発言集
    人と環境にやさしい市電を活かした街づくりを  

   いま札幌に市電(路面電車)が残っているのは、市民の運動があったからです。

   1970年代、札幌では地下鉄の建設をすすめることを決めました。モータリゼーションが進む中で車の通行の妨げになる市電を廃止し、地下鉄をそれに替わる乗り物にしようとしたのです。そして、それまであった麻生方面、円山方面などに延びる市電が次々と消えていきました。

   そんな中で、「市電はくらしの重要な足。どうしても残して欲しい」と沿線に住む方などから要求があがり、「市電を守る連絡会」が結成されました。すでに「廃止」は決まっていましたが、「日本共産党を訪ねると、『署名運動を進めよう。たくさん集まれば必ず力になる』と励まされ、私たちは覚悟を決めました」と当時の会長さんが語っています。この会を中心に、日本共産党や後援会、新婦人などが大奮闘し、市電沿線の住民や商店街などから次々と署名が集まりました。5000筆を超えた署名は、当時の板垣市長の方針変更を決意させ、現在の南一条線・西線・山鼻線が残ったのです。

   いま、地球環境汚染が深刻な状況となる中で、アメリカやヨーロッパの都市では、一旦廃止した市電が全面的に見直され街の中心的な交通機関になっています。その大きな理由は、排気ガスを出さない市電を市民の足にするためです。市電を中量輸送機関(中規模の人が乗せられる乗り物)と位置づけ、近距離を気軽に移動できるよう、路線が網の目状に張りめぐらされています。LRT(Light Rail Transit)というタイプが主流で、これは札幌の市電よりも騒音や振動が少なく、低床式で段差がほとんどありません。自動車とLRTを結ぶために郊外の駅に大型の駐車場を設け、ここからLRTに乗り換えて市内に入る「パーク&ライド」という仕組みや、「トランジットモール」と呼ばれる、自動車が乗り入れできない通りも作られ、市民の足と環境への配慮、そして美しい街づくりが行われているのです。

   札幌での「市電を活かした街づくり」は、日本共産党の政策。人と環境にやさしい街づくりを願う声が広がる中で、中央区では「中央区民の要求を実現する連絡会」が中心となって「桑園・苗穂地域への市電の延伸と、すすきのから西4丁目をつなぐ駅前通の環状化」を求め、署名に取り組んできました。こうした市民運動を背景に、札幌市でも「長期総台計画」の中で市電が再評価され、駅前通や桑園・苗穂方面などへ市電を延長する具体案も作られました。

   ところが、「交通事業改革プラン」のなかで「存続を含むあり方を検討し2003年度末までに結論を出す」と、交通局の赤字を理由に「廃止も含む」検討をしようとしていることが明らかになりました。

   選挙後の新しい議会体制で、再度「市電を活かした街づくり」と、その大前提としての「市電を残す」運動を進めるため、あらためて議会に請願を出しています。市民の運動で残してきた市電を、今度も市民の運動で残したい。人と環境にやさしい市電を、札幌の街並みを美しくするための、一つとして位置づけて欲しい。そんな願いで、いま市電の署名が進められています。

(「ほっかい新報」04年01月08・15日付合併号より)


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