学校図書館が国の基準大きく下回る実態を指摘、早急な整備求める

03年(平成15)第一部決算特別委員会−03年10月17日

小形香織 委員

 私は,学校図書館の整備状況について伺います。
 2001年に制定されました子どもの読書活動の推進に関する法律には,「子どもの読書活動は,こどもが,言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,想像力を豊かなものにし,人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないもの」と,その理念をうたっています。
 教育現場における学校図書館の果たしている役割についてどのように評価されているのか,まずお示しをお願いいたします。
 2001年の第3回定例市議会決算特別委員会で,我が党の議員が,図書館のない学校の現状とその整備策について質問をいたしました。学校図書館がなかった学校は,その後整備されたのかどうか,次に伺います。
 まだ残っているとすれば,なぜ学校図書館がいまだに設置されていないのか,その学校名,学級数,現在のおよその蔵書数についてそれぞれ具体的に明らかにしてください。

佐藤 指導担当部長

 まず,1点目の学校図書館の役割とその評価についてでございますけれども,子供たちが学習を進めていく上で必要な情報収集,選択,活用する学習情報センターとしての役割と,日々の生活の中で読書を楽しみ,豊かな心をはぐくむ読書センターとしての役割があり,その役割は学校教育上,重要であると認識しております。

中村 総務部長

 平成13年第3回定例市議会で,図書室の未整備校のことについてお答えしておりますが,その時点では,図書室の未整備校は,小学校で4校,中学校で1校というふうにお答えしておりますけれども,現在においても,残念ながら解消には至っておりません。
 それぞれの学校規模,それと平成14年度末のおおよその蔵書冊数についてご説明申し上げますと,あいの里西小学校が15学級で蔵書数は8,300冊,栄町小学校が12学級で蔵書数が4,500冊,大谷地東小学校が23学級で蔵書数が4,150冊,厚別東小学校が11学級で蔵書数は約3,400冊,上篠路中学校が9学級で蔵書数は3,850冊となっております。
 なぜ学校図書館が整備されていないかということでございますけれども,これらの学校はいずれも完成規模に至っていないといった理由から,専用スペースとして学校図書館を整備できなかったものでございます。具体的な理由といたしましては,図書室の重要性については,私ども十分認識しているところでございますけれども,理科室ですとか,あるいは音楽室,家庭科室といった専用設備の必要な特別教室の整備をどうしても優先的に行わなきゃならないという事情がございましたので,結果として,図書室の整備を図ることができなかったわけでございます。

小形香織 委員

 ただいま明らかにされました学校図書館のない学校は,どこにでもある一般的な規模の小・中学校です。今明らかにしていただきました蔵書数についてですけれども,例えば,厚別東小学校,ここは3,430冊ぐらいですね。ここは11学級ですけれども,同じ規模の小学校が平均的に持っている蔵書数は6,205冊,約半分です。大谷地東小学校4,150冊とおっしゃいました。ここと同じぐらいの規模の平均蔵書数は6,790冊と聞いていますので,これも市内同規模校の約60%という数字です。あいの里西小学校以外は,すべて下回っているという状態です。しかも,市内の同規模校の平均的な蔵書数そのものが,国の図書基準に照らして著しく少ないものです。
 学校図書館には,学校の規模に合わせて,このぐらいの蔵書がされるべきだという図書標準が示されています。同規模校の蔵書を上回っているあいの里西小学校でも,国の基準に照らせば91%の到達,ほかの四つは37%から56%の到達率です。図書標準よりも同規模学校の平均よりも少ない蔵書実態についてどう思われますか。問題なしとお考えなのかどうか。こんなに少ないのは,学校図書館が整備されていないことに大きく関係しているものと考えますがいかがか,見解をお示しください。
 この五つの学校についての教室等配置図という図面を見せていただきました。図面上に表示されているのは,図書コーナーとか,コンピューター教室(図書室)とか,ワークスペース(図書コーナー)など,どれも専用スペースではなくて,一時的にスペースをあてがっている状態です。これは学校図書館とは言えません。
 1993年に改正された学校図書館法第1条には,学校図書館が,教育において欠くことのできない基礎的な設備であると明記されています。これらの学校は,長くて21年間,短くても9年間,学校図書館がない学校であり,欠くことができないものが欠けている状態が続いています。21年間も放置されていることは異常と言わなければならないと思いますが,この実態についてどのように認識されておられますか。今後何年間も現状のまま放置するおつもりでしょうか。直ちに学校図書館を整備することをこの場でお示しください。

中村 総務部長

 今,小形委員の方から,この5校についての達成率,同規模の学校の達成率との比較等のお話ございました。
 図書購入費の配当に当たりましては,平成14年度以降,国の地方交付税措置の増額等を受けまして,鋭意整備しているところですけれども,配当に当たりましては,図書館の有無にかかわらず,私どもでは学級数をもとに算出した額に,実際に達成率の低いところについては,各学校の達成率に配慮して追加配当といったことをしているところです。
 蔵書数につきましては,各学校の図書の整備方針でありますとか,あるいは,その図書の利用頻度による廃棄処分の差ということもございます。さらには,学校設置後,厚別東小学校であればまだ10年ということもございますけれども,そういった学校設置後の経過年数により異なっておりまして,私どもとしましては,図書館の未整備ということが蔵書数に関係しているというふうに一概に言えるかどうかということについては,そうは言えないというふうに認識しております。
 2点目のこれらの学校についての今後のあり方ということですけれども,多目的スペース等に図書コーナーを設けるなど,十分とは言えないまでも図書室としての機能は確保しているというふうに考えております。
 今後の解消計画ですけれども,これらの学校は,いずれも児童生徒数の推計をしますと,今後増加傾向にはないという実態がございます。したがいまして,今後も増築ということはなかなか困難であると考えておりますけれども,ご指摘のように,学校図書館自体は,法律上設置が義務づけられているということは認識しておりますので,現状の施設の中で,可能な限り,本来の図書室としての機能を発揮できるよう,改善を検討してまいりたいと考えております。
 また,将来的な学校全体の余裕教室の発生状況の中で,他の特別教室などとの優先度合いを考えながら,可能な学校についてはできるだけ早急に整備していきたいと考えております。

小形香織 委員

 ただいまのご答弁では,十分とは言えないまでもというふうに言いながら,スペースを利用して何とかやりくりしていると。結局,この何とかやりくりしているという状態がずっと続いているのです。そのことを私は指摘しているのです。
 子供にとっては,6年間とか3年間しかそこの学校にいないのです。いつまでも,この状態を放置するというのは,私は許されないと思います。学校図書館法に照らしても,直ちに図書館をきちんと整備すべきです。政令指定都市の札幌,この中規模の学校に図書館がないという実態に,私は大変驚きました。これは,札幌市の教育行政の質が問われる問題ではないでしょうか。
 教育長に伺いたいのですが,これは直ちに整備しなくてはならないと私は思いますけれども,そうはお考えになりませんか。教育長の答弁を求めます。

松平 教育長

 今,部長からもお話しさせていただいておりますけれども,それぞれの学校が,学校規模とかいろいろ事情がございます。それで,その限られたスペースの中で,授業に,語弊あるかもしれませんが,優先的に充てていくかという,そういうことの判断の中で未設置というものが残っているというのが現状でございます。
 ただ,私どもとしても,これは条件が許せば,当然,解消したいということで考えておりますので。(発言する者あり)
 そういうこともございますけれども,私どもは常にそういうつくりたいということで進めておりますので,ご理解をいただきたいと思います。

小形香織 委員

 個々の事情がある,条件が許せば,そういうふうに答えられているのですけれども,21年間放置されている学校もあるわけです。ぜひ直ちに整備することを強く求めまして,質問を終わります。


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