市立病院の清掃、院内保育所の業務委託に関し、必要な水準が確保されるべきと指摘

05(平成17)年第二部予算特別委員会−03月08日

小形香織 委員

 私は、市立札幌病院が委託している二つの事業について、大きく2点質問をさせていただきます。1点目が清掃の委託事業について、そして2点目が院内保育所についてです。
 最初に、清掃事業の委託についてです。
 病院内の清掃というのは、院内感染の防止など衛生管理がとりわけ求められる仕事だと思いますけれども、一般ビルの清掃と病院内の清掃とは同じレベルの仕事なのでしょうか。病院の清掃とは、本来どのようなレベルが求められるとお考えになっているのかお尋ねします。  また、病院内の清掃業者は一般競争入札によって決められます。病院内の清掃はこうあるべきだという仕事をしてくれる業者と一般競争入札で落札した業者が必ずしも一致しない、つまり落札した業者が病院内の清掃という業務に精通していない場合もあるかと思いますが、現状はどのようになっているのか、問題点や課題などがあればお聞かせください。
 次に、院内保育所についてです。
 今年度で3年間の委託契約が切れます。そして2005年度から2008年度まで保育業務を委託する業者が決まったと。そして、これまでとは違う業者になったというふうに聞いています。
 私は、昨年の決算特別委員会で、保育の質の向上や継続性が子どもたちにとって何よりも大事な環境であると、そういう視点から、業者が変更となる場合に、職員が全員入れかわってしまうことや保育の質を下げないということなどについて、何らかの対策を打つべきだというふうに質問をいたしました。
 高橋事務局次長は、業者変更に伴う弊害の解消や適正な雇用条件の確保など、保育水準を保つことができるよう契約内容や仕様書などについて検討していると、こう答弁されました。この保育水準を保つという部分は、今回の業者変更に当たってどのように反映されているのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
 3月31日までいた保育士が4月1日にがらっと全員総入れかえになってしまうと、こういったことのないような手だてが打たれているのかどうか、引き継ぎなどが行われているのかどうかについて伺いたいと思います。
 また、市立札幌病院親の会の方も、業者が変更になったことについては既にご存じかと思いますけれども、決算特別委員会の後、親の会から業者変更に伴って要望があったのかどうか、あればどのような内容だったのか、それについてどのように対応されているのか、お聞かせください。

高橋 事務局次長

 まず、1点目の清掃の関係でございます。一般の事務所の清掃とは違うんじゃないかという話で、どうあるべきかということでございます。
 病院の清掃につきましては、やはり患者さんに清潔で衛生的な生活環境等を提供することが目的でございまして、非常に高いレベルでの品質を維持することが重要であるというふうに考えてございます。
 また、入札の関係でございますが、現在、委員ご指摘のとおり一般競争入札により契約事務を行っているところでございますが、そのことによりまして多くの入札参加があって競争性が発揮されるということで、低価格での契約が可能となっている反面、専門性の高い病院清掃の履行確保に苦心している状況にもございます。現状といたしましては、適正な価格により清掃の質をいかに向上させるかということが課題であるというふうに考えてございます。
 それから、2点目の保育水準を保つために仕様書へどのような反映をしたかということでございますが、今回業者がかわりまして、契約書や仕様書を当然交わしておりますけれども、そういった中で、まず仕様書において、経験年数3年以上の保育士の数を2名以上から3名以上とする見直しを行って、保育の質の確保を図ったところでございます。また、看護師の勤務を考慮いたしまして、保育業務の開始時間を早めるとともに、土曜日も延長保育とするなど、利用者の利便性を図るため仕様書の見直しを行ったところでございます。また、保育士さんについても、現在の業者から新しい業者で引き続き雇用されるような働きかけを行っているところでございます。
 それから、親の会からの業者変更に伴う要望でございますが、その内容の1点目は、現在勤務している保育士のうち、引き続き勤務を希望する保育士については新たな業者にできる限り雇用してもらいたいということでございます。
 それから2点目は、新年度に入る前に、父母と業者、新たな保育士との顔合わせを兼ねた説明会を開催してもらいたいというものでございました。これらの要望につきましては、子どもを預ける親御さんの立場を尊重いたしまして、また保育事業の継続性を図るという観点から、その実現に向けまして、先ほど申し上げましたとおり新規業者との協議を行っているところでございます。

小形香織 委員

 まず清掃についての再質問でございます。
 2000年度に、一たん落札した業者が賃金未払いのまま仕事を途中で投げ出してしまって、一時は病院職員が清掃しなければならなかったというような事態もあったというふうに聞いています。
 先ほど、清潔で衛生を保てる高レベルな仕事が求められるというふうにおっしゃいましたけれども、実際には専門性の高い業者を確保するのに苦労をしていると、こういうご答弁でした。私は入札するときの価格のことと同時に、ここは信頼できる専門性の高い業者だというふうに判断できる材料が必要なのではないかというふうに考えています。例えば、当社はこのように仕事を進めていきます。当社はそのためにこういう衛生や清潔に対する管理を行ってやっていきますなど業者が掲げる具体的なビジョンを病院に提案する、そして、病院が最も求める清潔、衛生であるということの基礎的な認識をその業者が持っているかどうかということを加味して、入札価格だけではなく、業者を決めていくというような方式などをとるべきだと考えますけれども、その点いかがお考えか、今後の対応策についてお尋ねをしたいと思います。
 院内保育所の質問に移りますけれども、今のお話では、親の会からも継続雇用を希望する保育士さんについては継続して、業者がかわっても保育士さんはかわらないでいてほしいという要望があったということですし、病院側としても、保育士さんが新しい業者に移ることを考えておられるというふうにおっしゃっておられました。もう3月8日ですから、それが具体的に進められている段階に入っているだろうというふうに思いますけれども、とりわけ保育士がかわらないという点では、具体的に、目安というか、今の手ごたえとして何名ぐらい保育士さんが継続しそうだというふうに思っておられるか、その点伺いたいと思います。

高橋 事務局次長

 まず、1点目の清掃業務に関する今後の対応ということでございますが、病院清掃につきましては、先ほども申し上げましたとおり、特に医療や衛生面が第一の要件となるということで、一般の庁舎清掃とは異なる点がございます。その品質だとか請負体制について、より一層の精度の高い衛生面での対応が必要であると考えてございます。したがいまして、この清掃業務につきましては、単に価格だけにとらわれない形での発注形態を含め、幅広く検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、2点目の保育士さんの継続雇用ということでございますけれども、これは先ほども申し上げましたとおり親の会からの要望もございました。また、保育の継続性を確保するということから、その実現に向けて現在新規業者と協議を行っているところでございます。ただ、保育士の継続雇用の人数につきましては、保育士本人の希望もございますし、また、新規業者の採用判断もございますけれども、できるだけ多く雇用されるような形で協議を行っているところでございます。

小形香織 委員

 院内清掃の方なんですけれども、価格だけにとらわれないで、ぜひ精度の高い仕事を検討したいという答弁でしたので、衛生第一で働いてくれるという業者を価格だけではなく決めたいと、その方向で、ぜひ創意工夫をして、業者を選んでいただくように求めておきたいと思います。
 それで、院内保育所の方なんですが、現段階では何名かというふうにお聞きしましたが、できるだけ多くしたいということでした。これはまだはっきり決まっていないというふうに理解してよろしいのでしょうか。

高橋 事務局次長

 まだはっきり決まっていないということでございます。

小形香織 委員

 この院内保育所の民間委託というのは98年度から始められています。2001年の予算特別委員会で我が党の質問に対して、あくまでも子どもたちが認可保育所並みの保育を受けられるということを前提に対応したい、こういうふうに当時の清水事務局長が答弁しているんですね。98年度から今回まで民間委託で三つの業者にかわっています。そして、初めて3年間の業務委託ということで、それまでは随意で1年更新というふうにしていましたけれども、今度は3年契約に切りかえたと。そして、私が調べてみた結果では、業者がかわらなくても職員の方々は3年間で合計12名入れかわっているのですね。そして、今回も何名保育士が継続して残っていくのかがいまだにはっきりしていないと、こういう段階です。私はこれが認可保育所並みの保育というふうに言えるのかどうか大変疑問を持っています。その点についてどういうふうな認識をお持ちかお示しいただきたいと思います。

高橋 事務局次長

 今回業者が交代するということになるわけですけれども、先ほども申し上げましたとおり、新たな業者につきましては、経験豊かな常勤の保育士を配属するように協議しておりますし、また、現在の保育士さんをできるだけ多く引き続き雇用できるような協議を進めてございます。また、今後とも保育園親の会の代表も含めた保育園運営会議におきまして、保育の質の向上に向けた取り組みについて十分配慮してまいりたいというふうに考えてございます。

小形香織 委員

 認可保育所並みの保育と言えるかどうか、その点の認識をお聞きしたいという質問だったのですが、ちょっとご答弁がかみ合っていないかなと思うので、もう一度お願いいたします。

高橋 事務局次長

 以前に、前事務局長が認可保育所並みの保育が受けられることを前提としているという形で答弁してございます。そういう認識でございます。

小形香織 委員

 私は、引き継ぎを受けているからといって、認可保育所並みの保育を受けられるんだというふうに認識されていることは大きな認識の誤りではないかと思うんです。つまり、普通の一般の認可保育所では、保育士さんががらりとかわってしまうということはないんですよね。やっぱり経験豊かな保育士さんがいて、新しい保育士さんがいて、少しずつ保育の中身が継承されていくと、これが普通の一般の認可保育園の運営形態ですよ。けれども、今回、今時点でまだ何人の保育士さんが継続されるのかもわからない、そして、過去3年間で12名も職員が入れかわるといったことについても認可保育所並みの水準だというふうには到底言えないと思います。
 先ほども仕様書上で3年以上の保育経験がある人を2名から3名にふやすなど、さまざまな努力はされているというふうには思いますし、今ある枠の中では、病院の皆さんも、引き継ぎは十分にとりたいというふうなこともおっしゃられておりました。そして、保育の現場でも、保育士さんたちは与えられた時間の中で精いっぱい保育をされているというふうに私は思っています。
 ですが、落札金額を見ましても、これまでの業者は3年間で1億3,230万円です。そして、今度の業者はもっと低くて1億905万円です。病院の方で、債務負担行為として1億8,700万円を用意していても、実際には60%前後の金額で落札がされていると。これはやっぱり市場の競争原理が働くという点では必然ではないかというふうに思うんですね。ですけれども、保育というのは人間相手の仕事です。安く、低く、競争で抑えようとすれば、どうしても人件費を抑えざるを得ない。その結果、保育士さんの低賃金や臨時やパートなどの不安定雇用を入れるというような雇用形態にならざるを得ない。ひいては、それが子どもたちへ安定した保育環境を提供することができない。やはり、保育に市場の競争原理を持ち込んだ業者への委託という仕組みそのものを変えないといけないのではないかというふうに思うのですね。
 幾らの金額で入札したという基準だけではなくて、保育園へのビジョン、そして子どもたちへの豊かな成長をどういう保育で保障していくのかという保育の質、水準などを示してもらうと。そして3年間というふうな委託契約期間になっていますけれども、例えば、その業者に特別な問題がなければ、父母たちともよく話し合った上で契約期間を延長していくことなどは考えられないのかと。
 また、実際には、公設民営でやっているしせいかん保育園でも、特別なことがない限り毎年更新すると、こういう契約になっているわけですね。このように、やり方を工夫すればいろいろあるだろうというふうに思いますし、仕組みを抜本的に変えていくような手だてが必要だと私は考えます。そうしなければ、結局、毎回毎回、3年に1回は保育士が総入れかえになってしまうのではないかと、そういう可能性が生まれるということになってしまいます。そうした抜本的に変えていくという点についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。

高橋 事務局次長

 契約の抜本的見直しということでございますが、平成14年度に契約方法の見直しを行って、契約期間を3年間として、今回が初めての更新でございます。そういった意味では、いましばらく状況を見てまいりたいというふうに思っております。ただ、委員ご指摘のとおり、業者変更に伴う不安などは、もちろんあろうかと思います。そういったことを解消することにつきましては、これまでも取り組んできましたし、今後も親の会の代表や、あるいは保育園運営会議におきましても十分協議してまいりたいというふうに考えてございます。

小形香織 委員

 札幌市の次世代育成支援対策推進行動計画では、札幌市が事業者として当然立てていかなければならないというふうな時代ですし、上田市長は子どもの権利条例についても具体的に推進していくということで、今それについて手だてを推し進めようという段階にあるわけです。ですから、市立病院の院内保育所に預けられている子どもたちにも、当然、子どもの権利条例できちんと保護の手が回るという仕組みが必要だというふうに思いますので、私は、競争原理が働くということによって保育の質の維持ができないというような実態については、抜本的に改善をしていくことを求めて、質問を終わります。

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