週刊レポート
うらやましいフィンランドの教育

   フィンランドの教育について、庄井良信さんの講演(DCIさっぽろセクション主催)を聞く機会がありました。庄井さんは、臨床心理学などを専門に研究し、フィンランドに滞在して、そこでの教育制度などを体験した方です。

   フィンランドは、2003年に実施されたOECD学習到達度調査(世界41カ国で実施)でも、数学的思考・文章読解力など全体的に高い水準にあります。

   「じゃあやっぱり、日本のように学力競争が激しいの?」と思いきや、徹底的に「教育の機会均等と公正の実現」を図っているそうです。家庭環境・学校間・地域間・男女間などに教育の不平等が起きていないかどうか。それを調べるために全国的な学力調査をし、起きている場合には、行政がどこを支援すれば公正な教育ができるかを考えるのだそうです。

   そんな教育が進められていますから、生徒たちに、「学習到達度を人と比較される。あの子はできて自分はできない」という劣等感がないのだそうです。ですから、もし「授業がわからないな」と思ったら、いつでも別の教室に行って、わからないことを再学習でき、「それは当然で、恥ずかしくないこと」と思っています。

   OECD調査では、加盟国の中でフィンランドの総授業時間数は最も短く、週5日25時間のうち、11時間は学習の進行具合にあわせてどの教科にするのかを決めるためにフリー。詰め込み式ではありません。1学級25人の教室は、疲れた子がゴロッと横になるラグスペースも用意されている、ゆったりした雰囲気です。

   そんな教育制度をフィンランドはどのように実現したのでしょうか。1960年代にフィンランドが教育改革を手がけるときに、一番参考にしたのが日本の「教育基本法」。とりわけ、「教育の機会均等」という精神を学びどのように公正で公平な教育制度をつくるかを徹底して考えぬいたそうです。

   憲法九条と同じように、教育基本法も世界のお手本になっているのだと感銘を受けました。憲法や教育基本法を変えるのではなく、どのように充実させ精神を貫くかが日本の進むべき道だ、とあらためて感じた講演でした。

(「こんにちは 小形かおりです」  05年06月05日付より)

【参考】
 ≫子どもの権利のための国際NGO・DCI日本支部ホームページ
 ≫PISA(OECD生徒の学習到達度調査)2003年調査の要約(文部科学省ホームページ)


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