06月札幌市議会第2回定例会
日本共産党代表質問(2006年6月7日)
小形香織  議員
市長の政治姿勢について
家庭ごみ有料化問題について
敬老カードの改善について
障害者福祉施策について
市電について
高層マンション問題について
職員住宅跡地の活用とプール・文化ホールについて
学校プールの開放について

理事者答弁

市長の政治姿勢について
家庭ごみ有料化問題について
敬老カードについて
障害者福祉施策について
市電について
高層マンション問題について
市職員住宅跡地の活用と中央区のプール、文化ホールについて
学校プールの開放について

再質問
再質問答弁


私は、日本共産党を代表して、当面する市政の諸問題について質問いたします。

市長の政治姿勢について

   最初に、市長の政治姿勢についてうかがいます。

   まず、教育基本法についてです。

   国会では教育基本法改定案の審議が行われています。戦争できる国づくり、弱肉強食の経済社会づくりという国策に従わせる人間をつくるのが、改定案のねらいだと私たちは考えます。以下、この法案の問題点を指摘し、市長の見解をうかがいます。

   質問の第1は、教育基本法を変える必要性についてです。
   政府の提案理由によると、「制定以来半世紀以上すぎたこと」「教育をめぐる状況は大きく変化」「さまざまな課題が生じ」などとのべています。しかし、まったく具体性に欠け、政府が改定の理由としてあげる課題と改定条文の関連が明らかにされていません。
   私は、教育基本法が戦前の教育の反省にたち、戦後60年、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成などを期し、日本の教育に果たしてきた役割と意義はきわめて大きく、今後とも生かされるべきだと考えます。市長は、2年前の本会議におけるわが党、伊藤議員の代表質問に、「日本国憲法とともにある教育基本法の理念は、これを尊重していくべきもの」と答えています。
   いま、教育基本法を変える必要はないと考えますが、市長はどのようにお考えか、うかがいます。

   質問の第2は、現行法の第10条、教育の自主性についてです。第10条では「教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対して直接責任を負って行われるべき」と規定していますが、改定案は国民への直接責任を削り、代わりに「この法律及び他の法律の定めにより行われるべき」が挿入されました。政府による教育介入の歯止めとして機能してきた「不当な支配の禁止」が、政府による教育支配、教育の権力統制を正当化する法的根拠として180度機能が変換させられてしまうのです。
   戦前の教育が、軍人となることを誇りに思い、しかも、命を失うことがあきらかな特攻隊にすら志願する青少年を作り出した痛苦の教訓に照らしても、政府による教育内容への無制限な介入・支配を抑え、教育の自主性を守る第10条の規定は守られなければなりません。政府も国家介入は抑制的であるべきと認めざるを得ませんでしたが、改定案には、国家介入を抑止するための担保条項は欠落しています。第10条についての市長の見解をお聞きします。

   質問の第3は、いわゆる愛国心など徳目の強制と内心の自由についてです。政府案は教育の目標に「国を愛する態度」など徳目を20も列挙しています。こうした愛国心など徳目が目標とされ、その達成度がチェックされ、競わされることになる危険があります。事実、全国のいくつかの学校では、改定指導要領によって「愛国心」が通知表で評価されています。
   このように、政府案は特定の価値観を子どもたちに強制し、憲法第19条が保障する思想・良心・内心の自由をふみにじるおそれがきわめて強いものです。
   市長は、愛国心や郷土愛は「国民のためになるよい政治」「市民のためになる市政が行われている」「そのことを市民がしっかり感じることができたときに」生まれると表明しました。
   わが党は、法律で「愛国心」など徳目を強制することは憲法第19条に反するものと考えますが、市長の考えをお聞きします。

   次に、共謀罪を新設する法案についてです。
   いま、国会で審議されている組織犯罪処罰法改訂案の柱は、犯罪の実行がなくても、謀議だけで処罰できる「共謀罪」を新設することです。
   「共謀罪」は、犯罪の実行を話し合い、合意しただけで処罰の対象とする点で、これまでの刑法とは根本的に異なり、戦前の治安維持法のように思想そのものを取り締まる弾圧法規になる危険があります。そのため、日本弁護士連合会は、この法案について強く反対し、その抜本的見直しを求めています。
   わが党は、この法案は廃案以外にないと考えますが、市長の見解をお聞きします。

家庭ごみの有料化問題について

   次に、家庭ごみの有料化問題について質問します。

   私ども日本共産党は、家庭ごみの有料化には、一貫して反対してきました。
   しかし、財政構造改革プランでは、今年の10月から有料化するとしています。また、4人家族で平均、1ヶ月1000円の大変な負担になることが明らかになっています。
   ところが、現在、廃棄物減量等推進審議会では、中間取りまとめの策定作業中という段階であり、今後、中間とりまとめが作られ、その後、公聴会が開かれ、シンポジウムが行なわれ、その結果を受けて答申が策定され、その答申を受けて市の政策が決定されるという作業の流れになっています。

   質問の第1は、財政構造改革プランで「今年10月から有料化する」としたことについてです。
   市民は、今年10月の有料化を大変心配しています。第1回定例会のわが党の質問に対して、審議会の答申が出ていないことを述べながら「実施の是非を判断できる状況ではない」と答弁されましたが、答申そのものが10月までに出るかどうかわからない状況になっており、その後の市の政策判断や実務作業を考慮するならば、是非はともかくとして、時間の問題として、10月実施は不可能です。財政構造改革プランを発表した手前、時間的にも10月実施が不可能だということを一刻も早く明らかにすることが本市の責任だと思うのですが、まず、10月実施は無いことを市民の前に明らかにして下さい。

   質問の第2は、今年度中の有料化についてです。来年は、市長および市議会議員選挙がありますので、今の時点で上田市長の責任において明らかにできるのは、選挙前すなわち今年度中の政策です。そこで、今年度中の家庭ごみ有料化の実施についてですが、今年度の有料化はないことを明確にしていただきたいと思います。

   質問の第3は、有料化そのものについてです。
   いま市民は、国の悪政のもとで、増税や社会保障改悪に苦しんでおり、自治体は国の悪政から市民を守る防波堤の役割を果たすべきであるという観点からも、これ以上の市民負担を強化すべきではありません。また、ごみの発生抑制のためには、拡大生産者責任の徹底が決定的です。消費者からごみ処理料金を徴収することは、拡大生産者責任と矛盾することになります。さらに、地方自治法第227条は「特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収することができる」としており、すべての市民を対象に手数料を徴収しようとする家庭ごみ有料化は、法律違反です。これらの観点に照らして、家庭ごみの有料化は行うべきではないと思うのですが、いかがか、あらためてうかがいます。

   質問の第4は、市民負担を繰り返す有料化の実態についてです。
   東洋大学経済学部の山谷修作(やまや・しゅうさく)教授は、1992年に有料化した岐阜県高山市について、有料化のお手本にもなったとしながら「高山市の有料制度運用の過程をたどると、まさにリバウンドとの闘いの歴史」と述べています。高山市は、ごみの袋に有料シールを貼る方法ですが、家族の人数によって一定枚数の無料シールを配布しています。家族が2〜3人の場合、1992年には年間120枚配布していましたが、2002年には90枚に減らしました。同様に、資源ごみおよび不燃ごみについては、1997年60枚でしたが、2005年18枚に削減しています。さらに、無料シールの範囲を超えた分は、有料シールを購入することになりますが、可燃ごみも不燃・資源ごみも1枚70円だったものを、2000年には100円に値上げしています。リバウンドから逃れるために、無料シールの削減と有料シールの値上げという市民負担の強化を休むことなく続けているというのが実態です。
   また、有料指定袋制の北九州市では、45リットル入りの袋1枚15円ですが、「より減量効果が期待できる水準に見直」すとして、この7月から50円に値上げしようとしています。
   「減量に有効だ」という口実で、一度有料化に踏み込んだ自治体が、リバウンドから逃れるために負担強化に奔走している実態について、どのように考えているのかお示しください。

敬老カードについて

   次に敬老カードについて質問します。

   私ども日本共産党はこの間も、広範な市民とともに敬老カード制度の改善を求めてきたところですが、市は当初、一年間の検証結果を待たなければ制度の変更は出来ないと強硬な対応でしたが、市民とりわけ当事者である高齢者の粘り強い運動と世論の広がりによって、5万円までの追加購入と未使用のカードの自己負担分の返金という一部制度の改善を行うことになりました。
   そこで、今後の更なる改善を求める立場で以下3点質問いたします。

   質問の第1は利用実態に対する評価についてです。
   4月10日現在の申請率は76.2%と昨年度比で2.0%減少しています。改悪された制度が始まるときには申請率80%と想定していました。申請率が伸び悩んでいる実態についてどの様に分析しているのか、うかがいます。市の見込みを下回る結果になった背景には、外出抑制が進んだからだとはお考えにならないのか、いかがかうかがいます。
   また、交通局における再建計画での敬老カード事業収入は当初見込みより落ち込んでいると思うのですが、いかがかお示し下さい。

   質問の第2は利用上限額についてです。
   未使用のカードの返金が出来るようになり5万円を選択する人が増えていると同時に、5万円分購入する高齢者の多くは「それでも足りない」と考えています。本市の行ったアンケート調査では、5万円を購入した高齢者の66.1%がかなり足りない、18.4%は少し足りないと答え、85%近い高齢者が不満を表明しています。利用上限額をもっと増額して欲しい、あるいは撤廃して欲しいというのが利用者の気持ちなのではないでしょうか。老人クラブの役員などしておられる方は、敬老カードになったために会議に参加出来ない、活動にも支障をきたしていると話しています。老人クラブは市からの活動補助も連合町内会等からの助成も削減され、個人の持ち出しでやっと活動を維持していますが、敬老カードが引き金になって、このままではクラブ自体存続できないと老人クラブを解散するところも出てきています。この「5万円でも足りない」という実態を、市長はどの様に把握し、どの様に考えておられるのか、うかがいます。また、市民、高齢者の声に応えて利用上限額の増額や撤廃について、再考すべきと考えますがいかが、今後どう検討していくのか明らかにして下さい。

   質問の第3は減免制度の導入についてです。昨年度の敬老カードへの予算額は市負担分で32億2432万円ですが、実績では20億7268万円しか使われず、11億5000万円以上も予算を余したことになります。敬老カードに改悪されたことで、外出抑制が進んだ結果です。本来高齢者に使うべき予算が支出されなかったわけですから、これは当事者に還元すべきです。仙台市では1万円分の利用については無料でカードを給付していますが、本市でも例えば、生活保護受給者や介護保険料の第一段階に該当する高齢者については減免制度を導入すべきと考えますがいかがか、市長の御所見をうかがいます。市は、改善の余地はあるとしていますが、今後の検討はどの様にされ、結論はいつまでに出すおつもりか、お聞かせ下さい。

障がい者福祉施策について

   次に障がい者福祉施策について質問します。
   まず、障害者自立支援法の実施に伴う影響と本市の対応策について質問いたします。

   質問の第1は、利用料1割負担の導入による、障がい福祉サービス利用者への影響についてです。
   これまでは、本人の所得に応じて利用料が決められていたため、支援費制度利用者の多くは、自己負担はなく、無料で利用できました。とりわけ通所施設の利用者では95%が無料でした。これが、自立支援法で1割負担となり、障がい者にとって大きな負担になっています。
   このため、更生施設や授産施設を「施設利用費の負担に耐えられない」として、全国的にも退所を余儀なくされた障がい者が既に多数生まれています。
   そこで質問ですが、本市においては、負担増によってすでに退所した、あるいは今後、退所を余儀なくされている障がい者が生まれていないのかうかがいます。自立支援法により導入された応益負担は、生きるために必要な福祉を“益”として、障がいが重いほど負担が重くなるという、障がい者にとって生存権を否定する制度となっています。
   さらに、サービスが受けられなくなった後の介護・支援をどうするのかという、より深刻な問題があります。
   本市として、障害者自立支援法の実施によって生まれる様々な影響を緊急に実態調査すべきと考えますがいかがかうかがいます。

   質問の第2は、自立支援法でとられた低所得者対策についてで、政府が低所得者に配慮するとして設けた、「月額上限額」は、障害基礎年金2級でいえば月6万6千円というわずかな年金額の2割もの負担を強いることになり、大幅な負担増になることは変わりありません。
   また、通所施設利用者やグループホーム利用者の個別減免制度は、障がい者をもつ家族の実態からみても問題です。「親亡き後」など将来への心配から、家族が、本人名義でこつこつ預貯金をため、将来も、生活保護を受けずに、自立して生きたいという障がい者は、軽減制度を利用できないことになります。
   さらに親が、子どもを世帯に加え、扶養控除や障害者控除を受けると減免制度を利用することができません。
   そこで質問ですが、新たな資産要件については、資産調査をどう行うのかなど新たな問題も生じており、そもそも障がい者福祉サービスの軽減措置に対する資産要件はなじまないものであり、むしろ、救済措置から排除するためにやっているとしか思えないのですが、本市の認識についてうかがいます。

   質問の第3は、利用者負担軽減のための自治体の独自施策の導入についてです。
   利用料負担増を軽減し、障がい福祉サービスの利用をできる限り減らさないために、多くの自治体では、独自の軽減策を実施しています。
   東京荒川区では、3年間の時限措置とはいえ、在宅の全サービスの利用者負担を3%に軽減し、通所施設の食費を50%に軽減するほか、恒久的措置として在宅でのサービス利用量の多い人に月額負担上限を50%軽減することを決めています。
   横浜市では在宅サービスを利用する「低所得1」および「2」の人の負担を全額、市が負担する措置を取りました。京都市では福祉サービス、補そう具の利用料について、「一般」と「低所得2」をそれぞれさらに2段階に分け、月額負担上限額を半分に軽減しました。
   帯広市では、軽減対象を所得税非課税世帯まで広げ、福祉サービス利用料の本人負担を6%に軽減するとともに、社会福祉法人だけでなくNPO法人の提供するサービスも負担上限を半額にしました。
   わが党は予算特別委員会で、この問題を取り上げ自立文援法の実施によって一般財源の持ち出しが17億円削減されることを指摘し、本市独自の軽減策を講じるべきことを求めました。これに対し、「制度改正に伴う利用者負担への不安の声があるのも事実であり、札幌市といたしましても、法施行後の状況を十分検証してまいりたい」と答弁しています。
   「札幌市手をつなぐ育成会」と「知的障害福祉協会」が本年2月に出した本市への要望書では、「横浜市長は『血も涙もある施策』と言っていますが、是非とも札幌市におきましても、『血も涙もある独自の軽減策』をお願いしたい」と独自の負担軽減策を強く求めています。
   そこで質問です。「十分検証する」としていましたが、どのような検証が行われたのかうかがいます。あわせて、本市独自の利用料軽減策を早急に検討すべきと考えますが、いかがかうかがいます。

   質問の第4は、精神障がい者の自立支援医療移行への対応についてです。
   今回の制度改正に伴い、3月末の段階で申請者のすべてに受給者証が届かず、さらに、4月申請者にもいまだ届いていない状況があります。このことにより、病院によつては3割の負担が請求されるなど、障がい当事者は混乱し不安を覚え、病状に悪影響を及ぼしています。後から交付されて病院に受給者証を持って行っても、必ずしも返還に応じてはくれず、その解決は障がい当事者の病院との語し合いに任されています。
   こうした事態を予測できていたにもかかわらず、障がい者団体が改善を要望してもなんら対応を行っていません。準備不足、周知の不徹底、患者と医療機関に責任を転嫁する行政の不作為などを厳しく指摘し、釈明を求めるものですが、適切な対応を早急に行うべきと考えますがいかがかうかがいます。

   質問の第5は、障害程度区分制度と移行調査についてです。10月から実施される区分制度の第1次判定調査によると道内更正施設・授産施設に入所している4600人のうち65%が施設から追い出される恐れがあることが判明しました。その場合、5年以内の退所となります。地域での受け皿がソフト・ハード両面で不十分なままで送り出されるとなれば、施設も運営できなくなり、障がい者も路頭に迷うことになりかねません。本市の施設ではどんな問題が予測されているのか、また、判定ソフトの問題点をつかみ、改善を働きかけるべきではありませんか、うかがいます。

   障がい者福祉施策に関わる質問の2点目は交通費助成についてです。

   障がい者への交通費助成におけるガソリン券の上限額の是正についてですが、他の助成額が36,000円なのに、ガソリン券のみ30,000円なのは不公平です。制度が始まった2003年の交付数は、身体障がい者で6,287件から2004年には8,169件と約30%の増になるなど要望が大変強いものです。ガソリン券を利用している障がい者にとって、「自動車はガソリンで動く車椅子」であり、とりわけ冬場は、車椅子がほとんど使えなくなる状況の中でも、車に乗れば、どこにでも移動できます。いま、障がい者の社会参加と自立が叫ばれている中で、ガソリン券だけが少額なのは許されません。原油の高騰もあり、「脱・不公平」の公約通り、早急に是正すべきと考えますがいかがか、うかがいます。

市電について

   次に市電について質問します。

   札幌市は2002年から市電の存続か廃止かについて議論を行い、圧倒的な市民の願いから、昨年2月に存続を決めました。
   私も一緒に運動をしている「中央区民の要求を実現する連絡会」で昨年の秋に「市電を生かした街づくり」のために区民要求アンケート調査を行いました。その結果、998人の方々から貴重なご意見をいただきました。そこでアンケート調査の結果にもふれつつ、以下4点質問いたします。

   質問の第1は、市電を生かした街づくりと商店街の活性化についてです。
   アンケートの「市電を利用した事がありますか」との問いに、「ある」と答えた方の中で、利用目的として「買い物」と答えた方が65.0%と一番多く、「病院」が36.6%、「通勤」が32.8%となっています。また、「パークアンドライドを充実させ、中心街への車の乗り入れを規制して、地下鉄・市電などの公共交通機関を優先した街づくりをすすめる」と答えた方が50.8%となっています。アンケート調査の結果からもわかるように、市民は、高齢者や障がい者が利用しやすく、買い物にも気軽に出かけられる市電を期待しています。フランスのストラスブールでは、市電の建設が発表された15年前、計画に反対する人もいました。自動車を利用する人たちや商店街の人たちは「不便になったり、お客さんが減ってしまう」と考えたからです。しかし、実際に市電が開通してみると、自動車よりも安全で、渋滞に巻き込まれる事もないため、自動車から市電に乗り換える人がたくさんいました。そして自動車の姿が消えた街では環境もよくなって、大勢の人々が散歩を楽しむようになり、買い物客も増えました。計画のときに反対していた人たちも喜ぶ結果になりました。
   このような、ヨーロッパでの先進例を市長はどのように受け止め、本市の街づくりに市電をどう生かしていこうとしているのか、明らかにしてください。また、市電は商店街の活性化にとって、大きな役割を果たすものと考えますが、この点についての市長のお考えをうかがいます。

   質問の第2は、延伸・ループ化に対する考え方についてです。
   アンケート調査の「市電の乗客をふやしていくためにも、すぐに具体化してほしいこと」との問いには、「南1条西4丁目駅から駅前通を北へ延ばしJR札幌駅につなぐ」に59.7%、「南1条西4丁目駅とススキノ駅を結ぶ、市電の環状化を進める」という意見は56.2%でした。また、「車のない私にとって地下鉄、電車が唯一の移動手段です。今よりも延伸が実現できる事を心待ちにしています」、「札幌駅は勿論、桑園や苗穂などJRの各駅への延伸をしてほしい」などの意見も出されています。
   2004年8月に開かれた「第1回市電フォーラム」で、パネリストとして参加された広島電鉄の方が「現在の8.5キロはネットワークではなくなっている。例えば、すすきのと西4丁目を結んで、その通りをまっすぐ行き、JR札幌駅に入れるような前向きな議論が必要。交通結節のアクセス改善を」と発言されていました。現在の路線のままでは、「魅力ある都市の装置」としても、「利便性の高い公共交通機関」としても役割が果たせません。
   そこで、延伸・ループ化について、どのような考え方をもって具体化されようとしているのか、うかがいます。

   質問の第3は、地下鉄との棲み分け・役割分担についてです。
   地下鉄は大量輸送機関として3路線総延長48キロメートルを走っています。市電は、中量輸送機関として、1路線8.5キロメートルを走り、街の中心部は地下鉄と市電が並行して走る部分もあります。第4次札幌市長期総合計画の第4節「多様な活動を支える交通体系の実現」のなかでは、市電について、「移動の楽しさを提供する交通機関として、また魅力ある都心の創造に寄与する都市の装置として、その機能の向上や拡充について検討を進める」と書かれていますが、現在どのように、市電が街づくりに役立つよう、その役割を具体的に検討しているのか、地下鉄との違いなども含めてうかがいます。

   質問の第4は、低床車両の導入や架線・電停の改良などについてです。
   現在の市電は、車両に段差があり高齢者・障がい者は乗りづらい、あるいは街の中に市電に電気を流すための架線が網状に張り巡らされ、景観や防災・安全上大丈夫か、などの課題があると考えます。
   現在の市電の架線や車両・電停などを、今後どのように改良しようと検討されているのかうかがいます。

高層マンション問題について

   次に、中央区の桑園駅前に予定されている、45階建て・約150メートルもの高さに及ぶ超高層マンションの建設計画について質問します。

   本年3月31日から、市内のほぼ全域に「建築物の高さの最高限度」が定められました。これは、とりわけ中央区で頻発するマンション建設とそれに反対する住民との紛争を、建物に「高さ制限」を設けることによって、一定程度解決を図ろうと導入されたものです。事前のパブリックコメントでは、「もっと厳しく規制すべき」といった市民の声も多くあり、円山・もいわ山の貴重な原始林を保護する、という視点からも、私どもはもっと厳しい制限を設けるべきだと考えますが、「高さ制限する」という考え方を取り入れたという点では、一歩前進だと考えています。
   しかし、「高さ制限」が始まったわずか一週間後に、「桑園駅前に45階建て高さ150メートルの超高層マンションの建設が計画されている」という報道がなされました。
   ここは「高さ制限45メートル」の地域ですが、「都市計画提案制度」を利用すれば、敷地範囲への公開空地整備など都市機能の向上に寄与することを条件に、「高さの制限は個別に検討する」、つまり、高さ制限から除外されるという抜け穴を通って計画されているものです。
   これに対して、「桑園環境を守る会」という住民組織が作られ、「高さ制限を超えた建物はつくらないでほしい」という運動が始まっています。
   5月10日には、住民に対する全体説明会が開催され、約100名の住民が出席しました。出席者からは、「街の調和というが、桑園地域は15階建て程度のマンションが建てられているところで、45階建てなどとんでもない。調和をいうなら、近隣マンションと同じような高さのものにすべき」といった声が圧倒的に多く、2時間の予定が1時間以上延びるほど、住民の怒り・不満の声が噴出したと聞いています。建て主側は「45階建ての計画を、43階建てに変更する」と発表したそうですが、それに対して納得する声は一つもありませんでした。
   この高さが認められれば、住民の日照権が侵害されるだけでなく、高さ制限を取り入れた基本方針そのものが、根底から崩されることになります。

   質問の第1は、「高さ制限」を取り入れた本来の基本的考え方についてです。
   「秩序ある街並み形成を図るため」と札幌市のパンフレットには説明されていますが、桑園地域に約150メートルもの高い建物が、「秩序ある街並み形成を図るもの」とお考えなのかどうか。これを認めることは、高さ制限を取り入れた際の考え方とは矛盾するとお考えにならないのか、市長の見解をうかがいます。

   質問の第2は、計画提案の判断についてです。周辺住民が反対運動を起こし、全体説明会も紛糾するほどの住民合意が得られない建築物の計画提案が5月30日に正式に市に出されました。住民合意が得られていない状況にかんがみ、「都市計画決定・変更」を認めるべきではないと考えますが、いかがか、市長のお考えをうかがいます。

   質問の第3は、このような適用除外の規定の問題点についてです。「都市計画提案制度」を利用すれば、条件付きで150メートルもの超高層も認められるしくみには重大な疑問をもつものであり、欠点のあるこの適用除外規定を見直すべきと考えますが、市長のご見解をお聞きします。

職員住宅跡地の活用とプール・文化ホールについて

   次に、市職員住宅跡地の活用と中央区のプール、文化ホールについて質問します。

   中央区南14条西18丁目の市職員住宅跡地は、一部民有地を含め、2区画あわせて6,000平方メートル以上の敷地です。職員住宅が撤去されてからすでに7年が経過しておりますが、いまだ跡地の利用計画が明らかになっていません。2001年と2003年には、市職員住宅跡地利用を考える会から陳情が提出され、議会でも議論を重ねてきたところです。
   陳情の要旨は、市職員住宅跡地を区民の公共施設用地として活用すること、中央区民が利用できる屋内プールを核に、演劇・演奏可能な小ホール及び多目的なスペースを有する文化・スポーツ施設を建設することなどです。
   跡地利用を考える会は、陳情提出に先立ち、住民アンケートで、要望を集約し、2003年の陳情審査の際には、約6,000人の署名が添えられました。その当時の議論や来年3月でメルパルクのプールの閉鎖、市民会館の閉館という新たな動きもふまえ、あらためて3点、質問します。

   質問の第1は、住民の願いの受けとめについてです。
   跡地利用を考える会の活動は、市長の市政運営の基本である「住民参加のまちづくり」を文字通り実践していると思います。
   市職員住宅跡地をどう使うのか行政の検討がなかなか進まない中で、会が主体的に住民アンケートを実施し、要望を集約し、具体的な提案をしています。2001年の陳情には4,000人弱の、そして2003年の陳情には約6,000人の署名が添えられ、運動が広がっています。また、毎年「跡地利用フェスティバル」を開き、活動が継続されています。
   自分たちの地域の問題に自ら参画する−これこそ市民自治の息づくまちづくりではないでしょうか。
   市長は、署名に託された住民の願い、ねばり強い活動を続けている会の運動についてどのように受け止めておられるのか、ご見解をうかがいます。

   質問の第2は、中央区の公的プールについてです。
   本市は、これまで「1区1公的プール」の考え方にもとづき、「中央区にはメルパルクのプールがあるので市営プールを建設する計画はない」とくり返し答弁してきました。
   しかし、今年3月28日に、「来年2007年3月末でメルパルクが閉鎖される」ことが明らかにされ、このままでは中央区の公的プールがなくなってしまいます。
   2003年の総務委員会で、わが党議員が、1区に1市営プールの建設をもとめた質問に対し、当時のスポーツ部長は「スポーツ環境のより一層の充実に努めることが責務。少なくとも市民が現在利用しているサービスのレベルだけは絶対に落としてはならない」と述べつつ、当時は、メルパルクのプールは廃止される状況にはないとの理由で、1区に2つの公的プールは難しいと答弁していました。中央区のメルパルクプールが閉鎖されれば、利用者サービスのレベルが下がるのは明白であると考えますがいかがか、ご認識をうかがいます。
   2003年、郵政省が「郵政公社」になりましたが、当時から郵政民営化が取りざたされ、採算のとれない郵政公社管轄分野の廃止がたびたび報道されておりました。この時点で、「メルパルクが廃館になるかもしれない」という危機感を持ち、早めに対応すべきだったと考えますが、いかがか。札幌のメルパルクについて郵政公社との交渉や相談などを、いつ、どのようにしてきたのか、具体的に明らかにしてください。「この3月28日に初めて知らされた」ということでは認識が甘いと思うのですが、市長は、こうした事態について、どのように責任をとるおつもりか、市民の前に明らかにしてください。
   また、中央区の公的プールがなくなることに鑑み、早急に市営プールを建設すべきと考えますが、今後の対処方針についてうかがいます。あわせて、南区の公約プールも市営ではなく、北海道の施設になっています。「コンパクト道庁」を掲げる高橋道政のもとで、南区でも同様のことが起きる懸念はないのか、うかがいます。

   質問の第3は、文化ホールの建設についてです。
   演劇、演奏可能な小ホール、多目的スペースを含む文化施設についても、職員住宅跡地の周辺に地区センターや区民センター、地区会館があるので、当該地に文化施設の建設計画はないと理事者は答弁してきました。
   市民会館が来年3月で閉館になることに伴い、今年度から市民交流複合施設のあり方について検討を開始していますが、市民会館の建て替えを急ぐとともに、この機会に全市を視野に入れた文化ホール建設の構想を練り上げるべきと考えます。
   札幌市においても、演劇・演奏人口が年々増え、また各種文化サークルの活動も活発になっており、各区に200〜300人規模の小ホールを順次建設するなど、市長の公約である「文化都市札幌」の実現にむけた具体的な計画を立てることをもとめるものですが、市長は、市民の文化活動の場の保障について、今後どのように確保しようとしているのか、具体的にお示しください。

学校プールの開放について

   最後に、学校プールの開放について質問します。多くの小学校で、7〜8月の土曜日曜にプール開放を行っています。ところが、今年度から学校の日直代行が一日3時間しかいなくなり、プール開放に重大な支障をきたすことになります。
   日直代行が午前のみの場合、午後からは、学校に鍵がかけられることになり、万一、プールで事故があった場合、学校から119番や教育委員会などに電話がかけられなくなると思うのですが、公衆電話から通報せよということなのでしょうか。また、具合が悪くなった子どもがいる場合も休む場所がなくなる、プールの鍵の受け渡しについても、午前から午後の監視責任者への受け渡し、土曜日の午後から日曜日の午前への受け渡しができなくなります。
   結局、日直代行がいる時間しかプール開放ができなくなるというのが実態です。
   プール開放は、午前で1単位、午後で1単位と数えて、16単位までできることになっています。しかし、土日の午前のみで16単位行う場合、お盆休みに重なる8月12日、13日を除くと、7月1日から始まって、秋風の吹く8月27日まで行うことになります。多数の子どもの利用が見込めなくなります。
   子どもたちが、北海道の短い夏を満喫し、水に親しみ、泳げるようになるために、暑い時期に集中して、プール開放を行なうべきです。従来どおり午前・午後とも開放するためには、7月の後半から8月の前半までの、わずか1ヶ月間だけ、日直代行を終日配置すればすむことです。子どもの権利条例を策定しようとしている本市において、日直代行の人件費削減のしわ寄せを子どもたちに押し付けてはならないと考えますが、いかがか。子どもにとって一番よい形でのプール開放を行なうべきであり、日直代行の配置についてただちに再検討すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。

   以上で私の質問のすべてを終わります。ご静聴ありがとうございました。

(編集・小形香織事務所)


理事者答弁

1 市長の政治姿勢について

   はじめに、教育基本法に関する3点のご質問について、一括してお答えします。
   教育基本法は、曰本国憲法の精神を教育に活かすことを理念とし、民主的、文化的、そして平和的な国家における教育の目的と基本を確立するために制定された法律であり、戦後の教育にとって大きな役割を果たしてきたものと認識しております。
   そういった意味において、国会における教育基本法改正に係る審議にあたっても、憲法の精神を踏まえた現行法の意義を尊重しつつ、慎重に審議がなされるべきものと考えており、注意深く見守ってまいりたいと考えております。

   次に共謀罪についてであります。
   いわゆる共謀罪は、本来、犯罪の組織化、国際化に対応することを目的に、平成12年11月に国際連合総会で採択された国際組織犯罪防止条約を締結するため、国内法の整備の一環として政府により提案されたものです。本法案については、昨年の国会に政府案が提出された後、犯罪の実行行為がなくても処罰できるという点で、市民の権利・自由が必要以上に制約されるのではないかという懸念が各方面から示され、与野党から修正案が提出されるなど、引き続き国政の場で審議されているところです。
   共謀罪につきましては、現在、国政の場でもその取り扱いをめぐり流動的な状況にあるところですが、私といたしましては、組織的な犯罪から国民が守られるのは当然のこととして、一方で市民の正当な権利が制約されることのないよう、慎重な審議が行われることを望んでおります。

2 家庭ごみの有料化問題について

   次に、家庭ごみ有料化問題についてであります。
   4点のご質問は関連しますので一括してお答えします。
   家庭ごみの有料化については、これまで、札幌市廃棄物減量等推進審議会において、他都市の事例も考慮しながら様々な観点からご審議いただいておりますが、審議会自らが市民意見交換会を開催するなど、市民議論を重視した審議がなされてまいりました。
   さらに、今後は、市民意識調査やシンポジウムの開催が予定されており、幅広い議論が続けられる見通しであります。
   したがいまして、時間的な制約もあることから、財政構造改革プランで予定しておりました今年度の有料化実施については、相当に厳しい状況にあります。今後、審議会の答申を待って、有料化による減量効果なども見極めながら、判断してまいりたいと考えております。

3 敬老カードについて

   次に、敬老優待乗車証についてお答えいたします。
   まず、1点目の利用実態に対する評価についてでありますが、一つ目の申請率の現状につきましては、年度当初交付分の締め切りが7月末日となっていることに加え、今回の見直しで8月に追加申請ができることとしたため、今後、増えていくものと思われますので、まずは、その推移を見守ってまいりたいと考えております。
   また、二つ目の交通事業収入への影響についてであります。
   新たな制度を導入した平成17年度における敬老優待乗車証による乗車料収入は、地下鉄事業10か年経営計画で見込んでいたよりも下回ったところでありますが、様々な需要喚起に取り組んだことなどにより、乗車料収入総体といたしましては、計画値を上回る状況となっており、10か年経営計画自体は着実に進捗しているところであります。
   次に、2点目の利用上限額についての二つのご質問にお答えいたします。
   利用実態の把握と利用上限額の見直しについてでありますが、この上限額につきましては、制度発足時においては、議会の議論を経て、また、十分な市民議論も反映させ、利用者の理解を得て設定したものであります。しかし、その後の実態調査や市民から寄せられたご意見等により、5万円では足りないという声があることは承知しております。
   従いまして、利用上限額の見直しにつきましては、さきほどの阿知良議員のご質問にお答えしましたとおり、市民意見を十分踏まえながら、今後の利用実態等をさらに調査・検証し、その結果に基づき検討してまいりたいと考えております。
   3点目の減免制度の導入についてであります。
   敬老優待乗車証制度は、高齢者の方々を敬愛し、老後の生活の充実を図るという趣旨で実施しており、利用者すべてにご負担いただくものでありますので、減免制度導入につきましては、今後、慎重に研究すべきものと考えております。

4 障がい者福祉施策について

   次に、障がい者福祉施策についてお答えいたします。
   1点目の障害者自立支援法の実施に伴う影響と本市の対応策についてであります。
   一つ目の1割負担の導入による利用者への影響につきましては、施設関係者からのお話では、負担増に不安を持つ利用者はいるものの、これにより退所に至った例は、これまでのところございません。
   また、障害者自立支援法の施行によって生じる影響の実態調査につきましては、全国一律にサービスを提供するという法の趣旨からも、基本的には国の責任において、調査・検証するよう要請してまいりたいと考えております。
   二つ目の低所得者対策における資産要件についてであります。
   利用者負担額軽減措置への資産要件に対する札幌市の認識につきましては、新しい制度はサービス量と所得に着目した負担を基準としておりますので、一定程度の資産要件はやむを得ないものと考えております。
   三つ目の利用者負担軽減の独自施策の導入についてであります。
   法施行後、まだ2ヵ月であり、検証は10月の第二次施行後のサービス体系の変更も含めた全体の中で行う必要があるものと考えておりますが、先はども触れましたように、まずは国の責任において検証すべきものと考えております。
   また、利用者負担につきましても、低所得者に配慮した一層の負担軽減措置を講ずることを、他都市と連携して国に要望してまいりたいと考えております。
   四つ目の精神障がいのある方の自立支援医療についてであります。
   国からの通知の遅れなどから、限られた時間内での対応を余儀なくされ、一部の利用者に受給者証の交付が遅れ、ご心配をおかけいたしましたが、医療機関等の協力を得て、受給者証の交付が円滑になるよう最大限の努力をしているところであります。
   五つ目の障害程度区分の問題点についてであります。
   予測される施設の問題につきましては、現時点で具体的に予測することが難しいことから、関係者等のご意見を伺いながら、今後の状況を踏まえ、必要に応じて適切な措置を国に働きかけてまいりたいと考えております。
   また、判定ソフトにつきましても、改善すべき点があれば、同様に必要な要請を行いたいと考えております。
   次に、2点目の交通費助成についてであります。
   いわゆる福祉ガソリン券の増額につきましては、この制度が障がいのある方の外出の機会を確保し、社会参加を促進することを目的としておりますことから、交通費助成制度全体を安定的に維持していくという観点からも、現行の助成額で推移させていただきたいと考えております。

5 市電について

   次に、路面電車についてでございますが、路面電車の活用方策につきましては、現在、「さっぽろを元気にする路面電車検討会議」において検討が進められ、今年8月を目処に、望ましい活用方策の方向性をまとめる予定でありますことから、現時点での考え方について、お答えいたします。
   1点目の、路面電車を生かした街づくりと商店街の活性化についてでございますが、検討会議では、まち歩きを楽しむ道具として路面電車を活用し、沿線の魅力・賑わいづくりとの事業連携の必要性などについて検討されてまいりました。
   これを受けて、既存路線については、現在、関係する商業者の方々と具体的な取り組みについて検討を始めているところであり、これらの取り組みを発展させ、路面電車を有効に活用してまいりたいと考えております。
   2点目の、路線のあり方につきましては、都心・沿線への集客機能等を向上させるため、路面電車と都心部の交通拠点を結ぶ交通ネットワーク形成の視点と、今後の都心再生の開発動向などを踏まえたまちづくりの視点を、一体的に捉えて判断していきたいと考えております。
   3点目の、まちづくりにおける路面電車の役割についてでございますが、路面電車は、地上部を低速で走行し、停留所間距離も地下鉄に比べて短く、市民はもとより観光客やビジネス客などの来訪者にも分かりやすい交通機関であります。
   これらの特性を生かし、都心や都心周辺部において街歩きを楽しむ人々の回遊性を向上させる交通手段としての、新たな役割について検討を進めております。
   最後に4点目の、低床車両の導人や架線・電停の改良などについてでございますが、今後の交通事業の経営状況や設備更新の時期を見極めながら、時代にふさわしい手法を検討してまいりたいと考えております。

6 高層マンション問題について

   次に、超高層マンションの建設計画についてお答えいたします。
   1点目の「高さ制限」を取り入れた基本的考え方についてであります。
   本年3月31日に決定した高度地区による高さ制限につきましては、無秩序なマンション開発等を防ぐため全市的なルールとして定めたものであります。
   しかしながら、街区単位など敷地条件が特に良好で敷地内に公開空地を整備するなど都市機能の向上に寄与するような計画内容の場合は、より良好な市街地の形成が図られることから、高度地区に関する都市計画決定の中で、この制限は絶対的なものとして一律に規制するのではなく、地区計画など他の都市計画制度の活用を前提に高さの限度は個別に検討することとしております。
   すなわち、地区計画区域内の建築物などについては、別途都市計画上の検討・整理がなされることから、この場合においても「秩序ある街並みの形成」が図られると考えております。
   したがって、桑園地区の今回の提案についても、今後、都市計画上の検討を行った上で判断することになります。
   次に、2点目の計画提案の判断についてであります。
   当該都市計画提案に対する札幌市の判断にあたりましては、都市計画法や都市計画マスタープランなど、都市計画としての考え方に適合していることは勿論のこと、計画地区周辺の環境への配慮や周辺住民の方々の合意形成状況も重要な判断要素となっております。
   札幌市としても周辺住民の方々による反対運動につきましては、住民の方々からの要望書及び新聞報道を通じ把握しております。
   したがいまして、この計画提案が制度的に認められるべきかどうかにつきましては、今後、周辺住民の方々の意見なども踏まえ、総合的に判断してまいりたいと考えております。
   最後に、3点目の高度地区による高さ制限の適用除外規定の問題点についてでありますが、
   1点目でご説明したとおり、この適用除外規定も含めて高度地区の都市計画の内容として、事前の議会説明は勿論のこと、パブリックコメントや案の縦覧などで寄せられた市民の方々よりの意見等を踏まえ、最終的に、都市計画審議会の議を経て札幌市が決定したものでありますので、その決定内容に基づき適正に運用してまいりたいと考えております。

7 市職員住宅跡地の活用と中央区のプール、文化ホールについて

   次に、市職員住宅跡地の活用と中央区のプール、文化ホールについてお答えいたします。
   1点目の跡地に対する住民の願いの受けとめについてであります。
   昨年5月に開催された「跡地利用フェスティバル」に私も参加させていただきましたが、住民の皆様が熱い思いを抱いておられることにつきまして、身を持って感じた次第でございます。
   フェスティバル当日にも触れさせていただきましたが、新たな施設整備については、本市が直面している厳しい財政状況や将来的な負担を勘案しつつ、その必要性を十分に議論することが重要であると考えます。
   2点目の中央区の公的プールについて、まとめてお答えします。
   平成12年に閣議決定された行政改革大綱において、『民間と競合する公的施設の改革』が打ち出されたことを踏まえ、これまで関係機関に対して、廃止の見込みについて打診してまいりました。
   その際、廃止については、施設を運営している財団法人郵便貯金振興会から、営業利益は黒字であり、相当遅い時期になる見込みであるとの説明を受けてきております。また、郵政公社からは、この間、具体的な見込みについては示されませんでした。
   今回の廃止発表直前になって、郵政公社から、メルパルク札幌を含む平成19年度以降の黒字化が見込めない施設を平成19年3月末に廃止する旨の通告がございました。
   平成17年度だけでも延べ9万人余りの利用者がいるという現状から、この廃止による影響は少なくないものと考えております。
   昨日の民主党・市民連合三宅議員にもお答えいたしましたが、厳しい財政状況や検討期間が短いことなどを踏まえ、市民への影響を最小限に止めるために、現在、市営施設や公営施設のほか、民間施設の協力の可能性も含めて調査を進めております。
   その上で、年内にも、当面の対策をお示ししたいと考えております。
   最後に、南区の公的プールにつきましては、北海道から平成24年度末を目処として廃止する方向で検討していると聞いておりますので、今後の推移を見極めながら対応してまいりたいと考えております。
   3点目の、市民の文化活動の場の保証についてお答えいたします。
   誰もが気軽に参加できるさまざまな文化活動のための拠点整備につきましては、これまでも、ホール等を備えた各種施設を整備し、適切な運営管理に努めているほか、新まちづくり計画に基づきまして、文化活動の練習の場として学校開放の拡充などに取り組んでまいりました。
   また、NPOや地域の団体との協働により、小学校跡施設など既存施設を活用し、演劇などの文化活動を含めたさまざまな活動の場を提供する試みも進めているところでございます。
   今後とも、市民、アーティスト、関係団体等のニーズや財政状況等を踏まえながら、民間施設も含めた既存施設の有効な活用も十分に視野に入れて、市民の主体的な文化活動を支援する仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。

8 学校プールの開放について

   次に、学校プールの開放についてお答えいたします。
   学校プール開放は、父母と先生の会、いわゆるPTAが管理に当たっており、日直代行は主に土曜日・日曜日に校舎内の巡回や来前者の対応等の管理業務に当たっております。
   今年度、日直代行け、その業務時間を短縮したところから、学校行事等の事情に合わせて、土曜日・日曜日の勤務時間の合計時数の範囲内で、その割り振りを変更して終日勤務の日が設定できるようにするなど、柔軟な対応ができることとしておりますが、今後、プールの開放につきましては関係部局と協議して、より良い実施方法を、さらに検討してまいりたいと考えております。

(編集・小形香織事務所)


小形香織議員 再質問

   教育基本法の改定について、市長は、単に、「慎重に審議がなされるべき」、「注意深く見守る」と答弁されましたが、これでは、市長の意思がまったく不明確ですので、2点、再質問いたします。
    市長は、教育基本法が「戦後教育に大きな役割を果たした」とおっしゃいましたが、その教育基本法を、いま変える必要があるのかということです。
    「制定から長期間が経過したから」、「教育に様々な課題があるから」などと言われていますが、どれも、教育基本法を改定する理由にならないものと思います。
   いま教育基本法を変える必要があるのか、市長自身のお考えを、はっきりとお示しください。
    次に、教育基本法の第10条についてです。「教育は不当な支配に服することなく」と定め、政府が教育内容に介入することを禁じています。
   私は、市長も著者の一人である「市民のための教育を」という本を読ませていただきましたが、市長は、学力テスト裁判の弁護団の一員として、教育基本法第10条を守る立場、すなわち「国家が、教育内容に介入することは許されない」という立場で情熱を傾けて闘ってきた事がわかりました。
   そこで、うかがいます。
   上田市長は、かつての学力テスト裁判をどんな思いで闘ってきたのか、お聞かせください。また、今も教育基本法第10条を守るべきという立場に立っていることを改めてお示しください。

(編集・小形香織事務所)


上田市長 再質問答弁

   教育基本法を改正する必要があるかどうかということでございますけれども、それは先ほどらい申し上げておりますように、憲法の精神を教育の場で生かすというのが教育基本法でございますので、憲法については、私はいま変えるというふうな状況にあるのかどうなのかということについては、慎重な立場でいるということは、再三申し上げているところでございますので、それの実現ということで言いますならば、教育基本法については慎重な態度でいるというのが私の態度でございます。
    それから、いま議論になっております教育基本法10条というのは、まさに教育基本法の立法過程から言いましても眼目にあたる部分だと、私は思っております。それは歴史的な事実として教育の独立ということが、保障しなけらば、再び同じような精神構造で様々な過ちをおこすことがあるんだという前提にたって、この教育の独立といったことをうたったのが教育基本法10条でございます。1項と2項がございまして、とくに行政機関からの権力というふうにいっておりますけれども、この権力的介入を抑止するというのが、教育基本法の第2条で、教育行政は前項の目的にしたがった教育をやるために、教育行政というのは、これは教育の条件整備にこそやるべきであって、教育内容に介入してはいけないというのが、大原則として教育基本法10条の1項2項で語られているわけでありますので、そういう意味でこの所の思想といいますか、言ったものが、どの様に、今、しようとされているかについては、私はあまり理解ができないというところでございます。教育の目標について、1条で人格の完成といったことに、個人主義にしっかりと根をおろした新しい教育をやろうというのが、教育の目的ということで、第1条に掲げられております。そして、それが、時の権力の価値観によって動かされてはならないということで、正義だとか、真理だとか、真理教育、正義教育ということも第1条のなかに掲げられているわけであります。そういう意味で、大切にしなければ精神というのは、私は戦後の教育を一貫してつらぬいてきたわが国の教育における、非常に重要なポイントであろうというふうに考えておりますので、そんな意味で私は、慎重に審議をして頂きたいと、この様に申し上げたわけであります。

(編集・小形香織事務所)


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