児童養護施設の整備、児童福祉司のさらなる増員、民間学童保育所への支援策を求める

05(平成17)年第二部予算特別委員会−03月15日

小形香織 委員

 私は、学童保育所の問題と、それから児童虐待や児童福祉司について、大きく2点について質問をさせていただきます。
 まず最初に、児童虐待問題、児童福祉司のことについて質問いたします。
 私は、昨年の決算特別委員会でも児童福祉司の増員について取り上げました。早急にふやすべきだというふうに質問をしました。このたび児童福祉司を2名増員するということが決まり、現在の22名から来年度は24名にふえるということで、一歩前進したかなというふうに思っていますが、基準からいっても、それから児童相談所の実態からいっても、まだこの数字では足りないなというふうにも思っております。
 先日も、子どもが障がい者になれば手当がもらえるといったことが理由で、生後2カ月になるようなまだ小さな子どもさんを虐待するといった事件がニュースでも報道されていまして、こうした虐待のニュースというのは本当に絶えないと思っています。
 最初の質問ですけれども、先ほどの委員とのやりとりにもありまして、今年度の児童相談所での相談受理件数が4,631件だというふうにご答弁されたかと思いましたが、その中で、とりわけ虐待の部分についてお聞きしたいんです。虐待の通報については271件あったと、全体の中で昨年度より1.7倍もふえているんだというふうなご答弁がありましたが、その中で虐待だというふうに認定した件数がどのぐらいあるのか。現時点の数値としてお示しをいただきたいというふうに思います。
 次に、学童保育所のことについて質問をいたします。
 学校に通う児童たちにとっては、放課後をどのように楽しく安心して過ごすことができるか、これは社会の変化の中で大変重要な位置を占めているというふうに思います。異年齢集団で遊ぶ経験だとか、遊びを通して思いやりの心を育てたり、自分の内面を発見していくこと。とりわけ学校のカリキュラムが大変きつくなっている中で、学校の外で自分自身を解放していく場所というのが本当に大事だなというふうに思っています。
 そこで、その点での最初の質問ですけれども、今、札幌市には児童クラブ方式と学校施設方式児童育成会、そして民間施設方式児童育成会と、大きく三つの方式があります。それらの方式を問わず、札幌市として放課後留守家庭児童対策とはどのようなものであるか、どのようにあるべきだというふうにお考えか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
 また、その中で、今57カ所ある民間学童保育所についてお聞きしますが、これまでの本市の学童保育所の歴史に照らして、現在の民間学童保育所が果たしている役割についてどのように評価をしているのか、お聞かせください。
 それから、民間学童保育所というのは、国が学童保育所の制度を認めない中で、実践と運動によってつくられてきたという経緯があります。国が学童保育の制度を整備してから、札幌市でも空き教室を利用したり児童会館などの方式も生まれてきました。校区の中で児童会館方式のものしかないところ、あるいは民間学童保育所しかないところ、あるいはそれぞれ一つずつ両方あるところなどさまざまかと思いますけれども、現在の民間学童保育所はどのような課題を抱えているというふうに認識されておられるのか。また、それに対して札幌市としてどのような支援策をとっておられるのかをお聞かせください。

大沼 児童相談所担当部長

 1点目の今年度の虐待通報件数とその認定の件数でございますけれども、1月末現在で237件の通報がございまして、そのうち虐待と認定したものは30件でございます。前年度比の1.7倍という形になってございます。

奥岡 子ども育成部長

 放課後児童対策につきまして、私から答弁いたします。
 1点目でございます。札幌市の放課後児童健全育成事業、特に留守家庭児童対策はどのようにあるべきかということでございます。まず、児童クラブなどの留守家庭児童対策といいますと、保護者の就労などによりまして適切な保護や指導を受けられない児童が、豊かな放課後生活を送れる居場所づくりでございまして、児童の健全育成上重要な役目を果たすものと考えております。
 2点目の民間施設方式の役割について、どのように考えているのかというご質問でございます。民間施設方式の児童育成会は、児童クラブや学校施設方式のほかに、多様な市民ニーズにこたえるものといたしまして一定の役割を果たしていただいていると考えてございます。各育成会におかれましては、留守家庭児童の居場所や障がいのある児童の受け入れに関しまして、日ごろよりご尽力いただいているものであり、札幌市といたしましても、標準的な運営費の半額を助成するという形で支援をさせていただいているところでございます。
 3点目の民間施設方式が抱える課題に対する認識と、それから十分な助成をしているのかというご質問かと思います。
 まず、基本的な考え方といたしまして、いかに地域に受け入れられるか、そして、地域の子どもの居場所として、地域の方々から支えられるような育成会であることが最も肝要かと考えてございます。これは民間施設方式ばかりではなく、札幌市の児童会館においても言えることでありまして、各児童会館におきましても、ただいま申し上げましたように、地域に密着した地域の子どもたちのための児童会館であるよう日ごろより努力をしているところでございます。
 具体的な話といたしましては、民間施設方式における幾つかの児童育成会におきまして、登録児童が集まらない、または運営資金が不足しているなどの課題を抱えている育成会もあると伺っております。また、助成金の金額についてでございますけれども、学校施設方式の児童育成会を算出根拠といたしまして、その半額を助成基準としてございます。現時点では妥当なものと考えているところでございますけれども、国の動向などに十分な注意を払ってまいりたいと考えております。

小形香織 委員

 まず、児童相談所の方から再質問に入らせていただきます。
 237件の通報があって30件の認定があったということで1.7倍になっていますというご答弁だったと思います。これは2003年度の虐待通報が179件で、そのうち虐待の認定は25件という数値から、既にこの時点で超えている数値となっているということですから、児童相談所が扱うこうした種類のケースがますますふえているなというのが実感です。
 先ほど、児童虐待の通報を受けた場合には、まずスタッフがペアになって面会に行くということを基本としているというご答弁がありました。こうした外周りの仕事をされるという上に、これまで継続しているケースもたくさん抱えておられると。しかも、児童相談所と敵対関係になることが多くて、信頼関係を築くことが大変大事で、どうしても長期の期間を要してしまうんだというご答弁がありました。このような実態を見ますと、この次からは24名にふえるわけですが、現場の皆さんが大変ご苦労なさっているなというのが、本当に安易な想像としても、ぱっとこれは大変なケースだなというふうに思っているわけです。
 今、厚生労働省の方では、児童福祉司の配置基準を引き上げようとしています。これまで10万人から13万人に1人の配置であったものを、5万人から8万人に1人の配置へ、ここまで児童福祉司をふやそうではないかということで、児童福祉法施行令が4月1日から実施されるということです。  これは、全国で児童福祉司が大変不足しているという指摘がある中で、厚生労働省が基準を引き上げた、つまり厚生労働省自身が、児童福祉司が足りないということを認めたからこその動きだと思います。そして、札幌市は、交付税の積算基礎人員をもとにしますと、27名の配置をするべきところ22名しか配置されていないんだということが、昨年の決算特別委員会で多くの委員からも指摘があったというわけです。配置基準を満たすということは最低の要件であって、十分なものではないというふうに思います。実際、京都市や川崎市などでは、この基準よりも多く児童福祉司を配置しています。ですから、2名で終わることなく引き続き児童福祉司をふやして十分な体制がとれるように図るべきだと考えますけれども、その点いかがか、お考えをお聞かせください。
 2点目に入ります。学童保育所の再質問です。
 今、子どもたちをターゲットにした大変悪質で凶悪な事件が相次いでいます。親たちは子どもが無事に帰宅するかどうかを大変心配しています。とりわけ就労している家庭では、子供の学校が終わり自分の仕事が終わって家に帰って子どもの顔を見るまでの間というのが一番心配な時間だというふうに思うんです。帰宅するまでの間を安全に過ごし、そして遊びの場としても、子どもらしく成長できる場としても、そういう場所があるということを強く望んでいるんだというふうに思います。
 先ほどのご答弁の中で、民間学童保育所というのはいろいろ課題があって、その中には、児童が集まらない、資金がないという課題があることも認識されていると言っておられました。それに対して支援策というのは、学校方式の運営費の2分の1程度を出していますということなんですけれども、札幌市の運営助成費の基準を見ますと、児童数が10人から22人の民間学童保育所の場合は、指導員が1人というふうに考えて出している助成金額なんですよね。子どもが10人いて指導員が1人というのは実際にはあり得なくて、つまり、外で遊びたい子どもと中でごろごろ過ごしたい子どもと、やはりいろいろな子どもがいて、それぞれに対応するには最低でも2人はいないと子どもたちに十分対応できない。ですから、実際には、1人分の運営費を2人の職員で割っていくというふうな実態にあるんじゃないかなという点で、この支援策をもっと充実させるべきではないかというふうに考えています。
 今、国からの通達では、4年生以上についても対象の範囲として配慮するようにとある中で、それぞれ三つの方式をとっている学童保育の対象児童を3年生までではなく4年生まで広げるべきではないかというふうに考えていますけれども、その点の認識はどのように持っておられるのか、お示し願いたいと思います。

大沼 児童相談所担当部長

 1点目の児童福祉司の増員についてでございます。
 今後につきましても、事務事業の見直しや関係機関との連携強化を図りながら、相談状況に応じた人員の確保について、関係部局に働きかけてまいりたいというふうに考えております。

奥岡 子ども育成部長

 4年生以上の受け入れにつきまして、答弁いたします。
 4年生以上の受け入れにつきましては、一定の必要性があるものと認識しているところでございますけれども、まずは空白校区の解消に向けて全力を挙げて努力してまいりたいというふうに考えてございます。
 なお、参考でございますけれども、札幌市独自の施策といたしまして、年度途中において10人未満となった場合には、2カ月間の経過措置を設けるなど、子どもの居場所を守るための配慮をしているところでございます。

小形香織 委員

 まず、児童相談所の方です。状況に応じて働きかけを検討していきたいということです。ぜひ実情に合った配置をしていただきたいというふうに思います。今、札幌市の職員を全体で280名削減するというような条例改定が出ていますけれども、ただただ職員を削減すればいいというものではない。やはり、こういう児童相談所というのは、とりわけ少子化問題の解決にも十分資するものがありますし、子どもの権利条約や条例の推進などにもつながっていく大事な分野だというふうに考えていますので、充実を図るべきだというふうに思います。
 また、あわせて、虐待やその他の事情で養育困難な子どもたちを、一時預かりや児童養護施設の入所などで、実際その後養育をしていくわけなんですけれども、その施設の入所者数などを見せていただきますと、ここもほぼ満杯の状態が続いています。昨年11月24日の北海道新聞でも、児童養護施設満員で入所できず、こういうタイトルで記事が載っておりました。こうした児童養護施設の整備も緊急に求められているということも指摘し、そして児童福祉司のさらなる増員を求めておきたいというふうに思います。
 それから、学童保育所のことについてですけれども、一定の必要性はあると認識はしていますというご答弁でした。1999年9月に、札幌市の放課後児童健全育成事業のあり方についてという答申を札幌市地方社会福祉審議会が出していますね。それを見ますと、改正児童福祉法では、おおむね10歳未満と位置づけられていることを踏まえ、弟や妹などが児童クラブ等に在籍している留守家庭児童や障がいのある留守家庭児童など、特に必要と認められる場合には、4年生以上の受け入れについても検討する必要があるというふうに答申に書かれています。ここにも4年生以上の受け入れについて検討をというふうに明確に書かれていますし、先日開かれた厚生常任委員会でも陳情が出されていまして、民間学童保育所で10名の補助基準が満たせずに存続の危機に立たされているところがあるというふうに聞いています。とりあえず、こうしたところに緊急の救済策をとるべきじゃないかというふうに考えますが、その点いかがか、伺いたいと思います。
 それから、あわせて、重ねることになりますけれども、次世代育成支援対策推進行動計画、さっぽろ子ども未来プランですね、この基本目標2の中の基本施策4の4、ページで言うと50ページになるでしょうか、放課後における児童の健全な育成という個別事業の中で、民間方式の児童育成会には助成金を出すという旨が掲げられていて、助成施設は2004年度で57カ所、そして2009年度も57カ所というふうになっています。つまり、民間学童保育所は今後も数を変えないで助成をしていくんだよということがこの計画の中にうたわれているというふうに思いますが、今、目の前で補助基準の10名に満たないくて存続の危機だという学童保育所があるわけですし、札幌市学童保育連絡協議会が調べたところでは、既に3カ所は4月時点で10名に満たないんじゃないかということが明らかになっているということも伺っております。こうしたところにはこれまでの実績や親のニーズにこたえて、早急な救済策を打つべきだというふうに考えますがいかがか、重ねて伺います。

奥岡 子ども育成部長

 1点目、2点目、合わせて答弁いたしたいと思います。
 まず、児童がなかなか集まらないということで、10人の基準をクリアできない施設が多いというお話でございます。児童の数の問題につきましては、札幌市といたしましても、これまで広報さっぽろへの掲載ですとか、児童クラブ等3方式の一覧表を配布するとか、あるいは小学校長に対して民間施設方式のPR活動への協力依頼文の送付、こういったできる限りのご協力をさせていただいているところでございます。
 まず、委員おっしゃるように、年度当初あるいは年度途中もそうですけれども、子どもたちの居場所が確保されているかどうかというのは、子どもたちのみならず、保護者にとりましても大きな問題でございますので、年度当初に、特に10人以上という登録条件を満たすことができない場合にどのような方策が重要であるか、これについては引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。

小形香織 委員

 4年生以上の受け入れについては一定の必要性はありと。そして、年度当初に確保されることが大変大事であるということも、今ご答弁の中ではっきりとおっしゃられたなというふうに思っております。とりわけ民間学童保育所しかその校区にないけれども、ところがそれが年度当初に10人にならないのでつぶれそうだというところがあるわけですから、ぜひとも何らかの方策というのを早急に進めていただいて、民間学童保育所に対しての支援策を強めていただきたいということを強く求めまして、質問を終わります。


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