私は日本共産党を代表し、本定例会に附議されました議案第6号 2006年度国民健康保険会計予算、議案第8号 介護保険会計予算、議案第15号 高速電車事業会計予算、議案第18号 国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例案、議案第19号 国民保護協議会条例案、議案第20号 職員定数条例改正案、議案第23号 災害派遣手当等の支給に関する条例案、議案第28号 障害者自立支援法施行条例案、及び議案第98号 介護保険条例改正案に反対し、残余の議案32件に賛成。陳情第222号と224号 「国民保護協議会及び国民保護計画に関する陳情」は採択すべきとの立場から討論を行います。
まず、議案第6号 国民健康保険会計についてです。
現行の賦課方式から、旧ただし書き方式に変えることによって、住民税非課税の約5万世帯の国保料が値上げになります。また、配偶者控除・扶養控除・障がい者控除がなくなり、3人以上の多人数世帯や年金世帯、年収200万円から300万円の低収入世帯などで、大幅な値上げになります。現在の保険料の1.2倍から2.4倍に上がります。また、年収200万円の二人世帯の場合、現行の保険料は年間14万1540円ですが、新方式では18万8850円となり、同じ年収の社会保険料8万3640円と比較すると、2.25倍にもなります。市民のくらしと健康を守るため、社会保険料の3倍もする「高すぎる国保料」を大幅に引き下げて、加入世帯の負担能力にみあった保険料にするため、抜本的な制度改善を強く求めます。
また、3月1日現在、保険料の滞納を理由に1万3266世帯に、資格証明書が発行されていますが、このような大量発行は、やめるべきです。資格証明書の発行は、十分な資力がありながら故意に支払わない悪質滞納者に限定すべきであることを申し述べておきます。
次に議案第8号 介護保険会計、ならびに議案第98号 介護保険条例改正案についてです。
介護保険料の基準額が4万5480円から5万450円に11%もの値上げとなります。さらに、国の老齢者控除の廃止など税制「改定」に伴って、現第2段階から新第5段階へ移行する人は、3万4110円から6万3070円へと85%も値上げとなり、制度変更による値上げの対象者は3万2300人にものぼります。また、「新予防給付」が設けられることによって、これまで介護保険で受けられていたサービスが対象から外されました。このような制度改悪は容認できません。
次に議案第15号 高速電車事業会計についてです。
新年度、札幌駅管区、すなわち南北線と東豊線の札幌駅・麻生駅・北24条駅・北18条駅で83名の職員が削減されます。委託される札幌市交通事業振興公社の職員は62名しか増員されず、差し引き21名の人員が削減されることになります。これらは、委託職員の労働強化を強いるとともに、市民サービスの低下と安全走行に支障をきたすものであり、賛成できません。
議案第18号 国民保護対策本部及び緊急対処事態対策本部条例案、議案第19号 国民保護協議会条例案についてですが、上田市長が「憲法9条は世界に誇るべき宝」と何度も議会で答弁していることとも、本市が非核平和都市宣言をしていることとも相容れないものです。国民保護法の狙いは、政府も否定する日本有事を口実に、国民に戦争の不安をあおり、日常的な避難訓練に市民を動員するなど準戦時の社会をつくることにあり、認めることはできません。議案第23号 災害派遣手当等の支給に関する条例案についても武力攻撃災害等の派遣手当も含まれているため、反対です。
陳情第222号及び224号 「国民保護協議会及び国民保護計画に関する陳情」については採択すべきです。
次に議案第20号 職員定数条例改正案についてですが、保育園の民間移譲や地下鉄の駅務員の委託化等により、260人の職員定数の削減するものです。安易な民間委託の拡大と市民サービスの後退につながる職員の削減には反対するものであります。
次に議案第28号 障がい者自立支援法施行条例案についてです。
この条例案は、国の法施行に伴い、障がい程度区分を認定するための「審査会」を設置するものですが、この法律は「自立支援」といいながら、障がい者に原則1割負担を求めるものであり、それを前提につくられている条例案であるため、賛成できません。月6万6000円の障害基礎年金2級を受給している障がい者がホームヘルプサービスを利用した場合、現在は無料ですが、1万5000円を上限に1割負担となります。月8万3000円受給している障害基礎年金1級の方が施設利用した場合、本市では、現行より5000円から2万円の負担が増えます。一方、利用者の1割負担によって、本市の負担は17億6000万円減ります。この負担の減少分を、障がい者の負担軽減策に充てるべきことを強く求めます。
次に、議案第1号 一般会計予算についてです。
「三位一体改革」の本市への影響についてですが、06年度では、国の補助負担金の廃止・縮減で70億円の減額となりました。一方、その税源移譲に相当する金額が「所得譲与税」として56億円手当てされましたが、差し引き14億円減額となりました。マイナス部分は臨時財政対策債を含めた広義の地方交付税で措置されることになっていましたが、05年度に対して10億円削減され、先の14億円と合わせると24億円の減額となりました。
このような「三位一体改革」に反対し、地方交付税の財源保障機能と財政調整機能をしっかり果たすことのできるよう国に強く求めるべきです。
2005年2月に発表された「中期財政見通し」によれば、新年度192億円の収支不足に加え、固定資産税の評価替えによる税収不足等のため、221億円の収支不足が見込まれました。この収支不足に対して「財政構造改革プラン」で、新年度131億円の財政効果を予定しましたが、収支不足は解消せず、市債償還期限の延長で38億円、そして、財政調整基金を52億円も取り崩してようやく収支不足が解消する予算案になっています。
この収支不足の原因は、バブルがはじけた以降も右肩上がりの財政運営が続くことを前提に、大型開発を進めるために市債を増やし続けてきたことです。
2006年度から定率減税が縮小されるほか、年金控除の縮小や老年者控除の廃止などの増税政策によって、とりわけ65歳以上の高齢者の税負担が約18億円も増えることが明らかになりました。
更に、老年者控除に関わる所得控除の廃止もあり、年間6万円から10万円を越える負担増が高齢者に襲いかかります。これらは、高齢者や収入の低い人から取り上げたものですから、増税分はせめて高齢者の福祉サービスの充実のために使うべきであります。
市営住宅家賃と駐車場料金の値上げや、男女共同参画センターの女性料金の廃止、学校開放料金の値上げ、公立保育園の民間移譲は問題です。
予算特別委員会で、自民党と市政改革クラブが、一般会計予算案に反対しましたが、29日付の北海道新聞は、「市長選にらみ攻勢」という見出しの記事を掲載し、そのなかで「自民党が一般会計予算への反対を決めたことは、市長との対決を鮮明に打ち出したものだ。…市長周辺への揺さぶりをさらに強めそうだ」としています。この記事の通りだとすれば、予算案の内容よりも、市長選挙対策を優先したために反対したということになります。このような党利党略によって、予算案が否決されると、4月3日に予定されている生活保護費の支給がストップしたり、厳しい経営環境におかれている市内の中小業者に早期発注ができなくなり、企業倒産もまねきかねません。私ども日本共産党は、従来から、予算案の中に市民負担増が含まれている場合は反対してきました。この基準に照らせば、新年度予算案は反対すべきところですが、暫定予算の準備が日程的に困難ななかで、予算案が否決された場合、4月からの予算執行に空白期間が生じ、本市経済および市民生活に与える影響は甚大です。市民負担増などの政策上の問題は指摘をしつつ、本市経済と市民生活と守る立場から、予算案を可決させるべきだとの政治判断を行ない、あえて反対をしないものです。
次に代表質問や、予算特別委員会で指摘した主な問題について述べてまいります。
本市出資団体への政策投資銀行等からの天下り役員が、高額な報酬を得ていることを指摘しました。このことを放置することは、市民が願っている出資団体の改革に逆行することになるものであります。筆頭株主として、是正するよう強く求めておきます。
市立大学が、この4月から開学しますが、6年間の中期目標に照らして業績評価を行う評価委員会について、理事者は「専門性の高いものについては臨時委員を選任して行うこともできる」としましたが、評価の基準を議会および市民に明らかにすることを求めておきます。また、授業料については、国立大学の標準額に準じて定めるという考え方が示されましたが、公立大学法人は国の「しばり」はなく、本市独自に決めることが可能です。市立高専や高看を母体として開学する市立大学においては、学生、父母の負担軽減を図り、高等教育の機会均等を保障するため、極力低額に抑えるべきです。
障がい者交通費助成制度についてですが、心身障がい1・2級の方が使える3万円分の福祉ガソリン券を、福祉タクシー券と同じ36000円に引き上げるべきです。また、身体障がい者3〜4級の方の冬場の外出を支援するために、雪の降る期間、ウィズユーカードとタクシー券いずれかを選択できるよう、制度改善を求めます。
高齢者への「敬老カード」についてですが、利用上限額の拡大と、利用者への実態調査を行うよう強く求めておきます。
子どもの権利条例についてですが、策定にあたっては、「子どもの権利」や「条例作りの意義」について、子どもも含めた市民に十分知ってもらいながら、今後のスケジュールをすすめ、条例の名称には「権利」という文言を盛り込むことをあらためて強く求めておきます。また、「中間答申」の概要のパンフレットが学校現場に配布されましたが、送付部数が大変不十分であった問題を指摘しました。子どもの権利条例検討委員会から「これでは子どもたちに条例制定の趣旨が伝わらない、全児童・生徒に届くように」と意見が寄せられました。子どもの権利条例を制定する上で、直接子どもと接している現場の教員と教育委員会、及び子ども未来局が緊密に連携してすすめるよう求めておきます。
民間学童保育についてですが、「学童保育の充実」は上田市長の選挙公約です。まずは助成対象となる学年を4年生までに拡大し、指導員が複数配置できるよう支援を充実すべきです。
家庭ごみの有料化の問題ですが、2月5日から3月1日まで市民意見交換会が開かれましたが、白石区では11のテーブルのうち8テーブルが反対でした。東区や厚別区でも同様の結果であったことを明らかにしました。審議会のアンケート結果ですが、意見交換会で議論する前は、有料化賛成が41.8%、反対が42.8%でしたが、議論した後には、条件付きも含めて賛成が218人、反対が384人と、反対が飛躍的に増えました。やはり、市民意見交換会で明らかになったことは、有料化反対の市民が圧倒的であるということです。市民意見を尊重するなら有料化はできないはずです。多くの市民は10月からの有料化を心配しています。審議会の答申にいたるスケジュールを逆算しても10月の有料化は無理であり、10月の有料化はしないことを市民に一刻も早く明らかにすべきです。
雪対策についてですが、雪堆積場の確保や営業時間の延長、排雪ダンプの確保などが来年度も課題となることは明らかです。今から準備を進め、今季のような除排雪の遅れが生じないよう求めておきます。
札幌市内のマンション耐震強度偽装問題についてですが、浅沼良一・2級建築士が構造計算を行った建築物で33件もの偽装が明らかになったことは、マンション住民ばかりでなく、多くの市民に衝撃を与えました。とりわけ、33件のうち16件は市の建築確認を通ったものです。札幌市は、昨年11月に姉歯元建築士が偽装事件を起こしたとき、28日の建設常任委員会で「札幌市では偽装がまかり通るようなことは起こりえない」としていただけに、安全性を確保されていなかった責任はきわめて重大です。また、都市局において構造計算のチェックが全く不備であったことは、市の建築確認業務の信頼を根本から崩すものとなりました。市民の不安を解消するために、4つの点について求めておきます。第1は、偽装の疑いのあるマンション等の公表と耐震強度の速やかな調査・点検を行うこと。第2は、マンション住民の不安解消のため、管理組合が構造計算書の再計算や補強工事を行なう際に支援を行なうこと。第3は、市の確認審査の強化による再発防止策を直ちに実施すること。第4は、関係した建築士の責任を明らかにし、公表や処分を速やかに行うよう国と道に求めることです。また、建築士が設計・監理において建築主や施工主から独立性を持ち、居住者の安全・安心を守る仕事が行えるように、建築設計システムの見直しを国と道に求めることです。これらのことを早急に実施するよう強く求めます。
次に、市電についてですが、現行の路線で市電乗客を増やす施策をとりながらも、それだけにとどまらず、「魅力ある都心の創造に寄与する都市の装置」として延伸・ループ化を図るべきです。
教育に関わる課題ですが、4月から中学1年生の35人学級が実施され、60校で学級増となりますが、教員の定数配置基準では97人が必要なところ、60人の配置にとどまり、37人も不足することになります。教育現場に困難をもたらすやり方は是正すべきであり、定数どおり配置するよう道教委に求めるべきです。
学校配当予算についてですが、10年前の予算に比べ56%にまで減っています。この3年間で見ても81%になっています。市の予算で確保すべき用紙代まで削減し、不足分を保護者に肩代わりさせているのは問題であり、これ以上減らさないようもとめておきます。
市民会館の取り壊しに伴い、代替場所が確保されなければ自主夜間中学校「遠友塾」の継続が困難になることは明らかです。本市教育委員会として、小中学校などの学校施設や公的施設を提供するなど、責任を持って会場を確保すべきです。
以上で私の討論終わります。

