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05年札幌市第2回定例議会
日本共産党代表質問(2005年6月8日)
伊藤りち子   議員

  私は、日本共産党を代表して、当面する市政の重要問題について質問いたします。

 1 新地方行革の問題点について

  最初に、新たな地方行革指針について質問します。

  去る3月29日、総務省から「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針の策定について」の通知が出されました。
  この通知は、昨年12月に閣議決定された「今後の行政改革の方針」を受け、地方自治法第252条の17の5に基づいて「技術的な助言」をするとして、行政改革大綱の見直しと、具体的な取り組みを集中的に実施するため、今年度を起点として、おおむね5年間の取り組みを明示した計画、いわゆる集中改革プランの公表を求めています。
  その内容は、7項目にわたり、事務・事業の再編・整理や廃止・統合、民間委託等の推進、経費節減等の財政効果を求めるものになっています。特に、公務員の定員管理と給与の適正化のいっそうの推進については、2010年4月1日における明確な数値目標をかかげ、退職者数及び採用者数の見込みを明示することとしています。
  さらに、総務省は、集中改革プラン及び改革の進捗状況について、毎年度のフォローアップや結果の公表を行うこと、必要に応じ、行政運営に資するよう「助言」を行うとしています。

  そこで3点、うかがいます。

  質問の第1は国と地方自治の関係についてです。

  地方自治法における「技術的な助言」はなんら法的拘束力を持たないものであることは、一般的に理解されていろところですが、今回の通知は、地方自治体に対して、積極的な行政改革の推進に努めるよう「技術的な助言」をするとしておりますが、これは地方自治の観点から、国の行き過ぎた介入であり自治権の侵害にあたると思うのですが、市長はいかがお考えか、お聞かせ下さい。
  また、総務省による毎年度のフォローアップや結果の公表は、自治体間の競争を激化させ、効率性ばかりが優先されるものであり、本来の地方自治体に求められる、住民の福祉の増進が阻害されるものだとはお考えにならないのか、うかがいます。

  質問の第2は、「都市再生」との関連についてです。

  今回の「新地方行革指針」は、「都市再生」など国が、財源を集中的に投入させたい分野は温存し、三位一休の改革として、2007年度からの地方交付税の大幅削減に自治体を対応させ、住民犠牲の行革をすすめさせようとするものです。
  本市では、都市再生緊急整備事業として、創成川通アンダーパス連続化事業および札幌駅前通地下歩行空間整備事業等が、この指定を受け、事業を進めています。今年度、これらにかかる市債の発行は、当初予測から大幅にずれ込み、特に地下通路に関しては、1億3800万円だったものが、4億8600万円と3・5倍にも膨らんでいます。それは、市の財政に余裕がないために、一般財源で見込んでいた5億9200万円が、1億7700万円しか確保できなかったからです。
  来年度以降も一般財源の確保ができなければ、結局、市債の発行に頼らざるを得ない状況をつくり出してしまうことになります。
  市長は、「都市再生」を温存し、地方に行革推進を押しつける国のやり方を良しとされるのか、財政構造改革プランで、2006年度までに265億円の収支不足を解消するとしながら、市債発行という形で市民へ将来のつけまわしをするのは、当然とお考えになるのか、うかがいます。当初の想定以上に市債を増やすことになっていく駅前通地下通路は、先送りすべさと思いますが、いかがか、うかがいます。

  質問の第3は、市職員の削減問題についてです。

  国は、地方公務員の定員削減について、過去5年間の全国総定員の純減実績であるマイナス4・6%を上回る定員削減目標を、明確な数値目標として設定するよう求めています。本市ではすでに、この7年間に総職員数の10%に当たる1,908人を削減。今年度でも280人の削減を行っています。政令指定都市のなかでも、市民10万人あたりの職員数が404・6人と1番低く、また、歳出総額に占める人件費の割合も2003年度で14・4%と福岡市に次いで下から2番目に抑えられています。
  国の指針通りに、これ以上、市職員を削減することは、本市において、市職員の過重労働、市民サービスの低下に直結するものであり、許されないと思うのですが、市長は、国言いなりに職員削減を進めるおつもりか、うかがいます。

 2 指定管理者制度について

  次に指定管理者制度の導入に関連して質問します。

  2003年9月の地方自治法一部改正に伴い、「指定管理者制度」が導入されましたが、わが党は住民福祉の増進を目的とする公の施設の管理を営利企業にも拡大するものであり、公の責任を後退させることを指摘し反対してきました。
  2006年9月に改正法施行後3年間の経過措置が切れるため、本市は、このたび、指定管理者制度予定の施設を公表し、来年4月から実施するための準備をすすめるとしています。公募の対象として54種類、163施設が示されていますが、以下3点の質問を行います。

  質問の第1は、公の施設の意義と役割、公的責任についてです。

  地方自治法第244条第1項で、公の施設について、住民の福祉を増進する目的を持ってその利用に供するための施設と規定しています。この目的を達成するために直営、もしくは市が出資している公的団体に管理業務を委託しており、本市の管理権限や責任が明確であったと考えますが、いかがか、営利を追求する民間企業に公の施設の管理委託を拡大することは、本市の責任を後退させることになると考えますがいかがか、公の施設の意義と役割、公的責任についての市長の見解をうかがいます。

  質問の第2は、公募にした理由についてです。

  このたび公募の対象にあげられた施設について具体的にうかがいます。
  エルプラザ複合施設についてですが消費者センター、環境プラザ、市民活動サポートセンターの3施設は現在直営、男女共同参画センターは財団法人札幌市青少年女性活動協会に管理委託しておりますが、今回の提案では一括して公募するとしています。これまで直営で管理してきた施設を含めて、それぞれ担う役割・機能の違う施設を一括公募するのは何故か、明らかにして下さい。

  質問の第3は、指定管理団体で働く職員の雇用保障についてです。

  指定管理者制度は、「効率性」が主たる目的であってはならず、それぞれの「公の施設」の業務を担うにふさわしい職員の身分、賃金、労働条件等を保障することは重要な課題です。指定管理者制度は4年間の契約で、業務を委託し、本市が委託料を支払うことになりますが、「効率性」先にありきですすめると人件費削減で職員の契約杜員化、非常勤化、パート化などが懸念されますが、利用者サービスの向上や安定したサービスを継続するためにも、まず、雇用の安定を確保すべきと考えますがいかがか。
  また、指定管理者制度への移行期にあたり、第3セクターで働くプロパー職員の全員解雇などが懸念されますが、今後、雇用保障についてはどのように対応するお考えか、お示し下さい。

 3 出資団体の見直しについて

  次に、出資団体の見直しについて質問します。

  3月31日、「出資団体評価委員会」より、「報告書」が提出され、出資比率25%以上の団体および局長指定の団体などの指定団体40団体のうち、2団体を除く38団体の外部評価の結果が示されました。
  報告書では、道路維持公社及び北海道青少年福祉協会の廃止、スポーツ振興事業団と健康づくり事業団の統合、芸術文化財団と彫刻美術館の統合、環境事業公社とリサイクル公社との統合、エネルギー供給公社と北海道熱供給公社との統合など、2団体の廃止、8団体を4団体に統合し、対象38指定団体を32団体に統合・廃止することになっています。
  存続とされた団体においても、縮小が求められており、今後再検討すべき団体として土地開発公社をはじめとして4団体があげられています。また、出資団体の常勤役員への派遣および再就職に関して16団体16人の派遣削減を求めるにとどまっています。

  質問の第1は、出資団体への税金の支出についてです。

  38指定団体への市からの補助金、交付金、委託料などの名目の税金の支出は、出資金を除いて522億7千万円余と莫大な額に上っています。
  「財政構造改革プラン」には133億円もの市民負担増計画が盛り込まれていますが、多くの市民は出資団体の天下り幹部に高い給料を出すのはムダな支出だと批判しています。
  そこで質問ですが、わが党は今年の予算特別委員会で、これら出資団体への財政支出の見直しがなぜ財政構造改革プランに位置づけられていないのかと指摘したところ、「事務事業の見直しの中で見込んでいる」との答弁がありましたが、出資団体に毎年500億円以上税金を投入していることが、財政構造上、問題だとはお考えにはならないのか、また、どの団体について、いつ、どの程度削減するのか、個別に明確にしてください。

  質問の第2は、天下りについてです。

  今回の外部評価によって、当面16人の削減が提案されましたが、市長の選挙公約は「第3セクターを改革するとともに、そこへの職員の慣習化、既得権化された天下りを禁止します」ということであります。市長は公約どおり「禁止」するのかどうか、どう具体的に取り組まれるのか、市民の前に明らかにしてください。

  質問の第3は、指定団体以外の出資団体の見直しについてです。

  今回の「報告書」は指定団体に限定され、出資比率が25%以下の団体など65の非指定団体については全く見直しが行われていません。
  長野県の「外郭団体見直し」では、見直しの対象を、「原則として県が出資・出えんしている団体」とした上で、「25%未満の団体のうち民間放送局など民間が設立主体のもの」を対象外にする一方で、「未出資団体であっても、職員の派遣、反復・継続的な財政支援など県行政と密接な関係を有する団体は対象に含める」としています。
  また、「札幌市職員の再就職に関する取り扱い要領」では、「本市を定年、勧奨または任期満了等により退職し、指定団体以外の本市の出資する団体等に再就職するものについては、出資団体への再就職に関するこの要領の趣旨を尊重するものとする」と規定しています。
  そこで質問ですが、長野県のように、非指定団体や未出資団体についても、本市と密接な関係を有する団体についても見直し対象とすべきと考えますがいかがか、うかがいます。あわせて、これらの団体への本市職員の天下りについても、市長の公約どおり禁止に踏み込むべきと考えますがいかがかうかがいます。

 4 ゴミ問題について

  次に、ゴミ問題について質問します。

  財政の厳しい状況にありながら、駅前通の地下通路や創成川通アンダーパスの連続化など巨額の事業を進める一方で、財政構造改革プランに平年度べースで56億円もの市民負担になるゴミ有料化を位置づけ市民に押し付けようとしていることに、市民は強い怒りをもっています。自治体の財政上も、限られた資源を有効に活用するうえでも、大量生産・大量廃棄型の社会から脱することが緊急に求められており、ゴミ問題を根本から解決するために、これからの本市の取り組みは極めて重要です。
  わが党は、ごみ問題解決のためには拡大生産者責任を実現することが不可欠であり、家庭ごみの有料化は減量に効果がないうえに拡大生産者責任と矛盾すること、他に取り組むべき課題が山積していることを繰り返し取り上げてきました。
  5月19日、廃棄物減量等推進審議会の家庭ごみ有料化検討部会が始まりましたので、あらためて、有料化に反対する立場から、以下3点の質間をします。

  質問の第1は、有料化検討部会での議論と市が示したデータに関してです。

  私はこの部会を傍聴しましたが、部会の開始早々、ある委員が、有料化の是非も含めて検討すべきであり、「家庭ごみ有料化検討部会」という名称は有料化を前提にしているようで適切でないという趣旨の発言をしています。別の委員も、有料化というタイトルがついて限定されて議論することについて意見を述べています。また、部会長は「この先かなり難航が予想されます」と述べています。
  こういった議論は、いま、ごみ処理費用の負担のあり方が問われており、有料化で市民に負担を求めるのではなく、拡大生産者責任の実現によって、生産者に処理費用を求めることこそ、ごみ問題解決の道だという考え方が広がつてきていることを反映したものだと思われます。
  市として、審議会と部会に対して、有料化を前提とした議論を求めているのではないこと、ごみ処理費用の負担の仕方は税と有料化による市民負担だけでなく、生産者責任があることを示し、自由な議論を保障することをあらためて示すべきと思いますが、いかがか、うかがいます。
  また、有料化した市町村のごみ量の推移を資料として配布していますが、それらの市町村では有料化以外にも様々な取り組みを行なっています。ところが、有料化以外の施策を示さないことは、減量している場合にはすべて有料化によるものだという誤解を与えるもので不適切な資料と言わざるを得ません。
  一例をあげて申し上げますが、東京三多摩地域の青梅、日野、清瀬の3市は、1998年から2001年にかけていっせいに有料化しました。有料化1年後の可燃ごみの量ですが、青梅市と日野市はそれぞれ39%、48%減量しましたが、清瀬市は16%しか減りませんでした。同時期に同じ地域の市が有料化に踏み切り、減量の度合いに差が生じたのは、有料化以外の施策によるものでした。青梅市と日野市は、ダストボックス方式で24時間ごみを出せる仕組みであつたものを、有料化と同時に戸別収集方式に変えたのです。一方、あまり減らなかった清瀬市は、有料化前からステーション収集方式で分別・資源化が進んでいました。減量に有効なのは、有料化よりも、分別や収集方法の違いによるものと考えられます。有料化した市町村の例では、有料化と同時に分別を増やし、リサイクルにまわるものが増えた、あるいは収集方法を変更したためごみが減ったというところが多いのです。
  他の市町村のごみ量の推移を示す場合には、有料化している・いないに限らず、どういう取り組みを行ない量がどう推移したのかという、ごみに関わる施策全体を示すことが科学的なデータであり、市民に示すべきものと思うのですが、いかがか、うかがいます。

  質問の第2は、分別の細分化についてです。

  名古屋市のごみ減量の取り組みは、全国的にも非常に注目されております。それは、有料化せずに、大幅な減量に成功しているからです。分別を細分化しリサイクルに努力していること、市民の中でごみ問題を大いに議論しゴミを減らそうという市民意識の醸成に市として大きな力を注いでいることが特徴となっています。
  本市の取り組みは、名古屋市に遠く及ばない現状にあると思うのですが、名古屋市のごみ減量をどう評価し、その取り組みに何かを学んでいるのか、お示しください。名古屋市のような努力もせずに、有料化を検討することは、市民の理解が得られないと思うのですが、いかがか、うかがいます。
  また、政令指定都市中5市で小型金属の分別収集を行い、7市で紙製容器・紙パック等の分別を実施しています。そのほかに、水銀体温計、スプレー缶、カセット式ガスボンベ、廃・食用油などの分別を行なっている都市もあり、これらに手をつけていない本市の分別・リサイクルは遅れた到達点だと言わざるを得ないのですが、市長はどのように自己評価をされているのか、うかがいます。
  有料化は、不法投棄の監視や取り締まりを強化するなど、市民への不信と監視を強めていくことになり、本市のめざす社会のあり方にも矛盾するものです。一方、分別の努力を強めることは、市民がごみの減量や資源循環型社会に向けて考え、家庭での分別を細分化するところから行動を起こしていくことになるものです。市長が、市民を信頼し、市民とともにごみ減量の努力をしていこうとするなら、有料化ではなく、分別をさらに進める道を市民とともに歩むべきだと思うのですが、市長は、紙製容器や金属など、分別の細分化を行なう考えがあるのか、明らかにしてください。
  また、家庭系の生ごみリサイクルの取り組みについてですが、生ごみは家庭ごみの29%を占めており、このリサイクルを進めることが家庭ごみ全体の減量を進めるうえで非常に重要になります。ところが、本市の取り組みは、生ごみ堆肥化の実験モデル事業、戸建て住宅モデル事業、地域循環モデル支援事業の3つのモデル事業で合計241世帯という規模でしかなく、予算は490万円という少なさです。いくらモデル事業といっても、あまりにも規模が小さく、やる気がないとしか思われないものです。有料化を検討する前に、これこそ本腰を入れて取り組むべきですが、今後、どう取り組みの強化を図るおつもりか、お示しください。

  質問の第3は、地方自治法とごみ有料化の関係についてです。

  地方自治法第227条は「普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定のもののためにするものにつき、手数料を徴収することができる」としております。その解釈として、国は1949年の行政実例で、「特定の者のためにする事務とは、一個人の要求に基づき主としてその者の利益のためにする事務」とし、具体的には「身分証明、印鑑証明、公簿閲覧等」を示しています。
  第1回定例会予算特別委員会でわが党議員が、「家庭ごみ有料化は地方自治法227条に照らして問題があるのではないか」と質問したところ、市長が1966年の金沢地裁判決があると答弁しましたので、この判決に関して質問します。
  この裁判は、金沢市が家庭ごみの有料化を行ったことに対して、市民が市を相手取って地方自治法違反だとして訴えたものですが、地裁は、当時の有料化の仕方は自治法違反にはならないとして、原告が敗訴しました。
  当時の金沢市の有料化は、全市民を対象にしたものではなく、市域の8割程度の地域に限定したもので、対象地域では、指定有料ゴミ袋ではなく、世帯の人数による定額制になっており、ごみ収集を希望する世帯が市に料金を振り込むことによって申し込みを行なっていました。対象地域内でも、ごみ収集を希望しない世帯は料金振込みをしないことも認められ、その場合は市の職員が出向いて自家処理が行なわれていることを確認するという手続きが行なわれており、その数は800世帯にもなっていたそうです。
  当時の金沢市の有料化は、特定の世帯が有料収集を申し込んだことが明らかであるために地方自治法に抵触していないと理解すべきだと思うのですが、この点についての市長のお考えをお示しください。金沢地裁判決を持ち出したのは市長ですから、ぜひ、明快に答弁してください。

 5 障がい者自立支援法案について

  次に、今国会で審議されている「障害者自立支援法案」について質問します。

  現在審議中の法案ですが、すでに2月17目には「全国主管担当課長会議」が開かれて厚生労働省による説明がなされるなど、準備が着々と進められています。その内容は、第1に障がい者福祉サービスの一元化、第2に障がい者がもっと働ける社会、第3に地域の限られた社会資源を活用する「規制緩和」、第4に公平なサービス利用のための「手続きや基準の透明化・明確化」、第5に増大する福祉サービス等の費用を負担し支えあうしくみの強化、と大きく5つの柱立てをしています。
  とりわけ、これまで育成医療・更生医療など、障がい者の自立を支援する支えとなっていた治療のための患者負担を軽くしている「公費負担医療制度」にまで自己負担を増やしていこうとする方向が示されていることは、大きな問題です。低所得者に対する「月額限度額」を設けるなど若干の対策はあるものの、障害年金2級の月額約6万6000円で福祉サービスが1万5000円、障害年金1級の月額約8万3000円で2万4600円という非常に高い上限であり、1割の応益負担の導入によって障がい者の負担が増えること、障がいの重い人ほど負担が重くなることは問題です。
  国がモデルとして示した例でも、「在宅でホームヘルプを利用する障がい児・者」の場合、身体障がい者で平均負担率1・1%だったものが5・9%へと5倍以上に、知的障がい者で0・8%だったものが8・7%へと約11倍になるなど負担率は大きく増えることになります。
  「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会」の調べでは、知的障がいをもつ37歳で、障害基礎年金2級、在宅で施設利用する場合、現行制度では7万5900円の負担ですが、「応益負担」が導入されれば11万9700円になる、と試算をしています。
  一人暮らしの30歳の心臓病患者の場合、心臓手術で20日間入院すると、所得税が年額4800円以下では、今回実施されようとしている食費の負担も合わせると、現行の2300円から11万5500円へと50・2倍もの負担増となることも明らかになっています。
  障害年金受給者の9割の人が障害基礎年金しか受けとっておらず、その平均月額は7万6300円で、障害1級でも月額平均8万2800円です。生活保護水準を下回る障害基礎年金であるため、支出が収入を上回る事態が十分想定され、不安の声が上がるのは当然です。
  「自立支援」といいながら、実際には介護保険など他の社会保障制度との整合性を図るためとして急遽提出された法案であり、「自立」とはほど遠い、「自立できない」内容となっています。
  障がい者への支援費制度が導入されてまだ2年目で、この制度が障がい者のみなさんにようやく知られてきたという段階で、もうすでに「支援費制度ではサービス費用が増大し、地域格差もある」ことなどを理由に、今国会で成立させようという動きは、障がい者やその家族、福祉関係者の声を踏みにじるものであるといわざるを得ません。
  障がい者への所得保障や就労保障について、障がい者を持つ家族の方々は「障がいがあっても自立させたい。親が先立っても心配のないような充実した制度を作ってほしい」と切実に願っていますが、憲法第25条で保障している「健康で文化的な最低限の生活」が、この「障害者自立支援法」のもとで実現できるとは到底考えられません。

  そこでうかがいますが、障害者自立支援法案について、市長はいかがお考えか。障がい者の生活と人権を十分保障する法律となり得るとお考えになっているのか、お聞かせください。
  また、こうした負担増となる応益負担をやめるよう国に申し入れ、障がい者および関係者が法改定への強い不安をもっていることを国に伝え、さらに自治体に対して国からの十分な財政的保障を行うことなど、障がい者や家族に、これ以上の負担をかけず、安心して生活を送れるよう求めるべきだと考えますがいかがか、うかがいます。
  現段階での法案によると障がい施策の実施主体が市町村に一元化されることに伴い、2006年度末までに3年ごとの「障害福祉計画」を作成することが本市にも義務付けられることになります。本市は実施主体として、障がいをもった方が安心して暮らせるように、障がい者とその家族、施設関係者の声をよく聞き、生活や施設利用の実態を十分に把握し「障害福祉計画」に反映すべきだと考えますが、いかがか、また、具体的取り組みとスケジュールを含めて、うかがいます。

 6 区民センター等の使用料減免の見直し問題について

  次に、区民センター等の使用料減免の見直し問題についてです。

  第1回定例市議会において町内会や老人クラブなどの区民センターや地区センター等の使用料減免制度を、今年の10月からは減免率を2分の1にして、2006年4月には完全に廃止していく予算が、わが党以外の賛成多数で議決されました。
  わが党議員は、地域のまちづくりに長年貢献してきている団体の支援策として続けられてきた減免制度を関係団体に何の説明もなく機械的に見直し廃止することは問題であり、現場窓口で混乱を生じさせると指摘し、中止をもとめました。
  4月以降、何も知らされていない町内会や老人クラブ、障がい者団体等から、年間の行事や予算は既に決まっているのにどうすればいいのか、活動ができなくなると、こぞって怒りの声を上げ区長、職員は対応に苦慮しております。

  そこでうかがいますが、この様に市民の理解が得られていない現状を市長はどの様に認識されているのか、お示しください。一方的に進めようとしたやり方について、関係団体に陳謝し、白紙に戻すべきと思いますが、いかがか、市長は、このまま強行突破するおつもりですか、明らかにしてください。

  これまで本市では、地域住民コミュニティ活動を推進し、及び生涯学習の普及、振興を図り地域住民の福祉の増進に寄与するため区民センターを設置し、これを補完し住民の自主的な活動を地区センターコミュニティセンターを設置してきました。
  現在、減免を受けている団体は、町内会、老人クラブ、地域子ども会などの住民組織や、社会福祉協議会や青少年育成委員会、保護司会、聴力障がい者団体、手をつなぐ育成会など本市に事務局をおく福祉関係団体、手話の会をはじめとしたボランティア団体などです。これらの団体は本市の福祉行政を補完し、地域振興に協力してきた団体であり、こういう団体の活動を側面から支えることこそ、本市に求められている役割ではないでしょうか。一方的な減免見直しは、団体の活動の制約になるばかりでなく、本市との信頼関係を阻害するものとはお考えにならないのか。財政構造改革プランの見直し項目に挙げられると、それが既定の方針であるかのように押し進められていき、市民不在で強行しようというのが、今回の減免見直しです。

  区民センター等の設置目的にてらしても、各団体が果たしてきた役割からも、減免の廃止を撤回すべきと考えますがいかがか、うかがいます。

 7 市営住宅の家賃と駐車場料金の見直しについて

  次に市営住宅の家賃と駐車場料金の見直しについて質問します。

  財政構造改革プランには、市営住宅の家賃と減免の見直しで1億5000万円、駐車場料金の見直しで1億5000万円の合計3億円の負担増が盛り込まれていますが、市長は3月29日に住宅対策協議会に諮問し、現在、審議を行なっているところです。
  また、国土交通省からは、「公営住宅法施行令の一部を改正する政令等の取り扱いについて」の通達が出されました。その内容は、「利便性が高い商業地域等に立地する公営住宅や設備水準の高い公営住宅があり、その立地等による便益を適切に家賃に反映する」として利便係数を上げて値上げすることを自治体の裁量とするものです。本市においては商業地域で利便性が高いとして対象となる市営住宅は光星団地と幌北団地、真駒内団地の3団地です。
  ところが、市長の諮問では、「現在の市営住宅の供給状況と、住宅に困窮する低所得者でありながら入居できない多くの市民が存在することを勘案すると、改めて、市営住宅を使用することによる受益とその負担のあり方について検討が求められる」と、本市が市営住宅をまともに建設しないうえに、建て替えのたびに戸数を削減して、多くの市民が入居できない状況を作っておきながら、市営住宅が不足していることを理由にして、商業地域に限らず、すべての市営住宅で値上げしようとすることは容認できません。市長は、市営住宅が不足している責任について、どう考えているのか、明らかにしてください。また、ある入居者は「月7万円の年金で、生活保護を受けずになんとか頑張ってきたが、家賃が上がってしまうなら生活保護を受けなくてはやっていけなくなる」と語っています。不況の中でますます市民の暮らしが深刻になっており、値上げは、入居者の理解や納得を得られないと考えますがいかがかうかがいます。
  2002年には市営住宅の家賃減免制度が、多くの市民や入居者の反対の声を押し切って改悪されました。5214世帯であった全額免除世帯が588世帯と激減し、家賃を払わなければならなくなった世帯は、家賃分を捻出するために、「介護保険のサービスを週に2回受けていたのを減らし、食費も切り詰めている」、「家賃を払うために、ガス暖房費が払えず、冬も暖房なしで生活している」など、大変厳しい生活を強いられています。憲法第25条で保障されている生存権が脅かされている入居者がつくりだされているという実態を市長はどう認識しておられるのか、憲法第25条の生存権を保障するために制定されたのが生活保護法と公営住宅法ですが、市長は憲法の精神をどう受け止め、市政に反映しようとしているのか、ご見解をうかがいます。

  次に市営住宅の駐車場料金の見直しについてですが、1977年までは無料でしたが、78年に2300円、84年に3000円、97年に3090円に値上げをしてきました。住宅管理公社の設立と駐車場の有料化が提案されたとき、多くの入居者や市役所の職員組合などによって反対運動が広がり議会でも、議案が継続審議になるという経過がありました。財政構造改革プランの1億5000万円の負担増は、1台当たり年間1万円を超える値上げになるもので、家賃値上げ、減免制度見直しに加え駐車場料金の値上げは、入居者の暮らしを圧迫するものであり、これ以上の負担を強いるべきではないと考えますがいかがか、さらに駐車場は公営住宅法の第2条第9号で共同施設に位置づけられており、今後は駐車場料金について条例化しなければならないと考えますが、どのように対処されるのかうかがいます。

 8 保育の問題について

  次に、保育の問題について質問します。

  質問の第1は、保育料値上げの問題についてです。

  財政構造改革プランでは、来年4月から1億2600万円も保育料の値上げをしようと計画しています。
  本市では、保育料の値上げを1998年まで22年間連続で行ってきました。しかし、その間、保護者や保育関係者が値上げ中止を求めて、対市交渉を繰り返し行なうとともに街頭に立って署名運動を行い、毎年7万筆にもおよぶ署名を添えた議会陳情が提出されてきました。このねばり強い運動が、ついに本市保育行政を動かし、保育料の値上げが7年間ストップし、今日に至っております。
  また、1998年、地方社会福祉審議会は、「児童福祉法改正に伴う本市の保育所保育料のあり方について」の意見具申のなかで、本市の合計特殊出生率が当時1・12に下がったことを問題とし、「保育料の軽減率については、札幌市の財政状況が厳しいことは理解できるが、少子化対策の一環として、この際引き下げは行わず、当分の間、現行水準を維持することを期待する。また、『子どもを産み育てることに夢を持てる社会』の実現のためには、さらなる軽減も検討する必要があると思われる」としました。また、「3子目以降を無料にすべき」との意見があることを述べ、「保育所入所児童処遇の向上のため、基準単価等の引き上げ」を国に求めるべきとしました。
  現在、本市の合計特殊出生率は1・02へと意見具申当時よりさらに落ち込み、3子目以降の無料化も実施されず、著しい超過入所により入所児童の処遇は悪化しており、地方社会福祉審議会が求めた「子どもを生み育てることに夢をもてる社会」には、程遠いと言わざるを得ない現状です。

  市長は、98年の意見具申をどう受け止めておられるのか、また、意見具申を尊重するならば、当時と比較して、さらに少子化が進行し、加えて若年世帯の所得が大きく低下しているなかで、保育料を引き上げる条件はどこにもないと思うのですが、いかがか。また、「札幌市の少子化に関する調査」では、経済的負担感が53・7%と子育てにより生じる問題・デメリットのトップになっていますが、保育料値上げによる経済的負担を強化することによって、少子化に拍車をかけることになるとはお考えにならないのか、うかがいます。保育の現状がどうなっていようと、本市の財政が厳しいから、保育料を上げようということではないのですか、市民の前に明らかにしてください。

  質問の第2は、公立保育所の民営化についてです。

  子育て支援センターを設置するために、市立平岸保育園および平岸乳児保育園を民間に委譲する計画が保護者に示され、わが党は代表質問や委員会で繰り返しこの問題を取り上げてきました。その後、5月に保護者を対象にした説明会が3日間に分けて行われていますが、保護者は民営化されることへの不安が払拭されていない状況だと聞いています。当事者の納得と理解が得られていないと考えますが、市長は、根強い保護者の反対を押し切ってでも民間移譲をするのですか、うかがいます。東区でも子育て支援センターの計画がありますが、さらに公立保育所を民間移譲すべきでないと考えますがいかがかうかがいます。

  以上で、私の質問のすべてを終わります。

  ご清聴ありがとうございます。

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