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   05年第3回定例議会 井上市議が代表質問

   9月21日に開会した、2005年第3回定例議会(決算議会)で、9月28日午後、日本共産党の井上ひさ子議員(手稲区選出)が代表質問にたち、市長の憲法への政治姿勢、アスベスト対策、灯油価格高騰対策、家庭ごみ有料化問題、敬老パスの改善などで、市の姿勢をただしました。(文責・編集部)

憲法9条は誇るべき財産−市長が表明

   最初に井上市議は市長の政治姿勢について、庶民大増税、憲法と教育基本法の3点に反対の意思を表明せよと迫りました。

   上田市長は、「憲法9条は世界に誇るべき大切な財産であり、その精神は世代を超えて受け継いでいかなければならないもの」「改正については、十分な国民的議論を踏まえて慎重に対応すべきもの」と答えました。
   教育基本法については「理念とするところは日本国憲法の精神を教育に生かすことにある」「これを尊重すべきものと考えており、今後の改正の動きを注視していく」と述べました。

旧浅野スレート(西区)−住民に不安
    住民健康調査などアスベスト対策強化せよと迫る

   井上市議は、西区にあった旧浅野スレート株式会社が、1996年までアスベストを含有した石綿セメント板や円筒などを製造・販売していて、現在は運輸会社が事業を引継ぎ、セメント板の加工と運輸のみの操業となっているが、今年7月に同運輸会社の元従業員が悪性中皮腫の労災認定を受けたことが明らかになり、周辺住民から不安の声が上がっていることを指摘、「セメント板切断のたびに粉塵が舞い上がり窓も開けられなかった」「粉砕くずが周辺にまきちらされ、雨が降ったあとは井戸水が白くにごり、上澄みを飲んだ」という住民の声を紹介、「住民の健康診断と精密検査を実施」するよう求めました。また、工場の解体作業にあたっては指導・監督に万全を期すよう求めました。

   市側は、旧浅野スレート工場の解体作業にあたっては開発事業者の飛散防止対策の指導など万全の体制で指導・監督につとめるとしながら、住民の健康調査については「国の対策を見据えながら、当面は健康相談窓口の活用などで対応したい」と答えるにとどまりました。

   さらに井上市議は学校など市の公共施設のアスベスト対策について、吹きつけ岩綿の露出箇所の囲い込みにとどめず、アスベスト除去工事を実施するよう求めるとともに、民間の建物の解体工事においても市の条例に基づき、アスベスト関連施設の届出の漏れをなくし監督・指導の強化を求めました。

   市側は、公共施設についてはすでに囲い込みをおこなったが、地震などでの施設の破壊を考えると除去することが望ましいので、施設の耐用年数や使用頻度などから優先順位をつけ計画的にすすめたい、民間の解体工事に当たっては、除去工事の際には立ち入り指導もおこなうと述べました。

灯油価格安定に努力−市長が表明
     「福祉灯油」の実施には後ろ向き

   井上市議は、昨年の9月と比べて1リットル17円も値上がりしている灯油高騰問題を取り上げ、上田市長に対策を求めました。
   井上市議は「原油高騰が家庭や中小企業に大きな影響を与えている」とし、「道と札幌市に在庫の確保と安定供給の見通しを持ち、元売各社に万全の対策を求めるべき」と指摘し、「灯油の値上がりが、年間にして一世帯あたり3万円の負担増になるといわれている」と訴えました。
   具体的対策として(1)買占め、便乗値上げなどへの指導・勧告(2)低所得者層などを対象に灯油代を支給する福祉灯油制度の実施(3)石油元売り大手への急激な値上げ抑制の要請 ― などを求めました。

   上田市長は「価格の安定に向けた努力をする」と答えましたが、福祉灯油制度には「創設は困難であると考えている」と述べるにとどまりました。

家庭ごみ「有料化ありき」は許されない
     生ごみ堆肥化は拡大へ、古紙回収奨励金増額には消極的

   井上市議は、家庭ごみ有料化に反対の立場から市長の姿勢をただしました。

   まず、今年5月に静岡市で開かれた指定都市市長会議で上田市長が「(家庭ごみの有料化を)やらなきゃならないという考え方から議論を始めている」と発言したことを取り上げ、「先に有料化ありきという考え方だ」と指摘しました。そして、家庭ごみの30%を占める生ごみの堆肥化実験では1世帯1日あたり400グラム前後の減量効果があがっており、本格実施すべきこと、町内会などが行う古紙等の集団資源回収の奨励金は、1キログラム当たり3円(町内会などに2円、業者に1円)だが、焼却には30円の経費がかかっていることをあげ、奨励金を引き上げて回収量を増やすことを求めました。

   市長は、有料化問題について「基本的には、ごみ減量に有効かどうかという視点から検討すべきだが、さまざまな視点から検討することも必要」であり、生ごみの堆肥化については「事業をさらに拡大したい」としましたが、古紙回収の奨励金については「現行の金額は妥当」と言うにとどまりました。

改悪敬老パスに不満あふれている
   市民の声聞き改善せよ

   利用上限額の設定と自己負担の導入という2重の改悪がされた札幌市の敬老パス制度について、井上市議は、高齢者の不満の声を背景に、「もっと市民の声を聞き、改善すべきだ」と市長に迫りました。
   及び腰の小澤副市長の答弁には、再質問、再々質問で厳しく追及しました。

   井上市議は「制度が改悪されてから、高齢者らは老人クラブの行事、ボランティアなどの参加を減らし、外出抑制につながっている。見直す必要があるのでは」と質問。カードの買い足しや払い戻し、期間延長などを望む声を紹介し、「高齢者の願いを率直に受け止めるべきだ」と、市長の英断を求めました。

   小澤副市長は「高齢者の外出支援の役割を果たしていると認識しており、おおかたの市民の理解を得られている」「今後は現行制度のもとで、少なくとも1年間は利用実態の把握に努めたい」と答えました。

   その答弁に井上市議は「とんでもない考え違いだ」「市民は理解しているどころか改悪にますます怒っている」と厳しく指摘、「敬老パスを守る連絡会」のアンケート(7月実施)の結果を紹介、「カードの限度額で間に合うという人は22%、足りなくなるという人は73%だ」「高齢者は足りなくなると困っている」「至急アンケート調査を実施すべきだ」と強調しました。

増える「期限付き教員」、札幌市の教育力低下に懸念
     正規教員採用へ可能な限り取り組むとはじめて答弁

   井上議員は、「期限付き教員」(1年以内の期間で雇用される教員。札幌市では、本来正規の職員で補充されるべき定数枠なのに、欠員を穴埋めするために1年間の期限付きで採用された教員が急増してきた)が2000年度169人だったのが昨年度は555人、今年度は653人と5年で3・8倍にもなり、ベテラン教員の知恵や経験が若い教員に引き継がれず、札幌市全体の教育力を低下させると指摘しました。

   松平教育長は「今後は中・長期的視点に立った計画的な採用をすすめ、来年度以降正規職員の採用を相当数増やして、期限付き教員の減少に向けて可能な限り取り組んでいく」と、はじめて前向きに取り組む姿勢を示しました。

星置駅にエレベーター設置を
     バリアフリー環境の向上に向け調査すると答弁

   最後に井上市議は、地元の手稲区のJR星置駅と一体構造で、星置橋上駅をはさんで、稲穂地区と星置地区をつなぐ市道に、歩行者用のエレベーターを設置するよう求めました。

   これに対し、加藤副市長は「駅舎エレベーターとのバリアフリーの連続性の確保など、バリアフリー環境の向上に向けて調査していく」と答弁しました。

(05年10月14日)


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