発言集
    「戦争の姿を子どもたちに伝えたい」  −  私の親しんだ絵本から

   私が子どもの頃に読んだ絵本で、強烈な記憶となっているのは、いわさきちひろ作「戦火のなかの子どもたち」(1973年岩崎書店発行・定価1400円)です。いつもは幸せいっぱいのやわらかな絵のちひろさんが、凍えたような眼、怒りに満ちたお母さんの表情を描いていたのにビックリし、意味はよくわからないながらも何かを感じ、怖くて一人で絵本を開くことができなかった記憶があります。当時小学3年生。学童保育所に新しく届いた絵本だったと記憶しています。

   そのころ母は、「ベトナムのダーちゃん」(早乙女勝元作)、「猫は生きている」(早乙女勝元・作/田島征三・絵)などを買っきてくれ、時々子どもの頃の戦争体験などを聞かせてくれました。

   いま、私も母と同じように、子どもたちに戦争などをテーマにした絵本を意識的に選んで読み聞かせています。その一つが、「国境を越えて」(ウィリアム・カプラン・文 シュテファン・テイラー・絵 千葉茂樹・訳 BL出版発行 定価1600円)です。

   第2次世界大戦が勃発する直前のヨーロッパで、ナチスの侵攻から逃れようとカナダへ向かうユダヤ人カプラン家族。幸運にもビザを手に入れることができ、リトアニアからシベリア大陸を通り、ウラジオストクから神戸へ渡って、神戸からカナダのバンクーバーまで、地球の4分の3を旅して奇跡的な逃亡に成功します。多くのユダヤ人が命を落としたこと、この家族は幸運に恵まれたごく一部の人たちだったことなどとあわせて、ユダヤ人にビザを発行し続けた日本人領事・杉原千畝さんも描かれています。絵と当時の写真が調和して、切迫した家族の様子が伝わってくる絵本です。

   「中央区民報」8月31日第795号で紹介した写真絵本「私たちはいま、イラクにいます」(講談社発行 定価1200円)とあわせて、いま最もご紹介したい絵本です。

(日本共産党札幌中央区伏見後援会ニュース「ひまわり」第65号より)


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