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児童相談所の児童福祉司の増員と保育所保育料値上げ撤回を求める

04(平成16)年第二部決算特別委員会−04年10月13日

小形香織 委員

 私は、児童相談所の児童福祉司の増員と、それから保育所保育料の問題について、大きく2点について質問させていただきます。
 まず、児童福祉司の増員についてです。
 先ほども同じ趣旨の質問がありましたけれども、これは大変重要なことだと考えますので、私の方からも質問をさせていただきます。
 児童福祉司は、児童福祉法の第11条に、児童の福祉に関する事項について相談に応じ、専門的技術に基づいて必要な指導を行う等、児童の福祉増進に努めると定められているように、子供たちの養護相談に直接かかわる大変重要な役割を果たしています。
 札幌市の児童相談所で行っている養護相談を見ますと、1999年度692件だったものが、2003年度には971件と、5年間で約280件ふえています。そのうち児童虐待にかかわる相談件数は、1999年度の137件から2003年度205件、2001年度の301件をピークに若干減少しているという傾向にはあります。これらの数値というのは、その年ごとに受けた相談件数です。児童福祉司が受ける相談というのは、その場で話を聞いてすべて解決して終わるという性質のものではなくて、何年にもわたって、その子供が援助を必要としなくなるまでしっかりとフォローしていくと、これが仕事なわけですから、当然、児童福祉司の抱えている相談件数や対応件数というのは、ここにあらわれる数字以上の相当な数を抱えていると思われます。
 10月7日の毎日新聞には、年間170件もの新規の件数を1人で対応している福祉司もいるというふうに報道されています。札幌市の児童福祉司の抱えている相談件数、対応件数は、継続中のものも含めておよそどのくらいあるのか、お示し願います。
 次に、このうちの児童虐待に関係してお聞きしたいのですけれども、2001年度の301件をピークに若干減少している傾向があるとはいいながらも、児童虐待相談の内訳を見てみますと、重度のもの、つまり親子分離をして施設入所などをする必要のあるケースの割合が、2001年度22.6%だったものが、2003年度には26.8%というふうにふえております。相談が減ったから虐待が減ったのだというよりも、むしろ児童福祉司が抱えるケースは深刻なものがふえているというふうに私は認識しましたけれども、その点いかがか、お考えをお示しください。
 次に、保育料に関する質問です。
 札幌市の合計特殊出生率は1.06と、全国平均の1.32を大きく下回り、政令指定都市の中でも最低数字となっています。少子化は全国的な傾向でもあり、今、国では次世代育成支援対策推進法というのを制定し、各自治体に行動計画の制定を義務づけて、子供を産み育てやすい社会をつくろうと、模索が始まっています。  札幌市は、全国に先駆けて1年早く、次世代育成支援対策推進行動計画を先月策定いたしました。この計画にも示されていますけれども、2001年に内閣府が行った調査でも、2003年に札幌市が行った調査でも、出生率の低下の原因についての問いに、子育て費用の負担が大きいと答える人が最も多く、札幌市の就学前の児童を持つ親においては、認可保育所や幼稚園にかかる費用負担を軽減してほしいと回答した人が77.8%にも上っています。
 質問の一つ目は、こうした子育てにかかわる経済的負担が大きいという声が最も多いということについてどのように認識をされているのか。そして、どのような対策を打とうとしているのか。
 以上、お尋ねいたします。

大沼 児童相談所担当部長

 まず最初に、相談対応件数についてお答えいたします。
 本市における相談対応件数は、新規、継続を含めまして、平成13年度が4,368件、14年度は4,418件、そして15年度につきましては4,631件と、年々増加している状況でございます。
 次に、虐待件数についての認識でございますが、今、お話がありましたように、委員ご指摘のとおり、虐待として認定し取り扱うケース数というものはやや減少はしておりますけれども、その内容は、親子分離をせざるを得ないケースの割合が増加しておりまして、やはり複雑、深刻化している状況でございます。そのように認識しております。
 また、通報件数が昨年同期と比べまして、現時点で今年度は2倍となっている状況でございます。

山本 子育て支援部長

 2点目のいわゆる経済的負担についての認識、またその対策でございますが、ただいま委員からお話がありましたように、子育て家庭の経済的負担の軽減が多く求められているということにつきましては、各種調査、また、今回の札幌市次世代育成支援対策推進行動計画の策定の中で、ニーズ調査の結果として、我々も把握をしているところでございます。
 つきましては、このたび、いわゆる行動計画に掲げております19の基本施策の一つであります経済的支援の取り組みとしては、児童手当、乳幼児医療費の助成として保育料の軽減など、さまざまな事業を盛り込んでいるところでございます。

小形香織 委員

 まず、児童福祉司の方からです。
 今、ご回答いただきました、おおよそ抱えている相談件数や対応件数が年々増加していて、平成15年度、今年度では4,631件と、そして年々複雑深刻化しているというケースがふえていると。こういう実態を今伺ったわけですけれども、今、実際、これを22名の児童福祉司で全部受け持っているということです。単純に頭割するというのは実態とは合わないとは思いますけれども、わかりやすく平均化させていただきますと、児童福祉司1人当たり209件ぐらいのケースを抱えているという計算になります。生活保護のケースワーカーが1人80件ぐらいのケースを抱えて大変な思いをしているわけです。そしてまた、外国の例を見ますと、けさ、朝日新聞で出されていましたが、アメリカでは1人当たりのケースワーカーが抱える件数は20件、ニューヨークで12件と、カナダのオンタリオ州では22件と、もちろん制度や仕組みも違いますから単純比較はできないにしても、余りにも児童福祉司1人当たりが抱えるケースが多過ぎるのではないかというふうに私は思います。
 札幌市は186万人の人口ですから、国の配置基準、これは最低の配置基準というふうに認識しますが、札幌市は、児童福祉司は2004年度で27名置かなければならないわけですから、国の最低基準よりも5名少ない状況に置かれていると。では、ほかの12の政令指定都市の配置状況はどうかということを見てみますと、国基準を満たしていないという点では、札幌市はワーストツーに入るわけです。千葉市の6人足りないという、これに次いで悪い実態ということです。
 一方で、京都市では、国基準よりも11名多い、川崎市と大阪市では、国基準より6名多いなど、今日の社会状況に対応して、超過して配置する努力をしている自治体もあります。
 先ほどの前段の質問のやりとりでは、事業の見直しなどで児童福祉司の増員については、関係部局と協議しながら進めてまいりたいというご答弁でありましたけれども、今、これだけ児童虐待が社会的な問題になっていて、児童相談所の対応が十分だったかどうかという疑問が出されるような事件も起きているというのに、国の基準すら満たしていないというのは早急に解決するべきだと考えます。そして、まずは、最低でも国基準を満たすべきであるということを強く求めておきたいと思います。
 続きまして、保育所の方の質問でございますが、先ほどご答弁もありましたけれども、この次世代育成支援対策推進行動計画では、基本目標の2の中に、子育て家庭を支援する仕組みとして、子育て家庭の経済的負担の軽減が求められていますというふうに書かれて、個別事業にご答弁のありました児童手当や乳幼児医療費など、そして保育料の軽減もしていくということが書かれております。ところが、9月22日に市長が発表しました財政構造改革プラン(案)の中には、受益者負担の適正化という項目の一つに、保育所保育料というのが挙げられていて、その具体的な方法というのは、保育料の軽減率を政令市の平均まで引き下げた場合というものを想定しています。現行の札幌市の軽減率37.09%を32.15%に引き下げて、年間1億2,600万円を値上げして父母負担させようという負担強化の計画です。
 片方で保育料を国の基準よりも低額に設定して軽減率を引き下げていくというふうにしておきながら、もう一方では、保育料軽減率を引き下げて保育料の値上げを検討すると、これは同じ市の、そして同じ子ども未来局という部局の中で、全く反対方向の政策を出していることになり、矛盾しているというふうに考えますが、そうはお思いにならないのか、お尋ねをいたします。
 また、父母の最大の願いが、子育ての経済的負担の軽減であるのに、保育所保育料の引き上げを検討しているというのは、つまりのところ、札幌市は少子化の問題を解決しようという意思はないというふうに私には受けとれるのですけれども、札幌市は本気で少子化を克服しようとお考えなのかどうか、保育料を値上げしても少子化が克服できると本当にお考えなのか、あわせて伺いたいと思います。

山本 子育て支援部長

 それでは、お答えをいたします。
 1点目のいわゆる行動計画と財政構造改革プランとの関係でございますが、いわゆる行動計画におきましては、子育て支援事業として待機児童対策解消に向けた保育所整備事業及び従来から一時保育、あるいは延長保育事業についての拡充を図るとともに、これからの時代に対応した事業といたしまして、児童全体を対象といたしました子育て支援センターの設置や子育てサロンへの支援など事業を盛り込んでおります。
 しかしながら、本市の財政状況は過去になく厳しい状況になっておりまして、行動計画に盛り込まれました19の基本施策を着実に推進していくためには、世代を超えたすべての人々が、少子化を将来にかかわる重要な課題として認識するとともに、経済的な負担を初めとした子育てによるさまざまな負担を社会全体で可能な限り共有、分担し合うことが必要であろうと答えております。
 このようなことから、保育料につきましては、国徴収基準額より低額に設定していく中で、保育料の適正な受益者負担のあり方について検討することが必要であろうと考えております。それで今回ご提示をさせていただいたものでございます。(「聞いていることに答えなきゃだめだ、はぐらかしというのだ、そういうのは」と呼ぶ者あり)
 次に、2点目の少子化が克服できるかということでございますが、子育て家庭への経済的支援につきましては、少子化対策への一つの重要な施策である。今、お話し申し上げたとおり、子育てに伴う経済的な負担の軽減を図るため、保育料を国徴収基準額より低額に設定するという基本的な考え方は堅持するものでございます。
 あわせて、行動計画に盛り込まれましたさまざまな施策を着実に推進し、次世代を担う子供たちを健やかにはぐくむ環境づくりを進めていくことが、少子化対策の推進に貢献するものであると、そのように考えてございます。

小形香織 委員

 私の質問は、全く逆行しているのではないかと、そうは考えないのかというのが質問だったわけです。つまり、片方で保育料の軽減などをして、父母負担を図って少子化を克服すると言いながら、もう一つの財政構造改革プランでは保育料を値上げしていくのだという、これでは少子化を解決できないではないかというふうに私は考えるわけです。同じ部局で全く違う逆方向の施策を出しているということについて、本当に矛盾しているというふうに考えるわけです。本気で少子化を克服しようと思うならば、77.8%の父母の方がこの経済的な負担を軽減してほしいという願い、これを実現することこその道だと考えますけれども、局長、その点どうお考えでしょうか、もう一度同じ質問になりますけれども、重ねて伺います。

平井 子ども未来局長

 大変厳しい財政状況の中で、すべての子育て家庭を支援するという大命題に向かって行動計画を策定しているわけで、国の徴収基準より低額で抑えるというところは堅持いたしますけれども、保育料の受益者負担のあり方というものは、もう一度市民に広くご議論いただいて方向性を定めていきたいというふうに考えております。

小形香織 委員

 結局、保育料を上げていくという方向について、今のところは検討していくが撤回する考えはないというようなご答弁だったと思いますけれども、私は、やっぱり札幌市の保育施策の整備というのは、全体としておくれているというふうに言わざるを得ないと思います。そもそも保育所に入ろうと思ったら、保育所が足りなくて入所の順番待ちをするという待機児童の問題があって、そこでまず親たちは困るわけですね。そうして入ってみたら、超過入所でぎゅうぎゅう詰めだということで、うちの子は大丈夫だろうかというふうに心配をするわけです。
 そして、ようやく保育所に入って、職場復帰して仕事を本格的に軌道に乗せて、社会の要請にこたえて、残業などもこなしていこうと思って、さて延長保育を利用しようと思ったら、広く薄くという名称のもとで、延長保育に対する市の単独補助がなくなっていくと、これで延長保育児の保母さんの保育体制が薄くなっていくという問題が起きるわけです。そして今度は、保育料も上げられるかもしれない、これでは子供を産んで育てようというふうに意欲を持ったとしても、心配が先に立って、産む気になかなかなれないということが起きてくるのは当たり前ではないでしょうか。
 子供を保育所に預けているあるお母さんは、1人目を保育所に入れて本当によかったと、それまでは自分の子育てがこれでいいのか、本当に育児不安で悩む毎日だったけれども、保育所に入って働くようになって、保育士さんにも相談できるし、親しい親同士のいろいろな会話もできるようになって、我が子を客観的に見られるようになったといって、今、4人目を出産しています。こういう役割を果たしている保育所に、保育料を値上げするような計画というのは、市民の願いに背くものでありますし、せっかくつくった次世代育成推進行動計画の内容にも反するものだというふうに考えますので、この保育料の値上げについては撤回すべきだということを強く申し上げて、質問を終わります。

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