
私は、市立病院の院内保育所について質問させていただきます。
質問の1点目は、これまで毎年行われていた委託保育業者の変更を2002年から3年間の委託契約に変更したことについての評価です。
市立病院は、病院事業の健全化ということで、1998年から80名の子供たちがいる院内保育所を業者に委託する方法に切りかえ、毎年随意契約をしてきましたけれども、保育士がなかなか定着しない、次々と退職していく、その結果、子供たちに安定的な保育を保障できないという状況が生まれました。そのことについては我が党の議員が取り上げ、2002年からは3年間の委託契約に変更になった、こういう経緯です。
現在の委託業者は、指名競争入札によって最も安い価格で選ばれたわけです。そこに決まる手前では一たんコティという業者が落札をしたけれども、契約をする直前でそれを返上し、そしてそれを再入札する、その結果、今の業者に決まった。こんな経緯もありました。
今回の委託業者は3年間で1億3,230万円の契約金となりました。これには消費税の63万円が含まれております。これを1年間に直しますと年間で4,200万円、ここに20名のスタッフで保育事業を行うということになっています。仮に20名全員が同じ給与をもらっていたとすると1人当たり210万円の年収です。私は、この保育所運営を指名競争入札のビジネスとして行わせるということ自体に無理があると考えますけれども、随意契約から3年間の契約に変更した結果、保育する業者の職員は安定して働けるようになったのか、伺いたいと思います。
2002年の予算特別委員会では、我が党の質問に対して、できるだけ保育に影響のないように引き継ぎ期間を設けるなど配慮していきたい、こう答弁しておりますし、院内にある保育園運営会議で、預けている父母たちからの要望も聞いて反映させていく、こういうふうに答弁もされています。その結果、この3年間、子供たちを安定的に保育できるような環境が整えられたと考えているのかどうか。その評価について伺いたいと思います。
それから、質問の2点目が父母の願いに沿った保育についてです。
2002年の予算特別委員会では、委託金額が安く落札をしたから可とするのではなく、札幌市の大事な宝である子供を育てるという観点での業務だと、こう答弁されておりますように、何よりも子供たちの健全な発達が保障できる保育所でなくてはなりません。保育の中心は子供たちであり、保育所でどのように子供たちが保育されているのかを最も心配し関心を持っているのは、子供を預けている父母たちです。この保育園には親の会というのがあると聞いていますけれども、当然、父母たちも今年度で契約が切れるということは知っている。そして、これから先どうなるのだろうかと心配していると思います。
そこで、まず、委託業者の選定に当たって、この保育所の親の会から何か請願書だとか要望書のようなものが既に提出されていないかどうか、これを伺いたいと思います。また、もし、出されているのでしたら、そこに書かれている父母の願いは主にどのようなものなのか、明らかにしていただきたいと思います。
とりあえず、以上2点伺います。
まず、1点目の民間委託についてどう評価するかということでございますが、現在3年契約ということでございますが、受託業者が頻繁にかわることによる影響を抑えるために、平成14年度から単年度契約を3年契約としたものでございます。したがって、これまでよりは保育の継続性を確保できたものと考えてございます。
それから、2点目の園児の父母からの意見なりあるいは要望ということでございますが、園児の父母で構成されております市立札幌病院保育園親の会から、民間委託したことに伴い、業者変更に伴う園児への影響や働く保育士さんの雇用条件の悪化が懸念されるということから、保育水準が低下しないような方法を講ずるよう検討してほしいという要望がございました。
子供たちを安定的に保育できる環境が整えられていたのかどうかということで、今ご答弁がありましたけれども、さらにそのことについて質問をしたいと思います。
預けている親からは、先生が一度にかわったために、登園拒否のような状況に陥った園児もいたという声を聞いております。また、一方、夢を持って、希望を持って保育士という職についたけれども、給与が低くて生活もままならない、そしてやめざるを得ないという実態も私は聞いています。乳児期から幼児期といいますのは、とりわけ保育士さんと子供との1対1の関係が非常に大事な時期です。その信頼関係や安心が築かれて、その先に子供たちと友達同士とのかかわり合いや仲間意識というものが芽生えてきます。その大事な乳幼児期にたびたび先生がかわるというのでは、子供たちはもちろんのこと、預けている親たちも全く安心して働くことができません。
市立札幌病院の保育園業務の仕様書というものによりますと、職員の配置という項目がありまして、そこには、職員は原則として1年間変更してはならない、こういうふうに書かれています。この3年間、職員は具体的に異動がどのくらいあったのか、これを明らかにしていただきたいというのが再質問の1点目です。
それから、先ほどの親の会からの要望書には、現在の保育水準を維持できる方法を検討してほしいということが主な願いとして書かれていたようですけれども、親からの願いについて、これをどのよう受けとめて、具体的にどのように具現化していくおつもりでしょうか。
ことしの1定では、1億8,700万円の院内保育園運営業務委託の債務負担行為を議決していますけれども、新たな委託業者の選定や入札応募基準がどのように改善されるのか。何を最も大事な基準にされていこうとするのかということをお示しいただきたいと思います。
以上、2点お聞きします。
まず、1点目の3年間でどのような異動があったかということでございますが、平成14年度から15年度にかけまして、常勤保育士で4名、非常勤保育士1名の合計5名、それから平成15年度から16年度にかけましては常勤保育士で9名、非常勤保育士1名の合計10名が人事異動や退職をしているところでございます。
それから、父母の会の意見、要望についての受けとめでございますが、既に園児の親、それから組合役員、事務局職員で構成されております市立札幌病院保育園運営会議において議論をいたし、現在、業者変更に伴う弊害の解消や適正な雇用条件の確保など、保育水準を保つことができるよう契約内容や仕様書などについて検討しているところでございます。
やはり、最初に5人、そしてその次の年には10人というふうに人が入れかわるというのは、決して安定した保育が維持できたというふうに言えないのではないかなと、私は感想を持ちました。
子供たちの健全な成長を最大限保障していくというのが保育所に与えられた使命です。そのために大事なことは、保育士の入れかわりが激しく行われないこと、つまり労働環境や賃金が安定的で、保育士も安心して保育に専念できる環境をつくるということが大切な要素になるというふうに考えます。今回、業者を新たに選び直すということですけれども、もし、業者がかわるとなれば丸々保育士さんがかわるということになります。3月31日までいた保育士が、業者がかわったことによって、4月1日になってそっくり丸々入れかわってしまうと。そうすると幾ら事前に多少顔見知りになろうと、見学などを行ってみても、やっぱり一人一人の子供の特徴をつかむということになるのは、実際に保育をしてみないとわかりません。そして、保育士さんと子供とのそれなりの関係を築くには、やはり最低3カ月はかかるだろうというふうに私は思います。
こうした子供たちへの影響を考えるならば、丸々職員がかわってしまうということを避けるとか、そういった保育の質を下げないための何らかの対策が必要と考えますけれどもいかがか、最後にその点を伺いたいと思います。
来年度からまた入札ということでございますので、どうなるかわかりませんが、仮に来年度に委託業者が変更となった場合につきましては、新たな業者には受託開始前に保育見学や実地研修、さらには保育所の異動を含めた引き継ぎなどの方法によりまして、保育の継続と保育水準の維持に努めてまいりたいと考えてございます。
ぜひ、それを実行していただきたいと思います。
札幌市では、次世代育成の推進計画を立てていますし、市役所の中でも一つの事業所としてこの計画を策定しなければなりません。その目的は何よりも子供たちの健全な発達と健やかに育つための環境を社会が整備していくことです。市立病院の院内保育所も、当然、その対象となるわけですから、こうした背景もしっかりつかみながら、子供たちとそして預けている親の要望に沿った業者の選定を行うように強く求めて、質問を終わります。

