かおり通信ONLINE
05年札幌市第1回定例議会

夏のオリンピック誘致決議への反対討論

(2005年3月30日)

井上ひさ子   議員

  私は、日本共産党市議団を代表して、ただいま議題に供されました、夏のオリンピック誘致決議に反対の立場から簡潔に討論を行います。

  わが党は、オリンピックは人類が生んだ意義あるスポーツの祭典として、まもり発展させなければならないものであり、昨年夏のギリシアにおけるオリンピックは、日本選手団の活躍などで、子ども達に大きな夢を与えるとともに、平和の国際交流事業としても成功を収めたものと考えております。

  私どもも、札幌において、夏季オリンピックが開催できるなら大変喜ばしいことと考えます。しかし、残念ながら本市のこんにちの財政事情などを考慮すると、以下の理由により、賛成しかねるところであります。

  理由の第1は、72年の札幌冬季オリンピックの時のような国からの破格の支援を期待することができないことであります。

  国の支援率を、札幌オリンピックと長野オリンピックを比較すると、競技施設の建設費補助では、札幌80.8%、長野31.9%であり、大会運営費に対する支出では、札幌17.3%、長野ゼロでありました。

  札幌オリンピック当時は、高度経済成長下での開催であり、国の破格の支援が行われました。

  ジャンプ台や屋内スケート場などの競技施設の建設は、文部省の手厚い補助にもかかわらず市の負担が膨らんだために、同じ文部省補助である小中学校の新設や増改築が大幅に抑えられました。

  児童生徒が急増するなか、競技施設の建設が始まった1969年度と1970年度は、各々4校の新設、1971年のオリンピック開催年度には、3校のみの新設に抑えられ、オリンピックの翌年度から8校、9校の新設、4校、5校の改築など遅れを取り戻すために急ピッチで建設が行われましたが、子ども達に長期間にわたって、夏は暑く冬は寒いプレハブ教室での不正常な授業などを強いる結果になりました。

  こんにちの国の財政状況は、国内総生産を超える債務残高を抱えており、長野オリンピックや2002年のワールドカップサッカー、そして大阪の夏季オリンピック誘致などのスポーツ行政への支援の減少は、一目りょう然であります。

  例えば、長野オリンピックの閣議了解は、競技施設建設への補助は2分の1に限定し、施設のあと利用は地元が主体的に行う、大会にかかわる財源確保のための特別措置はしない、などであります。

  このように、国のこんにちの財政事情から、札幌冬季オリンピックの時のような特別な財政支援を期待することは、困難であると言わざるを得ません。

  次に札幌市の財政状況に関してですが、深刻な不況による税収の落ち込みのなか、300億円を超える収支不足から、敬老パスの改悪や家庭ごみの有料化など財政構造改革プランに基づく、133億円にもぼる市民負担の強化を行おうとしており、夏のオリンピックの開催による更なる財政悪化と負担の強化に市民の理解や納得が得られないものと考えます。

  したがって、夏季オリンピックの誘致決議には賛成しかねることを申し上げて討論とします。

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