上田文雄氏が札幌市長に就いて以来2年間をどう見るか、日本共産党札幌市議団の宮川潤幹事長に寄せてもらいました。
上田市政の2年間をふりかえって
日本共産党札幌市議会議員団 幹事長 宮川 潤
許されない133億円の負担増
一昨年のいっせい地方選挙に引き続いて行われた市長再選挙の結果、上田文雄市政が誕生し、任期の折り返しである2年が経過しました。上田市長は、普通の市民の目線、市民参加と対話を基本とすると選挙で公約し、市民の支持を集めました。ところが、2004年12月、「財政構造改革プラン」(以下「プラン」)を策定し、市民生活全般に負担増を押し付けようとしています。
4人家族で年問2万8千500円負担へ
「プラン」で、133億円(4人家族で年間2万8,500円)もの市民負担を計画していることが、上田市政最大の問題です。
「プラン」に列挙されている市民負担の主なものには、次のようなものがあります。家庭ごみ有料化、敬老パス有料化と縮小、保育料値上げ、障がい者の医療費助成の縮小、すこやか健診やがん検診の値上げ、市営住宅家賃と駐車場料金値上げ、町内会等の区民センターなどの使用料減免廃止、民間保育所の運営費補助の削減、就学援助の縮小、生活保護世帯の下水道料金・大型ごみの減免廃止などです。
家庭ごみの有料化ねらう
「プラン」の市民負担の最大のものは、家庭ごみ有料化計画で、56億円(4人家族で年1万2千円)になるものです。
紙パックや金属など分別の細分化や、生ごみのリサイクルも行わずに有料化先にありきでは、ごみを減らすことはできません。市として、製造者に、ごみ処理費用を負担させる拡大生産者責任の実現を求めるべきです。
上田市長の選挙公約は「財源論でなく、減量の観点から有料化を検討する」というものでした。有料化で減量になるかどうかの検討もしないうちに、財源論そのものと言うべき「プラン」に位置づけたことは公約違反です。
敬老パス交付規則を改悪
03年7月に発表した施政方針で敬老パス見直しを検討するとしました。04年3月、平均3千円の自己負担と2万3千円までの利用限度額にする改悪案を示したものの、圧倒的な反対で撤回、年度内の改悪を断念しました。
8月に、上限額を1万円から3万円の3段階とし、自己負担額をそれぞれ、千円、3千円、6千円とする案を示しましたが、市民も議会も反発しました。
市長は、9月の第3回定例会で、バスや地下鉄改札口の新カード読み取り機を設置する補正予算を通そうとしましたが、新制度への反対が強く、一度は提案できないところまで追い込まれました。市幹部が、水面下で議会の説得に奔走、上限額を5万円までの5段階にすることで、議会の多数派工作に見通しをもち、議会途中に、補正予算案を提出、民主党、公明党、新政クラブ、市民ネット、市政改革クラブの2人が賛成、日本共産党、自民党などが反対、わずか3票差で可決し、05年2月2日、市民にも議会にも知らせずに、敬老パス交付規則が改悪されました。
新カードは、一度購入すると追加購入はできず、年度末に余っても翌年度に繰り越して使用できないもので、不満が噴出しており、抜本的な改善が必要です。
財政構造改革プランを批判
巨大事業の総点検緊急に
現在、町内会や老人クラブ、PTA、福祉団体が、市民センターなどを使用する場台、使用料を免除していますが、当事者団体に一切知らせないまま、今年10月から有料化することにしてしまいました。
また子育てに経済的支援が求められているなか、保育料の値上げを検討しようとしていることは許されないことです。
市立保育園を民間移譲しようとしていますが、保護者の反対のなか強行すべきではありません。
三セクと天下り
市が出資している会社である第三セクター54団体に、補助金、交付金、委託料など毎年500億円以上支出しており、本格的にメスを入れることが求められています。
出資団体評価委員会を設置し、見直しに着手はしたものの、「プラン」には第三セクターへの支出の見直しが位置づけられず、選挙公約でも「補助金はゼロベースで見直します」としながら、ほとんど手がつけられていません。また、選挙公約で、第三セクターへの「慣習化・既得権化した天下りを禁止します」としながら、何ら具体化していません。
議会で追及すると「一律禁止とは言っていない(天下りが)適正か検証するという意味」と答弁したことは、公約をねじ曲げて市民を裏切る態度と言わざるを得ません。
大型開発の問題
2004年5月、日本共産党の代表質問に対して、創世三区について「巨大建設計画はありません」と事実上の消滅を認めました。しかし、総額200億円の駅前通地下通路や120億円の創成川通りアンダーパス連続化は、実施するとしています一財政が厳しいことを理山に、さまさまな値上げや有料化をする前に、このような巨額の事業の見直しこそ「プラン」に位置づけて、建設中止や先送りも含めた総点検をすべきです。
平和と憲法
市長は、03年12月、本会議で、「イラクヘの自衛隊の派遣には反対」と表明。04年6月わが党の代表質問に「憲法九条の平和主義は世界に誇りうる理念」、教育基本法について「真理と平和を希求する人間の育成を期するもの」と答弁し、前市政との違いを示しました。
市民との対話
各区でタウントークを実施し、社会保障推進協議会や、北海道生活と健康を守る会、民主商工会などとも懇談の場を設けました。しかし、敬老パス問題では、ある時期から市民団体との懇談をしなくなり、パス改悪を強行したという限界もあります。
市職員大幅削減
札幌市の職員数の(一般行政部門)は、人口比で、政令指定都市中もっとも少なくなっています(市民10万人あたり408・5人)。ところが、上田市政2年間で、736人もの職員を削減。
これ以上の人減らしは、市民サービスの低下と職員の労働強化に結びつくものです。
(『しんぶん赤旗』北海道のページ 05年06月18日〜19日付より)