私は、博物館建設構想推進事業費1,824万円の予算にかかわって質問いたします。
札幌市の博物館構想については、1994年に札幌市博物館基本構想委員会が設置され、1996年には基本構想が提言されました。その中身は、北、その自然と人を基本テーマとする自然系の総合博物館の建設を目指すというもので、博物館の建設については、一たん実施設計が計画に盛り込まれましたけれども先送りされ、現在のリンケージプラザに仮収蔵庫として、そしてその後、博物館活動センターとして現在に至っていると、このように認識をしております。
質問の1点目ですが、この博物館計画についてのこれまでの経過と、それがどのように推進されてきたのか、これを伺いたいと思います。
質問の2点目ですけれども、博物館活動センターで推進されている5大プロジェクトについてです。
その一つの藻岩、円山原始林の植生調査と資料収集などは、国立パリ自然博物館長のロジェ・エームさんが、この森林は世界におけるあり日の森林の最も代表的樹木の最後の一群落でありますと、こういうふうに学問的にも非常に価値の高いものであるというふうに評価の言葉を寄せられております。豊平川の総合研究についても、1億3,000万年前には北海道は何もない海だったというところから始まって、かなり地質学的な分野から深く研究されているというふうに感じています。
そこで、この5大プロジェクトについて、それぞれのテーマがどのようなことをやろうとしているのか。また、それによって現代に生きる私たちにどのようなことを明らかにする、あるいは示唆しようとしているのか、そのねらいについて伺いたいと思います。
1点目の本市の博物館計画のこれまでの経過と現状についてでございます。
これまでの経過の一部につきましては、委員からもお話をいただきましたが、平成13年1月に、札幌市博物館計画推進方針が策定されまして、同年11月には博物館活動センターを整備し、現在、ここを活動の拠点といたしまして資料収集、調査研究といった活動を展開しながら、市民ニーズの把握や事業成果の蓄積、充実を図っております。
また、地域に根差した市民とのパートナーシップによる博物館づくりを目指しておりまして、市民の方々に参加いただくさまざまな普及交流事業などを実施しております。
平成16年度におきましては、春、秋、冬の植物観察会を初めといたしまして、4回の体験学習会、6回の博物館講座、それから海外の自然系博物館や北海道の化石研究の100年をテーマにいたしました2回の講演会、6回の企画展示などを実施してきており、来年度も同様の規模の事業展開を進めるところでございます。
2点目の五つのプロジェクトについてでございますが、博物館計画推進方針は、活動の指針といたしまして、サッポロを知る、サッポロを結ぶ、サッポロから広げる、サッポロによせる、サッポロを楽しむという五つのキーワードを設定いたしまして、これに基づいて五つの事業を重点プロジェクトとして位置づけております。
一つ目は、藻岩、円山原生林の植生調査と資料収集というプロジェクトでございまして、調査結果につきましては報告書にまとめて公表することにしております。
二つ目は、札幌の自然モニター調査でございまして、これは関係機関や市民とともに、札幌の自然に関する情報を定期的、継続的に収集いたしまして、札幌の自然の現況や経年変化を探る市民参加の調査を展開するものでございます。
三つ目は、厚田産出ハクジラ化石の研究でございますが、化石種類につきましての分析を進めまして、国際的な学術交流を進めながら、展示や研究成果を発表するものでございます。
四つ目は、豊平川の総合調査でございますが、これにつきましては、学問領域や組織の枠を超えた総合的な研究によりまして、豊平川の変遷と札幌の生い立ち、それから人の暮らしとの関係などを多面的に解明いたしまして、その成果を公開、展示していくものでございます。
五つ目のプロジェクトは、科学奨励制度の創設でございますが、これは市民や専門家の研究活動を奨励、支援する制度を創設いたしまして、多様な研究活動を促進し、人材の発掘と育成に努めるものでございます。
次に、これらの調査研究の成果が、私たちに何を示唆するかということについてでございます。
申し上げるまでもございませんが、私たちが暮らしているこの街は、人の歴史だけではなくて、地球環境の変化といったような大きな歴史の上に成り立っているものでございます。また、さまざまな植物、動物を含む大きな自然界のサイクルの中にあるものでございます。
博物館活動センターの活動は、こういったものを改めて私たちに明らかにしてくれるんではないかと考えております。私たちが札幌の歴史や自然環境を深く認識することは、札幌のアイデンティティーや札幌独自の文化を確立することにつながるものであると考えておりますし、次代を担う子どもたちにとりましても、科学的思考を培い、夢や希望を育てることにつながっていくものと考えております。
今、ご答弁いただきました。
博物館計画についての経過、推進内容などについて、たくさん子どもたちや市民を対象にして、細かく体験学習や普及の交流事業というものに取り組んでいらっしゃるというご答弁だったと思います。中には参加者を抽せんで選ぶような人気のあるものもあるというふうに事前にお伺いをしておりますけれども、こうした市民と一緒に活動していく方向をより一層進めてほしいというふうに私も願っております。
再質問の1点目として、来年度の市民向けの活動の予定などがありましたら、お聞かせください。
再質問の2点目ですが、博物館そのものの建設についてです。先ほども述べましたけれども、一たん実施設計まで計画をされながら先送りをされてきたという経過があります。その間に、まずはソフト面での充実を目指そうということで、約8年間、実はもっと前から建設構想というのは持っていましたから、14年近く採集だとか研究活動、そして市民とともに連携を強めていくという方向を非常に丁寧に進めていっているのではないかというふうに思いますし、そういう点ではかなり多くの蓄積がこの間されてきているのではないかというふうに私は感じております。
現在では、リンケージプラザに置かれている収集物がほぼいっぱいであると。ためてある点数だけでも4万5,000点ぐらいあるというふうにお聞きをしております。私ども日本共産党は、以前から博物館の建設を進めるべきだという立場で繰り返し質問をさせていただいておりますけれども、そろそろ具体的な検討に入ってもいい時期になったのではないかというふうに感じています。ただ展示するだけの博物館ではなくて、市民と一緒に活動を進められる博物館、そういう点で一定の到達点に来ているのではないかなというふうに思います。
他の政令都市の博物館などを調べてみますと、圧倒的に歴史的な展示物というのが多いんですね。例えば、仙台であれば伊達家の資料であるとか、名古屋であれば尾張徳川家の資料であるとか、そんな感じのものが多いんですけれども、札幌市がこれまで蓄積してきたものというのは、太古の地質学的なところから視点を当てた博物館をつくろうというねらいにあるわけで、そういう点では他都市にも例が少なく、そして、自然との触れ合い、また、先ほどご答弁いただきましたような、我々に何を示唆するかというねらいなどに照らしましても、大変魅力のあるものだなというふうに思っております。
そこで、今後の博物館の構想につきまして、ハード面も含めまして、可能性があるのかどうか、そのあたりについてどのようなご検討がされているのか、何かお考えなどがありましたらお示しいただきたいと思います。
1点目の来年度の市民向けの事業についてでございますが、来年度の市民向けの普及交流事業につきましては、体験学習会、講座、企画展示、講演会などを実施する中で、より充実した展開を図る予定でございます。特に、札幌産カイギュウに係る総合調査を進めている中で、札幌の大地の形成に係る歴史を市民とともに考えることができるさまざまなメニューを展開する予定でございます。
また、来年度の第1回目の企画展は、生物のかたち展というのを予定しておりますが、これは単に生物学の学問的な情報を提供するだけじゃなくて、フォルム、すなわち形というだれもが関心を寄せる視点から生物を考えてもらおうとするもので、幅広い視点で自然を見詰め、考える、新しい展示を試みます。
現在、博物館活動センターで実施しております普及交流事業につきましては、他の施設との積極的な連携、それから地域を超えた交流や情報の共有化を図るネットワークの構築などによりまして、一層魅力あるものとしてまいりたいと考えております。
2点目に、今後の博物館構想についてでございます。
平成13年1月に策定いたしました博物館計画推進方針におきまして、整備の基本的な考え方として、市民とのパートナーシップを基本に、社会の変化やニーズに的確に対応しつつ、ソフト面、すなわち事業成果の蓄積に応じて成長、発展する博物館を整備していくこととしており、そのための情報収集や基本的な調査研究を継続し、本市の都市機能や街づくりといった視点からも検討を進めることとしております。
開館準備期の活動指針として策定されましたこの推進方針は、平成13年からおおむね10年間を想定期間としたものでございます。ということは平成23年ということでございます。景気の動向もございますが、私どもとしての思いは非常に熱い思いを持っておりまして、一日でも早く建設をしたい。博物館は文化のバロメーターと言われておりまして、札幌市はそういうものが非常に寂しいわけでございますので、そういうことで情熱を持ってこの事業に取り組んでいるところでございます。
今後の展開につきましては、財政状況を踏まえながら、引き続き博物館活動の充実、発展を図る中で、新築に限らず、さまざまな観点から建設構想の具体化を検討していきたいと、このように考えております。