中高層建築高さ制限について質問、景観、街づくり、日照権を守る手だてを求める

05(平成17)年第二部決算特別委員会−10月12日

小形香織 委員

 私は、中高層建築物にかかわって質問したいと思います。
 2000年9月に、札幌市中高層建築物の建築にかかわる紛争の予防と調整に関する条例が制定されて、住宅地域などにおいて、高さ10メートルを超える中高層建築物を建てる際に、確認申請をしようとする30日前までに標識を設置することや、敷地境界線から10メートル未満の近接住民に建築計画の説明が義務づけられています。
 質問の1点目は、中高層建築物の届け出や調整などについてです。
 昨年度の中高層建築物条例にかかわる届け出件数はどの程度あったのか、調整した件数や仲介に至った件数は何件なのか、区によって特徴があると思われますので、それぞれ区ごとにお示しをしていただきたいと思います。
 また、住民からの声を電話や窓口で直接お聞きしていると思いますけれども、住民からの相談の内容について、どのような傾向があるというふうに把握されているのか、それもお示しいただきたいと思います。

三浦 建築指導部長

 初めに、平成16年度における中高層建築物条例に基づく区別の届け出件数でございますが、多い順から申し上げますと、中央区77件、東区39件、豊平区33件など、全市合計245件となっております。また、仲介につきましては中央区5件、豊平区2件、北区1件、ほかの区はゼロ件ということで、全市合計8件でございました。指導調整件数は合計52件となっております。
 次に、住民からの要望等による指導調整や相談の内容につきましては、建物の階数、高さ等の削減、日照、景観、眺望等の確保、風害や雪害に対する対策、テレビ受信障害対策、交通障害、工事中の騒音、ごみ保管庫の位置などさまざまなものがございます。また、1件の案件に対し、これらの問題が複数絡んでいることが一般的となってございます。

小形香織 委員

 今のご答弁の中で、全体で調整が52件あって、その中で仲介にまで進んだのが8件だということで、15%ぐらいしか実際には仲介までには至っていないということになると思いますが、その数字の乖離の理由は一体どの辺にあるとお考えなのか、これをお示しいただきたいと思います。

三浦 建築指導部長

 指導調整件数に比較して、仲介の件数が比較的少ない理由についてですけれども、住民の方々から受けましたご相談や要望につきましては、その都度、関係法令等の説明を行うとともに、住民が望まれる場合にはその意向を建築主に伝え、住民とよく話し合いを行うよう指導を行い、時には再検討を促すなど、話し合いで解決が図られるよう調整に努めているところでございます。
 そのため、仲介までに至らず解決する案件もあることから、結果として仲介件数が少なかったものと考えているところでございます。

小形香織 委員

 先ほど、相談の傾向はどのようなものがあるかということでお聞きしました。さまざまなものがあるとおっしゃいましたけれども、高さ、日照権、風害、このあたりはすべて建物の高さに関する相談だと思います。今期、私たちが議員になってから2年半の間にも4件議会陳情が出されています。その中身のすべてが日照権や景観の問題を訴えて、そして、建物の高さを制限してほしいという趣旨のものになっています。この4件のうち3件が中央区から出ている。先ほども、最初のご答弁で、中央区の数が突出して多かったと思っています。その中で、実際に仲介に至らない理由については、建築主に指導や再検討を求めているからではないかという部長からのご答弁でしたが、やはり住民にとってみたら、近隣に中高層の建築物が建てられるということは大きく環境が変わってしまうわけですから、事前説明を丁寧にするということはごく当然のことだと思いますし、皆さんは住民の立場を守るということが仕事だというふうに考えています。
 最初にお示しいただいた数字で見ても、届け出件数245件、そのうち31%の77件が中央区、仲介も8件のうち5件が中央区で62.5%です。先ほどの質疑にもありましたけれども、中央区というのはとりわけ中高層建築物が多くて、近隣住民とのトラブルが絶えないところです。そのような中で、中央区南6条西21丁目と22丁目で、住民発意の地区計画がつくられました。住民の皆さんが何度も何度も地域の人との合意を重ねて、役所にも足を運んで、ことしの3月に、ようやく高さを15メートルに抑えるという地区決定が行われたわけですね。そして、札幌市は、今回、都市計画審議会で高さ制限という考え方を取り入れて、来年の3月にはそれを導入させる方向だと明らかにしています。
 ところが、この地区計画がなされた南6条西21丁目と22丁目の周辺を具体的に見ていきますと、札幌市がこれから取り入れようとしている高さ制限が導入されても、ここは33メートル、また場所によっては45メートルの高さまで建てられることになるんです。ですから、せっかく地区計画で、自分たちの場所が15メートルだというふうに決めても、道路1本隔てたその周りは高い建物を建てることができる。こういうことになってしまったら、結局、地区計画を立てた人たちの街づくりへの思いだとか、努力が薄れてしまうことになりますし、市は、私たちがなぜ地区計画を立てたのか、その願いをわかっているのかという声も実際に出されています。
 今回の高さ制限の案によって、とりわけ中高層建築にかかわる要望の強い中央区で、建築主と住民とのトラブルが解消されるとお思いになられるのかどうか。住民の声を直接聞いておられるご担当者としてのお考えを伺いたいと思います。

三浦 建築指導部長

 高度地区による高さ制限の同意につきましてのご質問ですけれども、高度地区の指定による高さ制限の導入が来年の3月に予定されているということで、我々としても、これが紛争の予防につながるのではないかということで期待するものであります。
 ただ、中高層建築物の紛争は、建築計画と周辺の環境が案件ごとにそれぞれ異なる状況のために、必ずしも制度改正だけで解決するものでもなく、建築主と住民との話し合いにより解決する部分も大きいものと考えております。
 我々としましては、今後とも、他の施策と連携しながら建築物における紛争の予防と調整に努力してまいりたいと考えているところでございます。

小形香織 委員

 予防につながると期待しているというお答えでした。話し合いで解決するということは正しいと思うのですけれども、やはり条例のそもそもの目的のところには、良好な近隣関係を保持するとともに、健全な地域環境の形成に資することを目的とすると、中高層建築物の条例には書かれているわけで、これはまさ住民の願いをどういうふうに実現するかという立場に立ってつくっている。住んでいる方々にとってみたら、中高層建築が隣に立つということは、今まで住んでいた環境が大きく変えられるので、建築する側は、お邪魔させていただくという考え方に立って、丁寧な説明をしていくことが大事だろうと思っています。
 北海道新聞でも、高さ制限の導入のことに関して記事が出されましたけれども、8月26日の記事では、参加者からは、円山や藻岩山の東側に幹線道路が走っており、ここに高い建物がつくられると、その東側の住宅地に住む人には目隠しになってしまう。景観保護を目指すなら山に近い方の建物こそ低くするべきだというふうに意見が出されているという記事が載っています。そして、先ほどのような、せっかく15メートルの高さ制限をした地区計画をつくっても、その周りが33メートル、45メートルで囲まれてしまうというようなことがないように、地区計画が立てられた周辺、あるいは藻岩や円山などの風致地区に指定されている周辺、こういったところには段階的に少しずつ高さを制限していくような緩衝地帯を設けるという考え方を取り入れるなど、何らかの景観、街づくり、日照権を守る手だてを早急に講じるべきだということを強く求めて、質問を終わります。


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