利用者の願いに応え、安全を最優先する市営交通めざして改善をせまる

05(平成17)年第二部予算特別委員会−03月23日

小形香織 委員

 私は、大きく3点について伺いたいと思っています。
 一つ目が市電について。二つ目が乗車人員をふやす対策について。三つ目が交通局の人員削減に伴う乗客安全確保策について。大きくこの三つについて伺いたいと思います。
 まず初めに、市電について質問をいたします。
 市電の存続という方向は決まりましたけれども、経営形態や車両の更新、延伸、ループ化などは総合交通対策の中でこれから具体的に検討していくという段階になっています。私は、市電は市営交通として残していくべきだというふうに考えていますけれども、企画調整局の総合交通計画部などを含め市全体で検討していこうという状況の中で、今は交通局が市電について責任を持っている段階です。
 1927年に、札幌電気軌道株式会社から市電を譲り受けて78年目を迎えるわけですね。そして、1973年には市電の全廃を含む再建計画が出される中で、中央区に住む住民の方々の運動など、市電を守る連絡会などが結成されて大きな市民運動がつくられて、そしてようやく今の一つの路線だけが残された、こういう経緯もあります。
 こうした市民の熱い思いと歴史を重く受けとめて、現在、市電に責任を持つ交通局として、残された課題についてどのように受けとめているのか、これについて伺いたいと思います。
 大きな質問の二つ目です。
 次は、増収対策などとして空きスペースの広告や店舗利用、ドニチカキップなどの企画切符が進められており、私は、これはこれで大事なことだと考えますが、乗車人員をふやす、このことが基本的な政策として大変大事だというふうに考えています。現在、地下鉄を定期券で利用している人が約2割、8割の人がウィズユーカードなどの定期券以外の切符を利用して乗車しているという比率になっています。JRと比べて地下鉄の定期券の割引率が低い、ウィズユーカードになってから地下鉄の定期券利用が大幅に減ったなどの実態があります。実際に、JRと競合する路線、例えば、さっぽろ−琴似間、さっぽろ−麻生間、さっぽろ−新さっぽろ間など、いずれも地下鉄利用が落ち込んでいます。明らかに定期券割引率の違いから生じているものというふうに思います。また、パークアンドライドなども少しずつ進んできてはいますけれども、これが時間ごとに利用できる割合をもっとふやすなど、市民ニーズをよくつかんで、より利用しやすい地下鉄に誘導していく仕組みづくりが求められているというふうに思います。
 こうした実態を含めて、乗車人員をいかにふやすのか、どのような対策を講じようとお考えか、伺いたいと思います。
 また、利用者のニーズがどこにあるのか、こういう観点で利用者の方々の意向をつかむアンケート調査など、これまで実施されておられるのかどうか。こういうものを実施する必要があるのではないかというふうに考えますがいかがか、お尋ねしたいと思います。
 大きな三つ目です。
 人員削減に伴う乗客の安全確保についてです。
 今、バリアフリー化が進んで、地下鉄でも地上からコンコース、コンコースからホームまでと、エレベーターの設置が急速に進んでいます。基本的にはあと3駅を残すのみとエレベーター設置そのものは進んでいるんですが、ホームから地下鉄に乗るところ、ここがなかなか進んでいないように感じています。現在、車いすを利用されている方々がどのくらいいるのか、こういうことについて伺いたいんですけれども、実際は、車いすを利用される方が駅の職員の方にあらかじめ連絡をしておくと。そして、その連絡を受けた職員が乗降する場所に待機をして、板を実際にそこに敷いて、そして車いすの方をサポートしているというふうにお聞きをしておりますけれども、現在、車いす利用の方々の利用実態や件数は多いときでどのぐらいなのか。年間で大体どのくらいになるのかということについてお示しいただきたいと思います。
 また、車いすの方が気軽に乗車できるように、ホームと地下鉄の幅や段差解消のための機械などを設置するということをご検討されているのかどうか、この点も伺いたいと思います。

下村 事業管理部長

 まず、最初の交通局として残された課題などについて、どのように受けとめているのかということでございますけれども、路面電車につきましては、交通事業経営改革会議において、路面電車を存続させるとともに、今後の都心の街づくりの中での活用方策を検討することを結論づけたところでございます。交通局といたしましては、その結論に沿った形で存続に向けて課題となっている事柄について、全力でこれに取り組んでいきたいと考えております。
 路面電車事業は非常に厳しい収支状況にはありますけれども、現在、事業を担っている交通局の責務といたしまして、少なくとも活用方策が整理されるまでは不良債務を生じさせることがないよう、経費の縮減努力や増収対策努力といったことに努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、乗車人員をふやすための対策についてでございますけれども、地下鉄事業10か年経営計画におきましても、乗車人員をふやすことは重点的に取り組まなければならない課題として位置づけております。
 計画に盛り込んだ具体的な取り組み事例を申し上げますと、例えば、快適で利用しやすい地下鉄を目指すという観点から、すべての駅に設置している駅付近案内図のより一層の充実、利便性の高いICカードの導入の検討、さらには、駅構内の有効活用として、お客様にとって魅力ある駅利便施設を設置していくなどを掲げてございます。
 また、新たな需要の開拓といった観点からは、JR北海道とのタイアップによる外国人旅行者向けの札幌・小樽ウエルカムパスの発売、旅行会社とのタイアップとして、旅行会社が発行するクーポン券と1DAYカードとの引きかえなど、さまざまな取り組みについて計画をしてございます。
 今後とも、乗車人員の増加につながる総合的、かつ効果的な施策を実施してまいりたいというふうに考えてございます。
 2点目のこれまでの利用者ニーズをどう把握しているのかということでございますけれども、交通局独自の取り組みといたしましては、平成13年度までは市営交通モニター制度の実施、14年度には地下鉄駅を初め路面電車の電停、バスターミナルなどで、お客様1,000人に対してアンケート用紙を配布し、郵送で回答していただくという市営交通ご利用調査を行っており、7割を超える回答をいただいてまいりました。また、ふだん公共交通を利用されない市民の方も含めまして、広く市民ニーズを把握するという観点から、市の広報で実施しております1万人市民アンケートや市政世論調査を通じましてアンケート調査を行っているところでございます。
 また、身近なところといたしましては、地下鉄各駅にご意見箱を設置して、お客様のご意見ですとかご要望をお寄せいただいておりますけれども、14年度からは交通局ホームページにお客様の声を聞く専用のサイトも開設するなどして、市民ニーズの把握に努めておりますし、寄せられたご意見につきましては、一件一件精査し、実現可能なものについてはできるだけ速やかに実施しているところでございます。
 今後のニーズの把握方法でございますけれども、現在あるご意見箱をもっと使いやすいものに工夫すると。それから、市全体の中でも、最もアクセス頻度が高い交通局ホームページをさらに充実させ、利用客の方々とのきめ細やかなコミュニケーションが図られるよう工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、お客様のニーズを重要なものとして的確にとらえ、できるだけ迅速にサービスに反映していきたいというふうに考えてございます。

千葉 高速電車部長

 まず、車いすの対応件数でございます。
 平成16年4月から先月2月までの11カ月間の累計でございますが、3線合計で2万2,000件以上の取り扱いとなっておりまして、多い月では2,500件を超えてございます。このうち大通駅での対応件数が最も多く、一般的な駅で1日当たり数件程度であるのに対しまして、大通駅では20件を超えているという状況になってございます。
 次に、人的な対応以外の機械化による対応でございますが、現時点では現行の駅職員による人的な対応が適当であると考えております。機械化につきましては、構造上や費用面での課題が多い状況であると認識しております。

小形香織 委員

 最初に、乗車人員をふやす対策の件で再質問させていただきます。
 今、モニター制度だとか1,000人にアンケート用紙を配ってのご利用調査、それからホームページのサイトの充実などのご答弁がありましたけれども、これらを実施した中で、実際にこんなところに市民のニーズがあって、こうすれば乗車人員がふやせるんだというようなところを、しっかり把握できたような調査であったかどうかということをちょっと伺いたいのです。例えば、先ほど定期券の割引率の話をしましたけれども、定期券の割引率を引き上げれば増収につながっていくのか。それから、乗り継ぎの割引を引き上げれば増収につながるのか。そうしたことについて、具体的にどのような増収につながるのかという方策を検討することにつながるような調査であったのかどうかということを再質問したいと思うのですけれども、その点、お願いしたいと思います。
 それから、人員削減の関係で、今、車いす利用の方の実態をお聞きしました。大体一月最高2,500件、1年で2万2,000件ぐらいあるという実態だというふうなご答弁でした。地下鉄事業の10か年経営計画では、今年度新さっぽろ管区の駅業務を委託して74人減らしている。委託された交通事業振興公社の方では、新規に雇う人数が39人です。来年度は大通管区の駅業務を委託して、ここで85名人員削減し、公社の方の新規採用は77名、こういう形で年々交通局の人を減らしていくと。ワンマン運転化なども含めて10年間で497名減らす計画です。委託を受ける振興公社の人員は、同じ人員数をふやすというわけではなくて、公社に委託されるたびに人員が減らされて、駅業務にかかわる人が減っていくという仕組みになっているわけです。先ほどの車いすの方々への対応については、新たに何か機械を取りつけるということをするのではなくて、今までどおり、とりわけ車いすの方々の利用が多い大通駅のようなところも、人的な対応でサービスをしていきますということなんですが、実際にそういうふうにできるのかどうか、私は大変疑問に思うんですが、いかがか伺いたいと思います。

下村 事業管理部長

 これまでいろいろ、アンケート、その他、要望等を聞いてくる中で、実際、具体的な効果につながるような調査であったのかと、また、もう少し言葉を進めれば、そういったアンケートをもとにどれだけの効果を上げることができたかというようなお話だと思うんですが、今ここで、具体的にこういったことがございましたと端的に申し上げることはできませんけれども、例えば、現在、地下鉄乗車人員の5割近くの方が使っているウィズユーカードは、もともとは市民アンケート調査で、地下鉄の回数券を何とか発行できないかという要望が非常に多くあったと。多くの他都市では、ばら券という券を10枚の金額で11枚発行して、区間別でそれぞれ買って袋に入れて利用していただいたというような実態がありましたが、当時の時代の流れからいきまして、これをもっと便利なカードにしていこうという要望も受けて、また、中には、もっと便利な新たな媒体でそういう回数券のような割引が受けられるようにしてほしいというようなさまざまな意見があって、このウィズユーカードが実現したと。これは当時、私も担当しておりましたので、具体的にそういう記憶がございます。  それから、現在非常に多くの利用をいただいておりますドニチカキップについても土・日についてはもっと便利に安く使えるキップを出した方がいいんじゃないかと。土・日の利用人員は平日の利用人員より非常に少ない、そういったことで企画割引を実施すれば多くの人が乗るんではないかということで、現在、このドニチカキップに踏み切っている。私どもとしては、結構成功をおさめているんではないかというような事例がございます。

千葉 高速電車部長

 人員減によるサービス低下についてでございます。
 財団委託後におきましても、特に、対応件数の多い大通駅では、きめ細かな対応が重要と考えているところでございまして、通常の駅職員のほかに、車いす対応のための要員を配置して、利用者にご不便をかけないように努めているところでございます。
 それから、財団に委託した場合に人員削減をしていると、それで乗客に本当に影響がないのかというご質問でございましたけれども、財団法人札幌市交通事業振興公社の体制につきましては、現在、駅の業務実態に応じた勤務体制の効率化を図り、職員を再配置することで、結果として財団全体での人員削減が可能となっているものでございまして、これによって駅業務そのもののサービスの低下につながるものではないと考えているところでございます。
 車いす対応など、人的対応が必要な業務につきましても、必要となる人員を確保しており、今後とも維持してまいりたいというふうに考えてございます。

小形香織 委員

 交通局の行動宣言の中では、安全で安心な運行をお約束しますというふうに書いてありますけれども、過日の経済公営企業委員会などでは、黒田交通事業管理者からのご答弁で、変形労働時間制といった意味で、24時間勤務体制と休みを組み合わせることによって、実質的な仕事の安全性の担保を確保しつつ、減った人数でも十分やっていけるというのが財団に委託する一番大きな要素だと、こういうふうに答弁をされているんですけれども、実際、結局はしわ寄せを受けるのはそこで働く人たちだというふうに思うわけです。変形労働というのは、本当に働く環境の悪化ですし、幾ら休みがあっても24時間の勤務ということはいかに大変なことか、これはちょっと想像すればわかることだというふうに思うんです。乗客への安心・安全というものは、働く職員の人々によって支えられているというふうに私は思います。
 先ほどご答弁されて、車いすの方々への対応はきちんと確保していくんだということをおっしゃっていましたけれども、やはりこれも人的な支えがあってこそ実現できることだというふうに思います。人員削減、そして財団に委託をし、そして変形労働でやりくりさせると、こういうことが本当に乗客に影響がないと言えるのか、私は大変疑問に思っております。そのことについて、ぜひそういう指摘があったということを重く受けとめていただきたいということを求めておきたいと思います。
 そして、もう1点、市民意向の調査実施の件ですけれども、ウィズユーカードにしてもドニチカキップにしても、市民の意向の中から実現されてきたものなのだというふうなお話がありましたけれども、私が一番に考えている問題として、最初にお話をしたのは、やはり空っぽで乗っても満員で乗っても電車を動かすという意味では同じ経費がかかるわけで、市電も地下鉄も、いかに人に乗っていただくかということが一番のポイントだというふうに思うということです。
 アンケートなどが行われているということは承知をしましたけれども、それがきちんと乗客をふやしていくことにつながるような意識調査になり、さらなる意向調査を深めていって、そしてそのニーズにこたえながら乗客をふやしていくという策を練るべきだということを求めまして、質問を終わらせていただきます。


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