予算につきましては、義務的な経費や継続的な事業に係る経費を中心といたしました骨格予算として編成いたしますが、私の任期が6月までというふうになっておりますことから、新しい体制のもとで編成される肉づけ予算が成立するまでの間においても、市民生活や事業の発注などに支障が生じないように編成する必要があるものと考えているところであります。

次に、私の3年半の市政運営についてご質問でありますので、お答えをいたします。

1点目の市民生活を守ることについてでございますが、札幌市が置かれております非常に厳しい経済状況の中で、さまざまな制度改革などによりまして市民生活が厳しさを増しているということは、まことに憂慮すべきことであるというふうに認識をしているところでございます。こうした中にありましても、市民生活を守るということは、私に与えられました重大な使命でありますので、指定都市の市長及び議長で共同して行います、いわゆる白本要望というものがありますが、この白本要望など、さまざまな機会を通しまして関係省庁に要望しているところでございます。

しかしながら、そのすべてが実現されるものではございませんので、市民生活の実態を踏まえて、厳しい財政状況のもと、限られた財政の中での対応となりますけれども、札幌市独自のさまざまな措置を講じているところでもございます。例えば、国民健康保険料や介護保険料の負担の緩和の措置を講じているところであります。障害者自立支援法等の実施に伴う利用者負担増につきましても、ことしの10月から、学齢期前の障がい児通園施設利用の負担額の軽減策というものを講じているところでもございます。また、来年1月からは、居宅系サービスなどの負担額につきましても、市民税の非課税世帯を対象に軽減策を講ずることといたしているところであります。

今後も、同様の考え方に基づきまして、市長としての役割を果たしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

2点目の財政構造改革プランに基づく市民負担増並びに敬老パス及び家庭ごみ有料化問題についてお答えをいたします。

一つ目の財政構造改革プランによります市民負担増についてでありますが、財政構造改革プランにおける取り組みというものは、まず、行政内部の徹底的な経費節減に取り組んだ上で、市民の皆さんにご負担をいただく部分についても、その比率が相対的に低くなっている項目だとか、国や北海道が示している基準単価と比べて乖離がある項目などについて、利用する市民と利用しない市民との公平性といったことも考慮の上、見直しを行ったものであります。限られた財源で必要な方に必要なだけのサービスを提供し続けるためには、最小限の見直しが必要だというふうに考えたわけでございます。

二つ目の敬老優待乗車証についてお答えをいたします。

まず、高齢者への負担についてでありますが、今回の制度改正は、限りある財源や交通事業者からの協力などを総合的に考慮いたしまして、将来にわたり持続可能な制度とするため、利用上限額と利用者負担を導入したところでございます。

この利用上限額は、実績から見ますと、利用者のうち、ほぼ6割の方々が上限額までの申請をしていない状況にございます。また、利用者負担額は、比較的所得の低い方々にも負担していただけるように配慮したものと考えております。

また、今後の見直しにつきましては、これまでの利用実態や、今年度のアンケート調査等を検証するとともに、市民意見を十分踏まえながら、本市の財政状況、バス事業者等との協議など、総合的に検討してまいりたいと考えておりますが、さらなる利用者負担の軽減につきましては、今後、研究すべきものと考えているところであります。

三つ目の家庭ごみの有料化についてであります。

これまでの代表質問においても、有料化はごみ減量の視点から検討すべきものでありますが、そのほかに、社会経済状況あるいは行政サービスの安定供給など、さまざまな観点から幅広い市民議論を踏まえて検討することが必要であるとお答えをしておりまして、この認識は現在も変わるところはございません。

ごみの減量は、循環型社会を形成するために不可欠な取り組みでございまして、その施策展開については、現在、札幌市廃棄物減量等推進審議会において、他都市の事例も考慮しながら、さまざまな観点からご審議をいただいているところでございます。有料化につきましては、審議会の答申を待って、総合的に判断していきたいと考えております。

3点目の札幌駅前通地下通路と法人市民税の超過課税についてお答えをいたします。

一つ目の札幌駅前通地下通路についてでありますが、この事業に対する当時の状況といたしましては、市民の皆さんとの議論が十分尽くされていないのではないかという思いがあったために、改めてこの事業に対する市民の意見を伺った上で判断をするべきだというふうに考えて、市民1000人ワークショップなどにおいて議論し、そして、さまざまなご意見をちょうだいしたわけであります。その結果、多くの市民がその必要性というものは認め、理解を得たものというふうに考えており、都心のまちづくりに果たす役割なども勘案いたしまして、この事業を推進していくことが必要だ、このように判断させていただきました。

二つ目の法人市民税の超過課税についてでありますが、これは、ご承知のように、さきの第3回定例市議会におきまして、税率の問題を含めて審議され、議決されたものでありますので、現行の超過課税を継続することについてご理解をいただいているものと考えているところであります。

4点目の憲法及び教育基本法についてお答えをいたします。

教育基本法の改正につきましては、第2回定例市議会の代表質問において、議員のご質問に対し、答弁させていただいているところでありますけれども、日本国憲法の精神を教育に生かすことを理念として制定されました教育基本法がこれまで果たしてきた意義、そして役割をかんがみますと、これは慎重に取り扱うべきだということが私の考え方でございます。

したがいまして、現在、国会の場で行われております法改正に係る審議におきましても、現行法の趣旨や背景などを十分踏まえながら、慎重にかつ十分に議論していただきたいというふうに思っているところであります。

また、憲法の改正に当たりましても、同様に、十分な国民的議論を踏まえた上で、慎重に対応すべきものだと私は考えているところでございます。

私からは、以上でございます。

議長(大越誠幸)

小澤副市長。

副市長(小澤正明)

私から、3点についてお答えいたします。

まず、いじめを初めとする教育をめぐる諸問題についての3点目、子どもたちからのSOSへの具体的対応のうち、子どもを救済する制度の創設についてですが、本年7月に公表いたしました子どもの権利条例素案におきましては、いじめや虐待などを初めとした権利侵害からの救済に関して、迅速で適切な救済を図るための制度を速やかに設けることと明記しておりまして、条例制定後、その具体的な機能や権限等について、多方面からご意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。

次に、少子化対策についてであります。

まず、1点目の保育所待機児童の解消についてでございますが、関連がございますので、一括してお答えいたします。

保育所整備は、子育てと仕事が両立しやすい環境づくりを進める上で主要な施策となるものでありまして、さっぽろ子ども未来プランに基づき、平成16年度から18年度までの3年間で1,530人の定員増を図ることについては、今年度中に目標を達成できる見通しであります。

しかしながら、想定以上の保育ニーズの伸びや国庫交付金を活用した整備が2カ年事業になったことなどによりまして、待機児童の解消が思うように進んでいない状況にあるというふうに認識しております。また、現行の保育所整備計画の策定に当たりましては、平成15年度に実施したニーズ量調査の結果、18.32%がその時点での現実的な要保育率であると判断したものでございますが、要保育率がその後も上昇するという視点が十分でなかったというふうに考えているところでございます。

このようなことを踏まえまして、改めて、就学前児童数及び要保育率の推移を十分精査して要保育児童数を推計した結果、平成19年度から21年度までにさらに800人程度の定員増を図る保育所整備計画の見直しを行ったものでありまして、今後は、この計画を着実に推進していく中で待機児童の解消を目指してまいりたいと考えております。

次に、2点目の放課後児童健全育成事業についてでございます。

放課後児童健全育成事業における対象児童につきましては、国の要綱では、保護者が労働等による、昼間、家庭にいない小学校1年生から3年生であり、その他健全育成上指導を要する児童として、具体的には障がいのある児童及び小学校4年生以上の児童も自治体の判断により加えることができるものというふうにされております。

札幌市では、この要綱に基づきまして、当該事業の対象を、小学校3年生までの児童に加えて、その他健全育成上指導を要する児童として、障がいのある小学校6年生までの児童を対象としております。対象児童を4年生以上とすることにつきましては、一定のニーズはあるというふうに認識しておりますが、すべての小学校区内に児童クラブを整備することを目標に、空白校区の解消に取り組んでいるところであります。

なお、民間施設方式児童育成会の閉鎖に伴う新たな空白校区の発生につきましては、ミニ児童会館の整備を急ぐなど、今後も適切に対応してまいりたいと考えております。

3点目の若者の雇用環境の改善についてでありますが、非正規雇用や早期離職の若者が増加することは、職業能力形成が進みにくいため、将来にわたって不安定な就労状況になることが予想される一方で、企業としては、営業やサービスの質の蓄積、維持が行われず、生産性の低下など経営が不安定となるおそれがあると考えており、雇用の安定が双方にとって最良であるという意識改革につながるような事業展開を進めているところでございます。

そこで、一つ目の中小企業の経営及び若年労働者の雇用の安定を図る方策についてでありますが、昨年度より、企業の人事、人材育成担当者、さらには管理職を対象として、安定した職場環境を確保し、人材の定着に結びつけることを目的とした講座を実施しております。今後とも、このような機会を通じて、正規雇用の拡大や若者が職場に定着することが、長期的には企業にとってもメリットがあるとの認識を持っていただけるように努めてまいりたいと思います。

また、今年度から、若年層就業体験支援事業、通称ジョブチャレンジ事業を始めております。この事業は、インターンシップを中心として、若年者に適職を見つけてもらうことで雇用のミスマッチを減らすとともに、安定した雇用が若者と企業の双方にメリットが生まれるという観点で実施しているものでございます。

次に、二つ目の市内の企業に対する正社員として雇用するための誘導策についてでございますが、厚生労働省は、来年の通常国会での改正を目指して、パート労働者の待遇向上を目的とする、いわゆるパート労働法の改正案を提出する予定となっております。その素案には、正社員への転換促進と正社員との均衡待遇が2本柱として明記されております。今後は、労働政策審議会での審議の推移を見守りまして、国や北海道を初め、関係機関・団体等と連携して、札幌市としてどのような誘導策が可能か、検討してまいりたいと考えております。

次に、円山、藻岩山の原始林の調査、保全についてであります。

1点目の調査についてでございますが、札幌市では、ご質問にございましたように、博物館活動センターにおきまして、札幌の自然に関する調査研究の一環として、平成12年度から15年度にかけて、円山、藻岩山の原始林の植物に関する調査を実施するとともに、平成17年度からは、3年計画で動物の生態に関する調査を実施しているところでございます。

今後におきましても、この地域の動植物について継続的に調査を実施し、資料の収集及びデータの蓄積を行ってまいりたいというふうに考えております。

2点目の都市計画による原始林の保護についてでありますが、円山、藻岩山の原始林及びその隣接部分の多くは、都市の風致を維持・保全する観点から、昭和14年に風致地区に指定し、都市計画としてこれまでも自然環境等の保全に配慮してきた地域であります。また、ご質問にもありましたように、平成14年には、円山周辺の北海道神宮風致地区につきまして、周辺の土地利用の調査を行った上で区域の拡大を行っており、さらに、本年3月末の高度地区の決定に当たりましても、円山、藻岩山の周辺等につきましては、貴重な風致資源と一般市街地との中間領域として、通常の市街地のルールよりもワンランク厳しい高さの制限を設定するなど、都市計画的な配慮を行ってきたところでございます。

今後は、高度地区などの土地利用ルールを土台にし、自然環境や景観など地域のさまざまな特性に応じて地区計画などきめ細かなルールづくりを進めることが重要であると考えており、その実現のために、地元の皆さんが地域の目標像を共有して取り組んでいくことが必要でありますので、札幌市といたしましても、地区計画制度などの普及啓発を進めるほか、地域での取り組みに対して積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。

以上であります。

議長(大越誠幸)

加藤副市長。

副市長(加藤啓世)

私から、すすきの市場、薄野ゼロ番地の問題についてお答えをいたします。

まず、1点目の建てかえや耐震補強などの大規模改修についてでございますが、すすきの市場、通称薄野ゼロ番地の建物は、昭和33年に建設されたもので、築後48年が経過してございます。この建物につきましては、平成18年に耐震診断が実施され、耐震改修等の必要性が確認されたところでございます。これを機に、建物全体についての改修、建てかえ等の方向性について、主な権利者である札幌振興公社、都市再生機構、薄野ゼロ番地飲食業協同組合の3者による協議が開始されております。

しかしながら、まだ協議が始まったばかりと聞いておりますので、札幌市といたしましては、当面はこの推移を見守っていくことになると考えております。

したがいまして、2点目の市による用地の取得等につきましても、協議の方向性が見えておりませんので、検討する段階には至っていないものと考えております。

以上でございます。

議長(大越誠幸)

松平教育長。

教育長(松平英明)

いじめを初めとする教育をめぐる諸問題につきましてお答えを申し上げます。

最初に、1点目のいじめの実態把握についてでありますが、先ほど、公明党の青山議員にもお答えいたしましたとおり、札幌市独自の調査を今月中に全市立学校において実施する予定でございます。

次に、2点目のいじめ問題の背景についてであります。

いじめや自殺につきましては、さまざまな要因が複雑に絡み合っており、ケースごとに異なっておりますことから、教育委員会といたしましては、その原因や背景につきましては学校生活や家庭生活などさまざまな角度から判断していくことが必要であると考えております。

また、全国学力・学習状況調査につきましては、昨日、自民党の五十嵐議員にもお答えしましたとおり、札幌市といたしましては、児童生徒の学力等の状況を把握し、指導方法等の工夫改善を図るため、この調査の実施を予定しているところでございます。

学校選択制につきましては、通学区域制度の弾力化もあわせて、その教育的効果や課題等について幅広く調査研究を進めることとしておりまして、今後も、他都市の状況等を慎重に見きわめてまいりたいと考えております。

3点目の子どもたちからのSOSへの対応についてであります。

まず、教師全体での対応ですが、いじめが発生した際には、学級担任等の特定の教員が抱え込むことなく、学校全体で一致協力して対応するよう、改めて、各学校に対して校長会や研修会などさまざまな機会を通じて働きかけているところでございます。

次に、スクールカウンセラーの訪問回数と小学校への配置についてでございます。

現在、スクールカウンセラーをすべての中学校、高等学校に配置し、小学校への派遣も可能としているところではございますが、中・高全校配置からまだ2年目でもございまして、これまでの成果や課題等を踏まえつつ、より効果的な活用に努めてまいりたいと考えております。

4点目の教育現場の実態と行政の役割についてでございます。

昨日、民主党・市民連合の林家議員にもお答えいたしましたとおり、今後、学校における各種業務の効率化などによりまして、子どもと教師の触れ合う時間が一層確保されますよう努めてまいりたいと考えております。

また、教育条件の整備につきましては、いじめ問題にとどまらず、これまでも鋭意取り組んできたところでございます。具体的には、スクールカウンセラーの中学校、高等学校への全校配置、少人数学級の拡大や期限つき教員の削減等に努めているところであり、教育条件の整備のために必要な予算の確保につきましても、財政状況の厳しい中で努力をしているところでございます。

5点目の教育再生会議のいじめ問題への緊急提言についてであります。

高度に競争的な教育制度への基本的な認識についてでありますが、先ほどお答えいたしましたとおり、いじめにつきましては、多様な要因が複雑に絡み合っており、その原因や背景につきましては、さまざまな角度から判断し、対応を進めていくことが必要であると考えております。

また、いじめ問題への緊急提言につきましては、どのような形で教育委員会等に示されるかなど、国による検討の推移を見きわめてまいりたいと考えておりますが、教育委員会といたしましては、今後とも、子どもたちの実態を踏まえた、より効果的ないじめ問題への対応に努めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

議長(大越誠幸)

ここで、およそ20分間休憩します。


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